コンフィグレーションコマンドレファレンス Vol.1


snmp-server host

SNMP通知を送信する宛先のネットワーク管理装置(SNMPマネージャ)を登録します。本コマンドでは最大50エントリを設定できます。

[入力形式]

情報の設定・変更
snmp-server host <manager address> [vrf <vrf id>] {traps | informs} <string> [version {1 | 2c | 3 {noauth | auth | priv}}] [source-interface loopback <loopback id>] [{all [ospf-private] | <snmp notification> [<snmp notification>...]}]
情報の削除
no snmp-server host <manager address> [vrf <vrf id>]

[入力モード]

(config)

[パラメータ]

<manager address>

SNMPマネージャのIPアドレスを設定します。

  1. 本パラメータ省略時の初期値

    省略できません

  2. 値の設定範囲

    <manager address>にIPv4アドレス(ドット記法)を指定するか,または<manager address>にIPv6アドレス(コロン記法)を指定します。IPv6アドレスとして,グローバルアドレスを指定できます。

vrf <vrf id>

vrf definitionコマンドの<vrf id>で指定されたVRFにSNMP通知を送信します。

  1. 本パラメータ省略時の初期値

    グローバルネットワークにSNMP通知を送信します。

  2. 値の設定範囲

    <vrf id>にVRF IDを指定します。

    詳細は,「パラメータに指定できる値」を参照してください。

{traps | informs}

SNMPマネージャに送信するSNMP通知の種別を設定します。

  • trapsを指定した場合,トラップを送信します。SNMPマネージャは応答を返しません。

  • informsを指定した場合,インフォームを送信します。SNMPマネージャに応答を要求するため,SNMPエージェントは応答を監視し,応答がない場合は再送します。SNMPv2Cバージョンだけで使用できます。

  1. 本パラメータ省略時の初期値

    省略できません

  2. 値の設定範囲

    なし

<string>

SNMPv1およびSNMPv2Cの場合は,SNMPマネージャのコミュニティ名称を設定します。SNMPv3の場合はセキュリティユーザ名を設定します。

  1. 本パラメータ省略時の初期値

    省略できません

  2. 値の設定範囲

    60文字以内の文字列をダブルクォート(")で囲んで設定します。入力できる文字は,英数字と特殊文字です。入力文字列にスペースなどの特殊文字を含まない場合,文字列をダブルクォート(")で囲まなくても設定できます。詳細は,「パラメータに指定できる値」の「■任意の文字列」を参照してください。

version { 1 | 2c | 3 { noauth | auth | priv }}

SNMP通知のバージョンを設定します。バージョンをSNMPv3に設定する場合は,同時にセキュリティレベルを設定します。

各パラメータの指定時に設定されるSNMP通知のバージョンを次の表に示します。

表14‒1 パラメータとSNMP通知のバージョンの対応

パラメータの指定値

SNMP通知のバージョン

セキュリティレベル

version 1

SNMPv1

version 2c

SNMPv2C

version 3 noauth

SNMPv3

認証なし,暗号化なし

version 3 auth

SNMPv3

認証あり,暗号化なし

version 3 priv

SNMPv3

認証あり,暗号化あり

(凡例)−:該当なし

  1. 本パラメータ省略時の初期値

    version 1

  2. 値の設定範囲

    なし

source-interface loopback <loopback id>

送信元IPアドレスとして使用するループバックインタフェースを指定します。

  1. 本パラメータ省略時の初期値

    ループバックインタフェースに設定しているIPアドレスを使用します。このとき,no system-source-addressコマンドが設定されたループバックインタフェースは対象外とします。

    IPアドレスを設定していない場合,宛先経路の送信元インタフェースのアドレスを使用します。

  2. 値の設定範囲

    パラメータに指定できる値」を参照してください。

all

すべてのSNMP通知を送信対象とします。

  1. 本パラメータ省略時の初期値

    SNMP通知を送信しません

  2. 値の設定範囲

    なし

ospf-private

OSPFの状態変更やエラーパケット受信をプライベートのSNMP通知で送信します。

詳細は{ospf_state | ospf_state_private}パラメータおよび{ospf_error | ospf_error_private}パラメータの説明を確認してください。

  1. 本パラメータ省略時の初期値

    RFCに準拠した標準のSNMP通知を送信します。ただし,OSPFドメイン分割を行っている場合,ドメイン番号が最小のドメイン以外はプライベートのSNMP通知を送信します。

  2. 値の設定範囲

    なし

<snmp notification> [<snmp notification>...]

