運用コマンドレファレンス Vol.2


l2ping

本装置のMEPからリモートのMEPまたはMIPに対して,通信可能かを判定するために使用します。

[入力形式]

IEEE802.1ag
l2ping {remote-mac <mac address> | remote-mep <mepid>} domain-level <level> ma <no.> mep <mepid> [count <count>] [timeout <seconds>] [framesize <size>] [cos <cos>]
ITU-T Y.1731
l2ping {remote-mac <mac address> | remote-mep <mepid>} mel <level> meg <no.> mep <mepid> [count <count>] [timeout <seconds>] [framesize <size>] [cos <cos>]
l2ping multicast mel <level> meg <no.> mep <mepid> [count <count>] [timeout <seconds>] [framesize <size>] [cos <cos>]

[入力モード]

一般ユーザモードおよび装置管理者モード

[パラメータ]

{remote-mac <mac address> | remote-mep <mepid>}
remote-mac <mac address>

到達確認するリモートMEPまたはMIPのMACアドレスを指定します。MACアドレスの指定方法は,「パラメータに指定できる値」を参照してください。

remote-mep <mepid>

到達確認するリモートMEP IDを指定します。本パラメータは,CCで確認できるリモートMEPを指定できます。指定できる値の範囲は1〜8191です。

domain-level <level> (IEEE802.1ag規格)

到達確認するドメインレベルを指定します。本パラメータは,コンフィグレーションコマンドで設定されたドメインレベルを指定できます。指定できる値の範囲は0〜7です。

ma <no.> (IEEE802.1ag規格)

到達確認するMA識別番号を指定します。本パラメータは,コンフィグレーションコマンドで設定されたMA識別番号を指定できます。指定できる値の範囲は0〜65535です。

mel <level> (ITU-T Y.1731規格)

到達確認するMEGレベルを指定します。本パラメータは,コンフィグレーションコマンドで設定されたMEGレベルを指定できます。指定できる値の範囲は0〜7です。

meg <no.> (ITU-T Y.1731規格)

到達確認するMEG識別番号を指定します。本パラメータは,コンフィグレーションコマンドで設定されたMEG識別番号を指定できます。指定できる値の範囲は0〜65535です。

mep <mepid>

到達確認元となる本装置のMEP IDを指定します。本パラメータは,コンフィグレーションコマンドで設定されたMEP IDを指定できます。指定できる値の範囲は1〜8191です。

count <count>

指定した回数だけLoopback Messageを送信します。指定できる値の範囲は1〜5です。

multicastパラメータを指定した場合,本パラメータの設定の有無とは関係なく,Loopback Messageの送信回数は1回となります。

本パラメータ省略時の動作

Loopback Messageの送信回数は5回となります。

timeout <seconds>

応答待ち時間(秒)を指定します。指定できる値の範囲は1〜60です。

本パラメータ省略時の動作

応答待ち時間は5秒となります。

framesize <size>

送信するLoopback Messageに追加するデータのバイト数を指定します。指定できる値の範囲は1〜9192です。

本パラメータ省略時の動作

追加するデータのバイト数は40で,送信するLoopback Messageは64バイトとなります。

cos <cos>

送信するLoopback MessageのCoS値を指定します。指定できる値の範囲は0〜7です。

本パラメータ省略時の動作

送信するLoopback MessageのCoS値は7となります。

multicast (ITU-T Y.1731規格)

すべてのリモートMEPに対して到達確認します。

すべてのパラメータ省略時の動作

個々の「本パラメータ省略時の動作」に記載の動作になります。

[実行例]

図17‒1 MA識別番号を指定した到達確認
> l2ping remote-mep 1010 domain-level 7 ma 1000 mep 1020 count 3
L2ping to MP:1010(0012.e220.00a3) on Level:7  MA: 1000 MEP:1020
Time:20XX/04/01 12:00:00 UTC
1: L2ping Reply from 0012.e220.00a3  64bytes  Time=   21 ms
2: L2ping Reply from 0012.e220.00a3  64bytes  Time=   22 ms
3: L2ping Reply from 0012.e220.00a3  64bytes  Time=   23 ms
 
--- L2ping Statistics ---
  Tx L2ping Request :    3  Rx L2ping Reply :    3  Lost Frame  :   0%
  Round-trip Min/Avg/Max : 21/22/23 ms
>
図17‒2 MEG識別番号を指定した到達確認
> l2ping remote-mep 1020 mel 7 meg 1001 mep 1021 count 3
L2ping to MP:1020(0012.e220.0a21) on Level:7 MEG: 1001 MEP:1021
Time:20XX/04/01 12:00:00 UTC
1: L2ping Reply from 0012.e220.0a21  64bytes  Time=   21 ms
2: L2ping Reply from 0012.e220.0a21  64bytes  Time=   22 ms
3: L2ping Reply from 0012.e220.0a21  64bytes  Time=   23 ms
 
