コンフィグレーションガイド Vol.3


13.11.1 概要

高速経路切替機能は,同一の宛先を持つ複数の経路が存在する場合に,最も優先度が高い経路情報(第1優先経路と呼ぶ)と,第1優先経路の次に優先される経路(第2優先経路と呼ぶ)をあらかじめルーティングテーブルに登録しておき,インタフェースダウンなどによって第1優先経路が使用できなくなったとき,素早く第2優先経路をフォワーディングテーブルに登録することで,通信停止時間の短縮を図る機能です。本機能はコンフィグレーションの設定がなくても動作します。

高速経路切替のサポート範囲を次の表に示します。

表13‒14 高速経路切替のサポート範囲

切替契機

切替内容

インタフェースダウン

第2優先経路への切り替え

マルチパス経路の縮退

インタフェースダウンを伴わないIGP経路の変更によるBGP4またはBGP4+経路のネクストホップ変更

第2優先経路への切り替え

マルチパス経路の縮退

インタフェースダウンを伴わないピア切断によるBGP4またはBGP4+経路のネクストホップ変更

第2優先経路への切り替え

マルチパス経路の縮退

注※ BFDによるダウンを検出した場合も含みます。

高速経路切替を適用する経路の組み合わせを次の表に示します。

表13‒15 高速経路切替を適用する経路の組み合わせ

項目

第1優先経路

RIP/

RIPng

OSPF/

OSPFv3

BGP4/

BGP4+

スタティック

集約経路

直結経路

第2優先経路

RIP/RIPng

×

×

OSPF/OSPFv3

×

×

BGP4/BGP4+

×

×

スタティック

×

×

集約経路

×

×

×

×

×

直結経路

×

×

×

×

×

(凡例) ○:適用する ×:適用しない −:この組み合わせは発生しない

注※

次の経路の場合,高速経路切替を適用しません。

1. コンフィグレーションコマンドip routeまたはipv6 routeのパラメータとして次を指定した場合

 ・reject

 ・noinstall

2. 送信先インタフェースが次の場合

 ・ループバックインタフェース

 ・Nullインタフェース

 ・マネージメントポート