コンフィグレーションコマンドレファレンス Vol.3


area virtual-link

仮想リンクを指定します。仮想リンクは,エリア0(バックボーンエリア)に直接接続していないエリア境界ルータを,エリア0に接続するために使用します。仮想リンクは,通過エリアと相手ルータIDによって識別します。

no areaコマンドを実行すると,本コマンドも削除されます。

[入力形式]

情報の設定・変更
area <area id> virtual-link <router id> [hello-interval <seconds>] [retransmit-interval <seconds>] [transmit-delay <seconds>] [dead-interval <seconds>] [authentication-key <key>]
area <area id> virtual-link <router id> [message-digest-key <key id> md5 <key>]
情報の削除
no area <area id> virtual-link <router id>
no area <area id>

[入力モード]

(config-router)

[パラメータ]

<area id>

通過エリアを指定します。スタブエリアとNSSAは指定できません。

  1. 本パラメータ省略時の初期値

    省略できません

  2. 値の設定範囲

    1〜4294967295(10進数),またはIPv4アドレス(0.0.0.0を除く)を指定します。

<router id>

仮想リンクの相手ルータIDを指定します。

  1. 本パラメータ省略時の初期値

    省略できません

  2. 値の設定範囲

    IPv4アドレスを指定します。

hello-interval <seconds>

Helloパケットの送信間隔を秒単位で指定します。

  1. 本パラメータ省略時の初期値

    10

  2. 値の設定範囲

    1〜255(10進数:秒)を指定します。

retransmit-interval <seconds>

再送間隔を秒単位で指定します。

  1. 本パラメータ省略時の初期値

    5

  2. 値の設定範囲

    1〜65535(10進数:秒)を指定します。

transmit-delay <seconds>

遅延時間を秒単位で指定します。

  1. 本パラメータ省略時の初期値

    1

  2. 値の設定範囲

    1〜65535(10進数:秒)を指定します。

dead-interval <seconds>

隣接ルータがダウンしたと判断するまでの経過時間を秒単位で指定します。

  1. 本パラメータ省略時の初期値

    hello-intervalの4倍の値です。

  2. 値の設定範囲

    1〜65535(10進数:秒)を指定します。

authentication-key <key>

エリア0に平文パスワード認証を行う設定(area authenticationコマンド)をした場合に,仮想リンクでの認証に使用するキーを指定します。

  1. 本パラメータ省略時の初期値

    平文パスワード認証を行いません。

  2. 値の設定範囲

    8文字以内の文字列をダブルクォート(")で囲んで設定します。入力できる文字は,英数字と特殊文字です。入力文字列にスペースなどの特殊文字を含まない場合,文字列をダブルクォート(")で囲まなくても設定できます。詳細は,「パラメータに指定できる値」の「■任意の文字列」を参照してください。

message-digest-key <key id>

エリア0にMD5認証を行う設定(area authenticationコマンド)をした場合,仮想リンクでメッセージダイジェストを使用して認証を行うことを指定します。なお,MD5の詳細は「ip ospf message-digest-key」を参照してください。

  1. 本パラメータ省略時の初期値

    MD5認証を行いません。

  2. 値の設定範囲

    0〜255(10進数)の識別子を指定します。

md5 <key>

メッセージダイジェストを生成するためのキーを指定します。

  1. 本パラメータ省略時の初期値

    message-digest-keyパラメータを設定する場合,省略できません。

  2. 値の設定範囲

    16文字以内の文字列をダブルクォート(")で囲んで設定します。入力できる文字は,英数字と特殊文字です。入力文字列にスペースなどの特殊文字を含まない場合,文字列をダブルクォート(")で囲まなくても設定できます。詳細は,「パラメータに指定できる値」の「■任意の文字列」を参照してください。

[コマンド省略時の動作]

仮想リンクが動作しません。

[通信への影響]

なし

[設定値の反映契機]

設定変更後,すぐに運用に反映されます。

[注意事項]

  1. 仮想リンクの設定は,仮想リンクの両端のルータで共に設定する必要があります。それぞれのルータで,相手のルータIDを設定しなければなりません。このため,あらかじめconfig-routerモードのrouter-idコマンドを設定するなどの方法で,ルータIDを確定してください。

  2. MD5の送信キー(message-digest-keyパラメータの指定)は,同一インタフェース内の全ルータで統一してください。新しいキーへ移行するための設定変更中を除き,通常は複数キーの設定を残さないようにしてください。

[関連コマンド]

area authentication