--- L2ping Statistics ---
  Tx L2ping Request :    3  Rx L2ping Reply :    3  Lost Frame  :   0%
  Round-trip Min/Avg/Max : 21/22/23 ms
>
図17‒3 すべてのリモートMEPの到達確認
> l2ping multicast mel 7 meg 1012 mep 1040
L2ping on Level:7 MEG: 1012 MEP:1040
Time:20XX/04/01 12:00:00 UTC
1: L2ping Reply from 0012.e220.1224  64bytes  Time=   21 ms
1: L2ping Reply from 0012.e220.00a5  64bytes  Time=   22 ms
1: L2ping Reply from 0012.e220.01a1  64bytes  Time=   23 ms
1: L2ping Reply from 0012.e220.055a  64bytes  Time=   22 ms
 
--- L2ping Statistics ---
  Tx L2ping Request :    1  Rx L2ping Reply :    4  Lost Frame  : -
  Round-trip Min/Avg/Max :  21/-/23 ms
>

[表示説明]

表17‒1 l2pingコマンドの表示内容

表示項目

表示内容

表示詳細情報

L2ping

宛先リモートMEPまたはMIPのMACアドレス

to MP:<remote mac address>:宛先リモートMEPまたはMIPのMACアドレスを指定した場合

to MP:<remote mep id>(<remote mac address>):宛先リモートMEP IDを指定した場合

multicastパラメータを指定した場合,宛先リモートMEPまたはMIPのMACアドレスは表示されません。

Level

ドメインレベルまたはMEGレベル

コンフィグレーションで設定したドメインレベルまたはMEGレベル

0〜7

MA

MA識別番号

コンフィグレーションで設定したMA識別番号

0〜65535

MEG

MEG識別番号

コンフィグレーションで設定したMEG識別番号

0〜65535

MEP

本装置のMEP ID

コンフィグレーションで設定したMEP ID

1〜8191

Time

送信時刻

yyyy/mm/dd hh:mm:ss timezone 年/月/日 時:分:秒 タイムゾーン

<count>

テストカウント

カウント数

L2ping Reply from

応答MPのMACアドレス

応答したリモートMEPまたはMIPのMACアドレス

bytes

受信バイト数

Loopback Messageの共通CFMヘッダからEnd TLVまでのバイト数

Time

応答時間

Loopback Messageを送信してからLoopback Replyを受信するまでの時間

Request Timed Out.

応答待ちタイムアウト

Transmission failure.

Loopback Messageの送信に失敗

Tx L2ping Request

Loopback Messageの送信数

Rx L2ping Reply

Loopback Replyの受信数

リモートMEPまたはMIPから正常に応答を受信した数

Lost Frame

フレーム損失の割合(%)

multicastパラメータを指定した場合は"-"を表示します。

Round-trip Min/Avg/Max

応答時間 最小/平均/最大

multicastパラメータを指定した場合は,平均には"-"を表示します。

[通信への影響]

なし

[応答メッセージ]

表17‒2 l2pingコマンドの応答メッセージ一覧

メッセージ

内容

The command cannot be executed in the standby system.

このコマンドは待機系では実行できません。

The command cannot be executed. Try again.

コマンドを実行できません。再実行してください。

The command is not authorized by the RADIUS/TACACS+ server or the configuration.

このコマンドはRADIUSサーバ,TACACS+サーバ,またはコンフィグレーションで承認されていません。

The specified CFM is not configured.

CFMが設定されていません。コンフィグレーションを確認してください。

The specified domain level is not configured.

指定したドメインレベルは設定されていません。指定したパラメータを確認して再実行してください。

The specified MA is not configured.

指定したMA識別番号は設定されていません。指定したパラメータを確認して再実行してください。

The specified MEG is not configured.

指定したMEG識別番号は設定されていません。指定したパラメータを確認して再実行してください。

The specified MEL is not configured.

指定したMEGレベルは設定されていません。指定したパラメータを確認して再実行してください。

The specified MEP ID is not configured.

指定したMEP IDは設定されていません。指定したパラメータを確認して再実行してください。

The specified remote MEP is unknown.

指定したリモートMEPは不明です。指定したパラメータを確認して再実行してください。

[注意事項]

  1. 本コマンドを中断したい場合は[Ctrl+C]を入力してください。

  2. framesizeパラメータで指定する値が1476バイトを超える場合,interfaceのコンフィグレーションコマンドmtuまたはsystem mtuで,最大フレーム長を1518バイトより大きい値に設定してください。

  3. countパラメータを指定した場合は,応答待ち時間が経過したあとに次のLoopback Messageを送信します。