コンフィグレーションコマンドレファレンス Vol.3


ipv6 route

IPv6スタティック経路を生成します。

[入力形式]

情報の設定・変更
ipv6 route [vrf <vrf id>] <ipv6 prefix>/<prefixlen> <nexthop address> [<distance>] [weight <weight>] [tag <tag>] [{noinstall | reject}] [{poll | track <track name> | track-target <track name> [not]}] [noresolve] [generate-bgp-route]
ipv6 route [vrf <vrf id>] <ipv6 prefix>/<prefixlen> <nexthop address> <interface type> <interface number> [<distance>] [weight <weight> ] [tag <tag>] [{noinstall | reject}] [{poll | track <track name> | track-target <track name> [not]}] [noresolve] [generate-bgp-route]
ipv6 route [vrf <vrf id>] <ipv6 prefix>/<prefixlen> <nexthop address> {vrf <nexthop vrf id> | global} [<distance>] [weight <weight>] [tag <tag>] [{noinstall | reject}] [{poll | track <track name> | track-target <track name> [not]}] [noresolve] [generate-bgp-route]
ipv6 route [vrf <vrf id>] <ipv6 prefix>/<prefixlen> <interface type> <interface number> [<distance>] [weight <weight> ] [tag <tag>] [track-target <track name> [not]] [generate-bgp-route]
情報の削除
no ipv6 route [vrf <vrf id>] <ipv6 prefix>/<prefixlen> <nexthop address>
no ipv6 route [vrf <vrf id>] <ipv6 prefix>/<prefixlen> <nexthop address> <interface type> <interface number>
no ipv6 route [vrf <vrf id>] <ipv6 prefix>/<prefixlen> <nexthop address> {vrf <nexthop vrf id> | global}
no ipv6 route [vrf <vrf id>] <ipv6 prefix>/<prefixlen> <interface type> <interface number>

[入力モード]

(config)

[パラメータ]

vrf <vrf id>

経路が属するVRFを指定します。

  1. 本パラメータ省略時の初期値

    経路はグローバルネットワークに属します。

  2. 値の設定範囲

    VRF IDを指定します。

    詳細は,「パラメータに指定できる値」を参照してください。

<ipv6 prefix>

宛先IPv6プレフィックスを指定します。

  1. 本パラメータ省略時の初期値

    省略できません

  2. 値の設定範囲

    IPv6プレフィックスを指定します。

    注 <ipv6 prefix>の<prefixlen>で指定した以降のビットは0にしてください。

<prefixlen>

プレフィックス長を指定します。

  1. 本パラメータ省略時の初期値

    省略できません

  2. 値の設定範囲

    0〜128(10進数)で指定します。

<nexthop address>

IPv6ネクストホップアドレスを指定します。IPv6リンクローカルアドレス指定時は,本パラメータのあとにインタフェースを指定してください。

  1. 本パラメータ省略時の初期値

    ネクストホップを特定しません。

  2. 値の設定範囲

    IPv6グローバルアドレスまたはIPv6リンクローカルアドレスを指定します。

<interface type> <interface number>

ネクストホップを解決するためのインタフェースを指定します。ネクストホップを解決する経路が指定インタフェースと異なる場合,本経路は有効となりません。

<nexthop address>にIPv6リンクローカルアドレスを指定した場合,本パラメータでインタフェースを指定してください。

  1. 本パラメータ省略時の初期値

    <nexthop address>の指定がある場合:

     ネクストホップを解決するためのインタフェースを特定しません。

    <nexthop address>の指定がない場合:

     省略できません。

  2. 値の設定範囲

    <interface type> <interface number>には,次に示すインタフェース種別グループに対応するインタフェース名およびインタフェース番号を指定できます。詳細は,「パラメータに指定できる値」の「■インタフェースの指定方法」を参照してください。

    <nexthop address>の指定がある場合:

    ・イーサネットインタフェース

    ・イーサネットサブインタフェース

    ・ポートチャネルインタフェース

    ・ポートチャネルサブインタフェース

    ・VLANインタフェース

    ・マネージメントポート

    <nexthop address>の指定がない場合:

