運用コマンドレファレンス Vol.3


clear ipv6 route

ハードウェアルーティングテーブルのエントリをいったんクリアし,ユニキャストルーティングプログラムが保有するルーティングエントリを再登録します。

[入力形式]

clear ipv6 route [vrf {<vrf id>|all}] { * | <prefix>[/<prefixlen>] }

[入力モード]

一般ユーザモードおよび装置管理者モード

[パラメータ]

vrf {<vrf id> | all}

VRFの経路を対象とします。<vrf id>指定時は指定VRFの経路だけを,all指定時はグローバルネットワークを含む全VRFを対象にします。<vrf id>にはコンフィグレーションコマンドで設定されたVRF IDを指定してください。

本パラメータ省略時の動作

グローバルネットワークの経路を対象とします。

*

すべての経路情報を更新します。

<prefix>[/<prefixlen>]

<prefix>/<prefixlen>で宛先ネットワークを指定した場合,指定した宛先ネットワークに含まれる経路情報を更新します。<prefix>には宛先アドレスをコロン記法で指定してください。なお,指定ネットワークにループバックアドレスは指定できません。

<prefixlen>

プレフィックス長を0〜128の範囲で指定してください。

本パラメータ省略時の動作

  指定した<prefix>に最長一致(longest-match)した経路の詳細情報を更新します。

[実行例]

図11‒6 すべての経路情報の更新
>clear ipv6 route *
>

[表示説明]

なし

[通信への影響]

ハードウェアルーティングテーブルのエントリをクリアし,ユニキャストルーティングプログラムが保有するルーティングエントリを再登録するため,一時的に通信が停止したり,一時的に本装置との接続が切断したりすることがあります。

[応答メッセージ]

表11‒5 clear ipv6 routeコマンドの応答メッセージ一覧

メッセージ

内容

A link-local address cannot be cleared.

リンクローカルアドレスはクリアできません。

A program error occurred. Retry the command. (error = <error message>)

プログラムエラーが発生しました。

コマンドを再実行してください。

<error message>:エラー部位

The command is not authorized by the RADIUS/TACACS+ server or the configuration.

このコマンドはRADIUSサーバ,TACACS+サーバ,またはコンフィグレーションで承認されていません。

The connection with the unicast routing program (rtm) failed. Retry the command.

ユニキャストルーティングプログラムとの通信が失敗しました。コマンドを再実行してください。

The route could not be cleared. (parameter = <parameter>)

指定アドレスの経路をクリアできません。

<parameter>:パラメータ名

The routing information is in the keeping status. Wait a while, and then try again.

経路保留中です。しばらくしてから再実行してください。

The specified route does not exist. (IP address = <ipv6 address>)

指定経路は存在しません。

<ipv6 address>:IPv6アドレス

The specified VRF does not exist. (VRF = <vrf id>)

指定VRFが存在しません。

<vrf id>:VRF ID

The unicast routing program (rtm) is not responding. Retry the command.

ユニキャストルーティングプログラムからの応答がありません。コマンドを再実行してください。

The unicast routing program (rtm) is not running.

ユニキャストルーティングプログラムが起動していないため,コマンドが失敗しました。ユニキャストルーティングプログラムの再起動を待って,コマンドを再実行してください。

[注意事項]

  1. clear ipv6 route * を実行すると,ダイナミックに登録されたNDPエントリも削除します。