運用コマンドレファレンス Vol.3


show ip-dual interface

IPv4およびIPv6インタフェースの状態と統計情報を表示します。

[入力形式]

show ip-dual interface [vrf {<vrf id> | all}] [{statistics | detail}]
show ip-dual interface summary [vrf {<vrf id> | all}] [track-target [{name <track name> | id <track id>}]]
show ip-dual interface up [vrf {<vrf id> | all}]
show ip-dual interface down [vrf {<vrf id> | all}]
show ip-dual interface <interface type> <interface number> [{statistics | detail}]
show ip-dual interface null 0 statistics

[入力モード]

一般ユーザモードおよび装置管理者モード

[パラメータ]

vrf {<vrf id> | all}

VRFが設定されているインタフェースを表示します。

<vrf id>

指定したVRFが設定されているインタフェースを表示します。<vrf id>にはコンフィグレーションコマンドで設定されたVRF IDを指定してください。

all

グローバルネットワークを含む全インタフェース(Nullインタフェースを除く)を表示します。

本パラメータ省略時の動作

グローバルネットワークのインタフェースを表示します。

summary

インタフェースの状態をサマリー表示します。

track-target [{name <track name> | id <track id>}]

トラッキング連携が設定されているインタフェースだけをサマリー表示します。{name <track name> | id <track id>}を省略した場合,トラッキング連携が設定されている全インタフェースをサマリー表示します。

name <track name>

指定したトラック名とトラッキング連携しているインタフェースの情報を表示します。<track name>にはコンフィグレーションコマンドで設定された名前を指定してください。

id <track id>

指定したトラックIDとトラッキング連携しているインタフェースの情報を表示します。<track id>に指定できる値の範囲については,「パラメータに指定できる値」を参照してください。

本パラメータ省略時の動作

インタフェースの状態をサマリー表示します。

up

UP状態のインタフェースを表示します。

down

DOWN状態またはADMIN-DOWN状態のインタフェースを表示します。

<interface type> <interface number>

指定したインタフェースを表示します。

<interface type> <interface number>には,次に示すインタフェース種別グループに対応するインタフェース名およびインタフェース番号を指定できます。詳細は,「パラメータに指定できる値」の「■インタフェースの指定方法」を参照してください。

  • イーサネットインタフェース

  • イーサネットサブインタフェース

  • ポートチャネルインタフェース

  • ポートチャネルサブインタフェース

  • VLANインタフェース

  • ループバックインタフェース

  • マネージメントポート

  • AUXポート

null 0 statistics

Nullインタフェースで廃棄したパケット数を表示します。

{statistics | detail}

次に示すインタフェース種別グループの場合,統計情報を表示します。

  • イーサネットインタフェース

  • イーサネットサブインタフェース

  • ポートチャネルインタフェース

  • ポートチャネルサブインタフェース

  • VLANインタフェース

statistics

インタフェースの統計情報を表示します。

detail

インタフェースの状態および統計情報を表示します。

本パラメータ省略時の動作

インタフェースの状態を表示します。

すべてのパラメータ省略時の動作

グローバルネットワークのインタフェースの状態を表示します。

[実行例1]

図2‒1 全インタフェースの状態をサマリー表示
> show ip-dual interface summary vrf all
Date 20XX/10/15 12:00:00 UTC
Eth1/2.5      : UP   192.0.2.1/24
                     2001:db8:100::1/64
                     fe80::212:e2ff:fe86:5300%Eth1/2.5/64
Eth9/10.1000  : UP   192.0.2.1/24  VRF: 10  Track-Target: TRACK1  ID: 30001
Eth10/10.10000: DOWN 2001:db8:200::1/64
                     fe80::212:e2ff:fe86:5300%Eth10/10.10000/64
>

[実行例1の表示説明]

表2‒1 全インタフェースの状態のサマリー表示内容

表示項目

表示内容

表示詳細情報

Interface name

インタフェース名

Status

インタフェースの状態

UP:運用中

DOWN:非運用中

ADMIN-DOWN:連携機能による非運用中

 ・仮想ルータの優先度が0になった場合

 ・連携先トラックの状態がDownの場合

IPv4-address

IPv4アドレス

Subnet-mask

サブネットマスク

VRF

VRF ID

対象がグローバルネットワークの場合は表示されません。

IPv6-address

IPv6アドレス

Prefix-len

プレフィックス長

Track-Target

トラック名

トラッキング連携しているトラック名

代替連携を設定している場合は(not)を付加して表示します。トラッキング連携を設定していない場合,表示しません。

ID

トラックID

トラッキング連携しているトラックID

トラッキング連携を設定していない場合,表示しません。

[実行例2]

