コンフィグレーションガイド Vol.1
タイムゾーンとして,標準時だけでなく,サマータイムも設定できます。サマータイムの設定では,サマータイムの適用期間と標準時からの時間差を指定できます。サマータイムへ切り替わる時刻は,コンフィグレーションコマンドclock timezoneで指定された標準時を基準とします。
例えば,アメリカ東部標準時(EST)のタイムゾーンにアメリカ東部夏時間(EDT)を適用する場合,アメリカ東部夏時間の適用期間である3月第2日曜日午前2時から11月第1日曜日午前2時までを1時間差のサマータイムとして設定します。この場合,アメリカ東部標準時の3月第2日曜日午前2時にサマータイム開始として,時刻を1時間進めます。また,アメリカ東部夏時間の11月第1日曜日午前2時にサマータイム終了として,時刻を1時間戻します。サマータイムの適用例を次の図に示します。
図10-1 サマータイムの適用例
なお,サマータイムを設定するとき,適用期間の開始および終了を週で指定します。そのため,実際の適用開始日および終了日は,指定月の最初の曜日によって決定します。例えば,最初の曜日が水曜で30日まである場合,週と日付の対応は次のようになります。
図10-2 週と日付の対応(最初の曜日が水曜の場合)
この例では,第1週が1日〜7日,第2週が8日〜14日,第3週が15日〜21日,第4週が22日〜28日,第5週が29日〜30日となります。第5週を設定したときにその曜日が第4週までしか存在しない場合,第4週の指定した曜日でサマータイムが開始または終了します。
- [設定のポイント]
- サマータイムを設定する場合は,コンフィグレーションコマンドclock summer-timeでタイムゾーンからのオフセットを設定する必要があります。
- [コマンドによる設定]
- (config)# clock timezone EST -5
アメリカ東部標準時として,タイムゾーンにEST,UTCからのオフセットを-5に設定します。
- (config)# clock summer-time EDT recurring 3 2 sun 0200 11 1 sun 0200 offset 60
アメリカ東部夏時間として,3月第2日曜日午前2時から11月第1日曜日午前2時までの期間にEDTを設定します。サマータイム適用期間中は,ESTから60分時刻を先に進めます。
- (config)# save
(config)# exit
コミットモードが逐次コミットモードの場合は,saveコマンドでスタートアップコンフィグレーションに保存します。手動コミットモードの場合は,commitコマンドでランニングコンフィグレーションに反映したあと,スタートアップコンフィグレーションに保存してください。
そのあと,コンフィグレーションモードから装置管理者モードに移行します。
- # show clock
Fri Mar 22 15:30:00 EDT 2013
時刻を表示します。2013年3月22日はサマータイム適用期間内のため,ESTより時刻が1時間進みます。また,タイムゾーン名もEDTとなります。
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