    ・Nullインタフェース

{vrf <nexthop vrf id> | global}

ネクストホップが属するVRF,またはネクストホップがグローバルネットワークに属することを指定します。

<nexthop vrf id>

ネクストホップが属するVRFを指定します。

global

ネクストホップがグローバルネットワークに属することを指定します。

  1. 本パラメータ省略時の初期値

    ネクストホップは経路と同一のVRFに属します。

  2. 値の設定範囲

    <nexthop vrf id>には<vrf id>の設定範囲と同一のVRF IDを指定します。

    <vrf id>の設定範囲については,「パラメータに指定できる値」を参照してください。

<distance>

該当経路のディスタンス値を指定します。

  1. 本パラメータ省略時の初期値

    2

  2. 値の設定範囲

    2〜255(10進数)を指定します。2は最高の優先度,255は最低の優先度を示します。

weight <weight>

該当経路の優先度を指定します。本パラメータは,同一宛先間の優先度を決定するためのパラメータです。

  1. 本パラメータ省略時の初期値

    0

  2. 値の設定範囲

    0〜255(10進数)を指定します。255は最高の優先度,0は最低の優先度を示します。

tag <tag>

該当経路に付加するタグ値を指定します。

  1. 本パラメータ省略時の初期値

    0

  2. 値の設定範囲

    0〜4294967295(10進数)を指定します。

{noinstall | reject}
noinstall

該当スタティック経路をフォワーディングテーブルに登録しないように指定します。ただし,ルーティングプロトコルを使用したスタティック経路の配布は可能です。本パラメータは,スタティック経路をほかのルーティングプロトコルによって外部に広告するものの,本装置のパケット転送には使用したくない場合に指定します。

reject

該当スタティック経路をリジェクト経路として生成する場合に指定します。本パラメータは,該当スタティック経路と一致したパケットを廃棄したい場合に指定します。

  1. 本パラメータ省略時の初期値

    該当スタティック経路を非リジェクト経路として生成し,フォワーディングテーブルに登録します。

  2. 値の設定範囲

    なし

{poll | track <track name> | track-target <track name> [not]}
poll

ネクストホップに対して,到達監視のためのポーリングを行うことを指定します。ポーリング指定は,ネクストホップアドレス指定時だけ設定できます。

track <track name>

ネクストホップをBFDで監視することを指定します。動的監視トラック名を指定します。

track-target <track name> [not]

トラッキング連携でスタティック経路を制御することを指定します。連携する静的監視トラック名を指定します。

notは,代替連携を指定します。トラック状態がDownの場合,スタティック経路を有効にします。notを省略した場合,トラック状態がUpのときにスタティック経路を有効にします。

  1. 本パラメータ省略時の初期値

    ゲートウェイへの経路の有無によって,スタティック経路を生成および削除します。

  2. 値の設定範囲

    <track name>に31文字以内の名前を指定します。

    詳細は,「パラメータに指定できる値」を参照してください。

noresolve

該当スタティック経路のネクストホップの解決に,直結経路だけ使用します。

  1. 本パラメータ省略時の初期値

    該当スタティック経路のネクストホップの解決に,直結経路を含むすべての経路を使用します。

    注※ noresolve未指定のスタティック経路は,ネクストホップの解決経路として使用できません。

  2. 値の設定範囲

    なし

generate-bgp-route

宛先IPv6プレフィックス<ipv6 prefix>とプレフィックス長<prefixlen>で指定したネットワークアドレスを宛先とするBGP4+広告用経路を生成します。

  1. 本パラメータ省略時の初期値

    BGP4+広告用経路を生成しません。

  2. 値の設定範囲

    なし

[コマンド省略時の動作]

IPv6スタティック経路を生成しません。

[通信への影響]

すでに経路を生成しているスタティック経路に対してtrack <track name>パラメータを追加または変更すると,該当するスタティック経路を一時的に削除したあとに,トラック状態に従って経路を生成します。

[設定値の反映契機]

設定値変更後,すぐに運用に反映されます。

[注意事項]

  1. 異なるVRFのネクストホップ間でマルチパスは構成できません。

    マルチパスを構成するネクストホップは,現在有効でかつ最も高いweight値を持つネクストホップを基準として,それと同じVRF上のネクストホップの中から選択されます。

    例えば,次の場合,マルチパスを構成するネクストホップは,2001:db8:1:1::1と2001:db8:1:3::1の二つです。

    ipv6 route vrf 100 2001:db8:ffff:1::/64 2001:db8:1:1::1 vrf 200 weight 30
    ipv6 route vrf 100 2001:db8:ffff:1::/64 2001:db8:1:2::1 vrf 100 weight 20
    ipv6 route vrf 100 2001:db8:ffff:1::/64 2001:db8:1:3::1 vrf 200 weight 10
  2. generate-bgp-routeパラメータは,該当する経路宛てのパケットが意図しない隣接装置に転送されることを防止するために,NULLインタフェースをネクストホップとするスタティック経路に設定してください。

  3. track <track name>パラメータを設定したスタティック経路は,noresolve指定のスタティック経路として動作します。

[関連コマンド]

ipv6 route static poll-interval
ipv6 route static poll-multiplier
ipv6 route static maximum-paths