図2‒2 指定したインタフェースの状態と統計情報を表示
>show ip-dual interface gigabitethernet 1/2.5 detail
Date 20XX/01/01 12:00:00 UTC
Eth1/2.5    VRF: 10
   Status: UP,MULTICAST,BROADCAST
   mtu: 1500   MAC address: 0012.e286.5300
   IPv4: 192.0.2.1/24 broadcast 192.0.2.255  PRIMARY,SUBNETBROD
   IPv4: 192.0.2.10/24 broadcast 192.0.2.255  VRRP
   IPv6: 2001:db8:100::1/64
   IPv6: fe80::212:e2ff:fe86:5300%Eth1/2.5/64
   IPv4 uRPF: Strict Mode  VRRP: Enable   Multicast Routing: Disable
   IPv6 uRPF: Strict Mode  VRRP: Disable  Multicast Routing: Disable
   Time-since-last-status-change: 30,00:10:00
   Last down at: 20XX/01/01 11:00:00 UTC
   VLAN ID: 100
   Description: subnetwork100
   Detail status: Up
   Track-Target: TRACK1  ID: 30001  State: Down
   [Out octets/packets counter]
      IPv4 Out All octets               :                20000
      IPv6 Out All octets               :                60000
      IPv4 Out All packets              :                  250
      IPv6 Out All packets              :                  750
      IPv4 Out Discards packets         :                  130
      IPv6 Out Discards packets         :                  290
      IPv4 Out Discards(BCU-CPU) packets:                    4
      IPv6 Out Discards(BCU-CPU) packets:                    6
   [In octets/packets counter]
      IPv4 In All octets                :                28000
      IPv6 In All octets                :                36000
      IPv4 In All packets               :                  350
      IPv6 In All packets               :                  450
      IPv4 In Error packets             :                   50
      IPv6 In Error packets             :                   75
      IPv4 In Discards packets          :                   15
      IPv6 In Discards packets          :                   20
      IPv4 In NoRoutes packets          :                   30
      IPv6 In NoRoutes packets          :                   40
      IPv4 In Error(BCU-CPU) packets    :                   25
      IPv6 In Error(BCU-CPU) packets    :                   35
      IPv4 In Discards(BCU-CPU) packets :                    2
      IPv6 In Discards(BCU-CPU) packets :                    3

[実行例2の表示説明]

