swap vrrp
自装置が切り戻し抑止状態で状態遷移を行うコマンドです。
自装置がマスタであればバックアップに遷移します。
自装置がバックアップであればマスタに遷移します。
[入力形式]
swap vrrp [-f] {name <virtual router name> | interface <interface type> <interface number> [vrid <vrid>]}
[入力モード]
一般ユーザモードおよび装置管理者モード
[パラメータ]
- -f
-
確認メッセージを出力しないでコマンドを実行します。
- 本パラメータ省略時の動作
-
確認メッセージを出力します。
- {name <virtual router name> | interface <interface type> <interface number> [vrid <vrid>]}
-
- name <virtual router name>
-
仮想ルータ名称を指定します。
- interface <interface type> <interface number>
-
仮想ルータを設定しているインタフェースを指定します。
<interface type> <interface number>には,次に示すインタフェース種別グループに対応するインタフェース名およびインタフェース番号を指定できます。詳細は,「パラメータに指定できる値」の「■インタフェースの指定方法」を参照してください。
-
イーサネットインタフェース
-
イーサネットサブインタフェース
-
ポートチャネルインタフェース
-
ポートチャネルサブインタフェース
-
VLANインタフェース
-
- vrid <vrid>
-
仮想ルータIDを指定します。
- 本パラメータ省略時の動作
-
指定したインタフェースに設定されているそれぞれの仮想ルータに対する実行確認メッセージが表示されます。
[実行例]
> swap vrrp interface gigabitethernet 3/10 Are you sure you want to swap the state of the virtual router 1? (y/n): y Are you sure you want to swap the state of the virtual router 10? (y/n): y > |
[表示説明]
なし
[通信への影響]
VRRPの状態遷移によって,一時的に通信が中断することがあります。
[応答メッセージ]
メッセージ |
内容 |
---|---|
The command cannot be executed on a follower virtual router. |
フォロー仮想ルータに対してコマンドを実行できません。 |
The command cannot be executed on an owner's virtual router that is in the initial state. |
初期状態の仮想ルータに対してコマンドを実行できません。 |
The command cannot be executed on an owner's virtual router. |
アドレス所有者の仮想ルータに対してコマンドを実行できません。 |
The command cannot be executed. Try again. |
コマンドを実行できません。再実行してください。 |
The command is not authorized by the RADIUS/TACACS+ server or the configuration. |
このコマンドはRADIUSサーバ,TACACS+サーバ,またはコンフィグレーションで承認されていません。 |
There is no corresponding virtual router. |
該当する仮想ルータがありません。 |
[注意事項]
-
優先度の低い,または優先度が同じ(デフォルトの優先度使用時も含む)仮想ルータから実行した場合,マスタに遷移しないことがあります。
-
アドレス所有者,フォロー仮想ルータまたはイニシャル状態の装置に対する入力はできません。
-
切り戻し抑止中に切り戻しコマンドが実行された場合は,コマンドを優先して切り戻しを行います。
-
切り戻し抑止を行っていない状態で,コマンドを実行した場合,切り戻しを行いますが,自動切り戻し機能によって優先度が高い装置がマスタに遷移するため,切り戻しが発生していないように見えます。
-
コマンド実行によって一時的に両装置がバックアップ,またはマスタ状態となりますが,自動的にマスタとバックアップへ遷移します。
-
自装置以外が故障などで切り戻ることができない状態のときに,コマンドを実行した場合,デフォルトで4秒間通信ができなくなります。
-
VRRPを構成しているすべての装置にコンフィグレーションコマンドno vrrp preemptとコンフィグレーションコマンドvrrp timers non-preempt-swapを設定している構成で,マスタ装置に切り戻しコマンドを実行した場合,vrrp timers non-preempt-swapコマンドで設定されている時間が経過するまで,すべての装置がバックアップになります。この状態を回避するには,VRRPを構成している装置間でvrrp timers non-preempt-swapコマンドを設定していない装置を1台以上存在させてください。また,すべての装置がバックアップの状態で,再度,切り戻しコマンドを実行することで,この状態を回避できます。
次の表にコマンド実行結果の一覧を示します。「状態変化しない」が切り戻しが発生していないように見える個所です。
− |
自装置抑止中 |
自装置抑止なし |
||||
---|---|---|---|---|---|---|
他装置抑止中 |
他装置抑止なし |
他装置抑止中 |
他装置抑止なし |
|||
自装置 マスタ |
自装置と他装置の優先度比較 |
高 |
切り替え |
切り替え |
状態変化しない |
状態変化しない |
同 |
IPアドレスの大きい装置がマスタに遷移 |
IPアドレスの大きい装置がマスタに遷移 |
IPアドレスの大きい装置がマスタに遷移 |
IPアドレスの大きい装置がマスタに遷移 |
||
低 |
切り戻し |
切り戻し |
切り戻し |
切り戻し |
||
自装置バックアップ |
高 |
切り戻し |
切り戻し |
切り戻し |
切り戻し |
|
同 |
IPアドレスの大きい装置がマスタに遷移 |
IPアドレスの大きい装置がマスタに遷移 |
IPアドレスの大きい装置がマスタに遷移 |
IPアドレスの大きい装置がマスタに遷移 |
||
低 |
状態変化しない |
状態変化しない |
状態変化しない |
状態変化しない |