運用コマンドレファレンス Vol.3


debug ip

ユニキャストルーティングプログラムが送受信する各プロトコルのルーティング・パケットをリアルタイムに表示します。また,[Ctrl+C]の入力によって表示を終了し,コマンド・プロンプトに戻ります。本コマンドは,複数のユーザが同時に使用できません。

[入力形式]

debug ip { all | <protocol> } [summary]

[入力モード]

一般ユーザモードおよび装置管理者モード

[パラメータ]

all

すべてのプロトコル(RIP,OSPF,BGP4)の送受信パケットを表示します。

<protocol>

指定したプロトコルの送受信パケットを表示します。

<protocol>には,rip,bgp,ospfを指定します。

複数のプロトコルを同時に指定できます。

summary

送受信パケットの簡易情報(ヘッダ情報)を表示することを指定します。

本パラメータ省略時の動作

パケットの詳細情報を表示します。

[実行例]

図10‒78 ルーティング・パケットの簡易表示
>debug ip ospf summary
OSPF SENT 192.168.1.1(Eth1/1) -> 224.0.0.5  Hello  Vers: 2  Len: 48
OSPF SENT 192.168.1.1(Eth1/1) -> 224.0.0.5  Hello  Vers: 2  Len: 48
^C
>

[表示説明]

表示画面で次のメッセージを表示した場合は,debug ipコマンドの送受信バッファが満杯などで,各プロトコルのルーティングパケットを表示できなかったことを示しています。

An illegal packet has been received

[通信への影響]

ユニキャストルーティングプログラムの負荷が増加するため,多量の経路を取り扱っている場合,経路制御に支障を来すおそれがあります。通常運用での本コマンドの使用は避けてください。

[応答メッセージ]

表10‒72 debug ipコマンドの応答メッセージ一覧

メッセージ

内容

A program error occurred. Retry the command. (error = <error message>)

プログラムエラーが発生しました。コマンドを再実行してください。

<error message>:エラー部位

Another 'debug' command is under execution. Wait a while, and then try again.

このコマンドはすでに実行されています。

The command is not authorized by the RADIUS/TACACS+ server or the configuration.

このコマンドはRADIUSサーバ,TACACS+サーバ,またはコンフィグレーションで承認されていません。

The connection with the unicast routing program (rtm) failed. Retry the command.

ユニキャストルーティングプログラムとの通信が失敗しました。コマンドを再実行してください。

The unicast routing program (rtm) is not responding. Retry the command.

ユニキャストルーティングプログラムからの応答がありません。コマンドを再実行してください。

[注意事項]

  1. 指定したルーティングプロトコルのルーティング・パケットを送受信するたびにメッセージを出力します。リダイレクトによるファイルへの出力はしないでください。

  2. debug ipv6コマンドと同時に実行できません。