表2‒2 インタフェースの状態と統計情報の表示内容

表示項目

表示内容

表示詳細情報

VRF

VRF ID

対象がグローバルネットワークの場合は表示されません。

Status

インタフェースの状態

UP:運用中

DOWN:非運用中

ADMIN-DOWN:連携機能による非運用中

 ・仮想ルータの優先度が0になった場合

 ・連携先トラックの状態がDownの場合

インタフェースの設定項目

POINTtoPOINT:Point to Point

MULTICAST:マルチキャスト

BROADCAST:ブロードキャスト

LOOPBACK:ループバック

mtu

インタフェースのMTU

コンフィグレーションガイド Vol.3」 「1.4.3 MTUとフラグメント」を参照

MAC address

MACアドレス

インタフェースから送信するパケットで使用するMACアドレス

IPv4

IPv4アドレス

IPインタフェースタイプ

broadcast:ブロードキャスト型

アドレスの設定状態

PRIMARY:コンフィグレーションでプライマリIPアドレスとして設定

VRRP:アクセプトモードを設定したVRRPがマスタになった

SUBNETBROD:IPv4パケット中継を指定

DUPLICATED:アドレスが重複

IPv6

IPv6アドレス

アドレスの設定状態

VRRP:アクセプトモードを設定したVRRPがマスタになった

TENTATIVE:アドレスの重複確認中

DUPLICATED:アドレスが重複

IPv4 uRPF

IPv6 uRPF

IPv4およびIPv6のuRPF設定状態

Strict Mode:Strictモード

Loose Mode:Looseモード

Disable:uRPF未設定

IPv4 VRRP

IPv6 VRRP

IPv4およびIPv6のVRRP動作状態

Enable:有効

Disable:無効

IPv4 Multicast Routing

IPv6 Multicast Routing

IPv4およびIPv6マルチキャスト設定状態

Enable:設定

Disable:未設定

Time-since-last-status-change

UP/DOWN状態経過時間

インタフェースの状態が最後に変化してからの経過時間

時:分:秒:24時間以内の場合

日数,時:分:秒:24時間を超えた場合

Over 100 days:100日を超えた場合

-----:未発生

Last down at

インタフェースダウン時刻

インタフェースが最後にダウンした時刻

年/月/日 時:分:秒 タイムゾーン

-----:未発生

VLAN ID

VLAN ID

1〜4095:VLAN ID

Untagged:Untagged時

サブインタフェースまたはVLANインタフェースの場合に表示されます。

Description

補足説明

コンフィグレーションコマンドdescriptionを設定している場合にその内容が表示されます。

descriptionコマンドの設定がない場合でも,VLANインタフェースのときはインタフェース名が表示されます。

Detail status

インタフェース状態の詳細情報※1

Up:運用中

Down:運用不可中

Disable:運用停止中

Disable(track):トラッキング連携による運用停止中

Fault:障害中

Inactive:inactivate中

Initialize:オートネゴシエーション機能が動作中

Track-Target

トラック名

トラッキング連携しているトラック名

代替連携を設定している場合は(not)を付加して表示します。トラッキング連携を設定していない場合,表示しません。

ID

トラックID

トラッキング連携しているトラックID

トラッキング連携を設定していない場合,表示しません。

State

トラッキング連携しているトラックの状態

Up:Up状態

Down:Down状態

該当するコンフィグレーションコマンドtrack-targetを設定していない場合は,Down状態となります。

トラッキング連携を設定していない場合,表示しません。

IPv4 Out All octets

IPv6 Out All octets

送信オクテット数※2※3

IPv4 Out All packets

IPv6 Out All packets

送信パケット数※2※3

IPv4 Out Discards packets

IPv6 Out Discards packets

送信廃棄パケット数※2※3

IPv4 Out Discards(BCU-CPU) packets

IPv6 Out Discards(BCU-CPU) packets

BCU-CPU内で廃棄した送信パケット数

IPv4 In All octets

IPv6 In All octets

受信オクテット数※2※3

IPv4 In All packets

IPv6 In All packets

受信パケット数※2※3

IPv4 In Error packets

IPv6 In Error packets

エラー(IPヘッダチェックサムエラー,バージョンエラー,TTLオーバー・ヘッダ長異常,形式エラー)による受信廃棄パケット数※2※3

IPv4 In Discards packets

IPv6 In Discards packets

エラー以外の受信廃棄パケット数※2※3

IPv4 In NoRoutes packets

IPv6 In NoRoutes packets

送信経路なしによる受信廃棄パケット数※2※3

IPv4 In Error(BCU-CPU) packets

IPv6 In Error(BCU-CPU) packets

BCU-CPU内でエラーによって廃棄した受信パケット数

IPv4 In Discards(BCU-CPU) packets

IPv6 In Discards(BCU-CPU) packets

BCU-CPU内でエラー以外によって廃棄した受信パケット数

注※1 インタフェース種別グループよって表示対象が異なります。インタフェース種別グループごとの表示対象を次に示します。
  • イーサネットインタフェース,マネージメントポート:ポート状態を表示

  • ポートチャネルインタフェース:チャネルグループ状態を表示

  • イーサネットサブインタフェース,ポートチャネルサブインタフェース:サブインタフェース状態を表示

  • VLANインタフェース:VLAN状態を表示

  • ループバックインタフェース,AUXポート:表示しない

注※2 運用中のPRUの統計情報を表示します。運用中のPRUがない場合は,"-"を表示します。

注※3 インタフェース統計モードがレイヤ2中継の統計取得状態の場合は,0を表示します。

[実行例3]

図2‒3 Nullインタフェース(IPv4およびIPv6)の廃棄パケット数を表示
> show ip-dual interface null 0 statistics
Date 20XX/07/14 12:00:00 UTC
Interface Name               : null
Status                       : UP
IPv4 Discard Packets         :                10000
IPv6 Discard Packets         :            256000000
IPv4 Discard(BCU-CPU) Packets:                 8000
IPv6 Discard(BCU-CPU) Packets:              1280000
>

[実行例3の表示説明]

表2‒3 Nullインタフェース(IPv4およびIPv6)の廃棄パケット数の表示内容

表示項目

表示内容

表示詳細情報

Interface Name

インタフェース名

"null"固定

Status

インタフェースの状態

UP:運用中

DOWN:非運用中

IPv4 Discard Packets

IPv6 Discard Packets

IPv4およびIPv6のNullインタフェースの廃棄パケット数

コマンド実行時点での,Nullインタフェースの廃棄パケット数

IPv4 Discard(BCU-CPU) Packets

IPv6 Discard(BCU-CPU) Packets

BCU-CPU内で廃棄したIPv4およびIPv6のNullインタフェースのパケット数

コマンド実行時点での,BCU-CPU内で廃棄したNullインタフェースのパケット数

注※ 運用中のPRUの統計情報を表示します。運用中のPRUがない場合は,"-"を表示します。

[通信への影響]

なし

[応答メッセージ]

表2‒4 show ip-dual interfaceコマンドの応答メッセージ一覧

メッセージ

内容

The command cannot be executed in the standby system.

このコマンドは待機系では実行できません。

The command cannot be executed. Try again.

コマンドを実行できません。再実行してください。

The command is not authorized by the RADIUS/TACACS+ server or the configuration.

このコマンドはRADIUSサーバ,TACACS+サーバ,またはコンフィグレーションで承認されていません。

The specified interface does not exist.

指定したインタフェースは存在しません。指定パラメータを確認して再実行してください。

The specified interface type is incorrect.

指定した<interface type>が不正です。指定パラメータを確認して再実行してください。

The specified track-target does not exist.

指定したトラックは存在しません。

The specified VRF does not exist. (VRF = <vrf id>)

指定したVRFは存在しません。

<vrf id>:VRF ID

[注意事項]

なし