トラブルシューティングガイド
IGMP/MLD snooping使用時にマルチキャスト中継ができない場合は,次の表に示す障害解析方法に従って原因を切り分けてください。
表4-5 IGMP/MLD snoopingの障害解析方法
項番 確認内容・コマンド 対応 1 IGMP/MLD snoopingを使用しているVLANで,障害が発生しているシステムメッセージが表示されていないか確認してください。
- show logging
VLANで障害が発生していない場合は,項番2へ。 VLANで障害が発生している場合は「メッセージ・ログレファレンス」を参照して,各システムメッセージの「対応」に従ってください。 2 IGMP/MLD snoopingを使用しているVLAN内のポートまたはチャネルグループで,障害が発生しているシステムメッセージが表示されていないか確認してください。
- show logging
ポートまたはチャネルグループで障害が発生していない場合は,項番3へ。 ポートまたはチャネルグループで障害が発生している場合は「メッセージ・ログレファレンス」を参照して,各システムメッセージの「対応」に従ってください。 3 IGMP/MLD snoopingの登録エントリ数が収容条件を超えているシステムメッセージが表示されていないか確認してください。
- show logging
システムメッセージが表示されていない場合は,項番4へ。 次のシステムメッセージが表示されている場合,IGMP snoopingまたはMLD snoopingの登録エントリ数が収容条件を超えています。エントリ数を削減できるようにシステム構成を見直してください。
- メッセージ種別:IGMPsnoop,メッセージ識別子:21010004
- メッセージ種別:MLDsnoop,メッセージ識別子:21020004
4 MACアドレステーブルの使用量が収容条件を超えているシステムメッセージが表示されていないか確認してください。
- show logging
システムメッセージが表示されていない場合は,項番5へ。 メッセージ種別:PSU,メッセージ識別子:22003001が表示されている場合,MACアドレステーブルの使用量が収容条件を超えているため,IGMP snoopingのエントリが登録できません。システム構成を見直したあと,clear igmp-snooping groupコマンドを実行してください。 メッセージ種別:PSU,メッセージ識別子:22003002が表示されている場合,MACアドレステーブルの使用量が収容条件を超えているため,MLD snoopingのエントリが登録できません。システム構成を見直したあと,clear mld-snooping groupコマンドを実行してください。 メッセージ種別:PSU,メッセージ識別子:22003003が表示されている場合,MACアドレステーブルの使用量が収容条件を超えているため,IGMP snoopingを制御するためのエントリが登録できません。システム構成を見直したあと,restart snoopingコマンドを実行してください。 メッセージ種別:PSU,メッセージ識別子:22003004が表示されている場合,MACアドレステーブルの使用量が収容条件を超えているため,MLD snoopingを制御するためのエントリが登録できません。システム構成を見直したあと,restart snoopingコマンドを実行してください。 5 フィルタまたはQoSによって,IGMP/MLD snoopingで使用する制御フレームが廃棄されていないか確認してください。 確認方法と対応については,「8.1 パケット廃棄の確認」を参照してください。 IGMP/MLD snoopingで使用する制御フレームが廃棄されていない場合は,項番6へ。 6 IPv4/IPv6マルチキャストを同時使用する場合の設定が正しいか確認してください。 IPv4/IPv6マルチキャストを同時使用する場合の設定が正しい場合は,項番7へ。 該当VLANにIPv4/IPv6マルチキャストの静的グループ参加機能を使用している場合,マルチキャスト通信が必要なポートにマルチキャストルータポートを設定してください。 7 IGMPクエリアまたはMLDクエリアの設定が正しいか確認してください。
- show igmp-snooping
- show mld-snooping
IGMP querying systemまたはMLD querying systemの表示が正しい場合は,項番8へ。 IGMP querying systemまたはMLD querying systemにIPアドレスが表示されていない場合は,次に示すとおりに対応してください。
- IPv4/IPv6マルチキャストを同時使用していないとき
VLAN内にIGMPクエリアまたはMLDクエリアが存在しません。ネットワーク構成またはコンフィグレーションを見直してください。
また,本装置にIGMPクエリア機能またはMLDクエリア機能を設定しているときは,VLANにIPアドレスが設定されているか確認してください。
- IPv4/IPv6マルチキャストを同時使用しているとき
IPv4 Multicast routingまたはIPv6 Multicast routingにOnが表示されていることを確認してください。Onが表示されていれば,IPアドレスが表示されていなくても問題ありません。
8 VLAN内にマルチキャストパケット中継ができる機器を接続している場合,マルチキャストルータポートの設定が正しいか確認してください。
- show igmp-snooping
- show mld-snooping
Mrouter-portにマルチキャストルータポートが表示されている場合は,項番9へ。 Mrouter-portにマルチキャストルータポートが表示されていない場合は,コンフィグレーションを確認してください。また,接続機器がマルチキャスト中継できる設定になっているか確認してください。 9 IGMP/MLD snoopingのエントリが学習されていることを確認してください。
- show igmp-snooping group
- show mld-snooping group
IGMP/MLD snoopingのエントリが表示されている場合は,項番10へ。 参加グループアドレスが表示されていることを確認してください。表示されていない場合は,受信者側の設定が正しいか確認してください。 10 マルチキャストパケットの中継が同一VLAN内の中継か確認してください。 同一VLAN内での中継でない場合は,「5.6 マルチキャストルーティングの通信障害」を参照してください。
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