送信するSNMP通知を指定します。

snmp

以下のSNMP通知を送信します。

  • coldStart

  • warmStart

  • linkUp

  • linkDown

  • authenticationFailure

{ ospf_state | ospf_state_private }

OSPFの状態変更を通知するSNMP通知を送信します。ospf_stateを指定した場合,RFCに準拠した標準のSNMP通知を送信します。ただし,OSPFドメイン分割を行っている場合,ドメイン番号が最小のドメイン以外は,プライベートのSNMP通知を送信します。ospf_state_privateを指定した場合,すべてのOSPFドメインでプライベートのSNMP通知を送信します。

送信するSNMP通知を次に示します。

表14‒2 パラメータごとのSNMP通知(OSPFの状態変更通知)

パラメータ

SNMP通知

ospf_state

ドメイン番号が最小のドメイン

  • ospfVirtIfStateChange

  • ospfNbrStateChange

  • ospfVirtNbrStateChange

  • ospfIfStateChange

ドメイン番号が最小でないドメイン

  • axOspfVirtIfStateChange

  • axOspfNbrStateChange

  • axOspfVirtNbrStateChange

  • axOspfIfStateChange

ospf_state_private

全ドメイン

  • axOspfVirtIfStateChange

  • axOspfNbrStateChange

  • axOspfVirtNbrStateChange

  • axOspfIfStateChange

{ ospf_error | ospf_error_private }

OSPFのエラーパケット受信を通知するSNMP通知を送信します。ospf_errorを指定した場合,RFCに準拠した標準のSNMP通知を送信します。ただし,OSPFドメイン分割を行っている場合,ドメイン番号が最小のドメイン以外は,プライベートのSNMP通知を送信します。ospf_error_privateを指定した場合,すべてのOSPFドメインでプライベートのSNMP通知を送信します。

送信するSNMP通知を次に示します。

表14‒3 パラメータごとのSNMP通知(OSPFのエラーパケット受信通知)

パラメータ

SNMP通知

ospf_error

ドメイン番号が最小のドメイン

  • ospfIfConfigError

  • ospfVirtIfConfigError

  • ospfIfAuthFailure

  • ospfVirtIfAuthFailure

ドメイン番号が最小でないドメイン

  • axOspfIfConfigError

  • axOspfVirtIfConfigError

  • axOspfIfAuthFailure

  • axOspfVirtIfAuthFailure

ospf_error_private

全ドメイン

  • axOspfIfConfigError

  • axOspfVirtIfConfigError

  • axOspfIfAuthFailure

  • axOspfVirtIfAuthFailure

bgp

BGP4のリンク確立と切断のSNMP通知を送信します。

  • bgpEstablished

  • bgpBackwardTransitions

vrrp

vrrpの状態が変化したときのSNMP通知を送信します。

  • vrrpTrapNewMaster

  • vrrpTrapAuthFailure

  • vrrpTrapProtoError

rmon

rmonのアラームの上方閾値を超えたときおよび下方閾値を下回ったときのSNMP通知を送信します。

  • risingAlarm

  • fallingAlarm

air-fan

次のSNMP通知を送信します。

  • axAirFanUnitStopTrap:ファンの障害発生時,またはファンが抜去された場合

  • axAirFanUnitRecoveryTrap:ファンの障害回復時,またはファンが挿入された場合

power

次のSNMP通知を送信します。

  • axPowerSupplyFailureTrap:電源機構の障害発生時,または未サポート電源を検出した場合

  • axPowerSupplyRecoverTrap:電源機構の障害回復時

  • axPowerSupplyStatusChangeTrap:電源機構の抜去または挿入時,給電が停止または開始した場合

  • axPowerRedundancyRecoveryTrap:電源機構が冗長構成になった場合

  • axPowerRedundancyFailureTrap:電源機構が冗長構成でなくなった場合

  • axPowerSupplyInsufficientTrap:供給電力が不足している場合

  • axPowerSupplyInsufficientRecoveryTrap:供給電力不足が回復した場合

login

ログインの成功,失敗,ログアウト時にSNMP通知を送信します。

  • axLoginSuccessTrap

  • axLoginFailureTrap

  • axLogoutTrap

memory

BCUのメモリが不足したとき,または不足が回復したときに,SNMP通知を送信します。

  • axBcuMemoryUsageAlarmTrap

  • axBcuMemoryUsageRecoveryTrap

system-msg

システムメッセージを出力したときのSNMP通知を送信します。

  • axSystemMsgTrap

standby_system

待機系BCUの動作状態が稼働中から稼働中以外,または稼働中以外から稼働中となった場合に,SNMP通知を送信します。

  • axStandbyUpSimplexToDuplexTrap

  • axStandbyDownDuplexToSimplexTrap

temperature

温度状態の変化のSNMP通知を送信します。

  • axBcuTemperatureTrap

axrp

リングの障害監視状態が変化したときに,SNMP通知を送信します。

  • axAxrpStateTransitionTrap

frame_error_snd

フレーム送信エラー発生時のSNMP通知を送信します。

  • axFrameErrorSendTrap

frame_error_rcv

フレーム受信エラー発生時のSNMP通知を送信します。

  • axFrameErrorReceiveTrap

board

SFU,PRUおよびNIFの状態が変更されたときに,SNMP通知を送信します。

  • axSfuStateChangeTrap

  • axPruStateChangeTrap

  • axNifStateChangeTrap

track

トラックの状態が変更されたときに,SNMP通知を送信します。

  • axTrackStateUp

  • axTrackStateDown

bfd

BFDセッションの状態が変更されたときに,SNMP通知を送信します。

  • axBfdSessUp

  • axBfdSessDown

static-route

スタティック経路のゲートウェイ状態が到達可能または到達不可能に変化したときに,SNMP通知を送信します。

  • axStaticGatewayStateChange

  • axStaticIpv6GatewaytStateChage

efmoam

片方向リンク障害検出時,およびループ検出時にSNMP通知を送信します。

  • axEfmoamUdldPortInactivateTrap

  • axEfmoamLoopDetectPortInactivateTrap

storm-control

ストームコントロールによってストームの発生を検出したとき,またはストームから回復したときにSNMP通知を送信します。

  • axBroadcastStormPortInactivateTrap

  • axMulticastStormPortInactivateTrap

  • axUnicastStormPortInactivateTrap

  • axBroadcastStormRecoverTrap

  • axMulticastStormRecoverTrap

  • axUnicastStormRecoverTrap

  • axBroadcastStormDetectTrap

  • axMulticastStormDetectTrap

  • axUnicastStormDetectTrap

  1. 本パラメータ省略時の初期値

    パラメータに対応するSNMP通知を送信しません

  2. 値の設定範囲

    なし

[コマンド省略時の動作]

なし

[通信への影響]

なし

[設定値の反映契機]

設定値変更後,すぐに運用に反映されます。

[注意事項]

  1. サポートMIBおよびSNMP通知の一覧は「MIBレファレンス」を参照してください。

  2. versionに3を設定していて,snmp-server userコマンドで設定されていないセキュリティユーザ名を本コマンドに設定した場合,本コマンドに設定したセキュリティユーザの情報は無効となりますので,ご注意ください。

[関連コマンド]

snmp-server engineID local
snmp-server view
snmp-server user
snmp-server group
snmp-server notification-disable