コンフィグレーションガイド Vol.2


18.1.1 概要

階層化シェーパは,シェーパユーザとポートとの2階層で出力帯域を制御します。階層化シェーパの概念を次の図に示します。

図18‒2 階層化シェーパの概念

[図データ]

階層化シェーパでは,キューイング時の優先順序を2階層で制御するために,フローをどのシェーパユーザで送信するかを決定(シェーパユーザ決定)します。さらに,シェーパユーザ内のキューイング先キュー(ユーザ送信キュー)を決定(優先度決定)し,キューイングするか廃棄するかを決定(廃棄制御)します。

各キューからのフレームの出力順序を2階層で制御するために,シェーパユーザ間でのフレームの送信順の制御方式(シェーパモード),各シェーパユーザのユーザ送信キューごとのフレームの送信順の制御方式(スケジューリング),およびシェーパユーザのユーザ送信キュー数やキュー長に基づいて制御します。

さらに,ポートへ送信する出力帯域を階層的にシェーピングするために,シェーパユーザごとの帯域制御(ユーザ帯域制御)とポートの合計帯域の制御(ポート帯域制御)を同時に実施しています。

階層化シェーパを動作させるためには,前述のさまざまなパラメータを設定する必要があります。本装置では,シェーパユーザワンタッチ設定機能を使用することで,階層化シェーパを簡単に使用できます。なお,シェーパユーザごとに異なる帯域やキュー長を設定したい場合は,シェーパユーザワンタッチ設定機能を使用しないで,シェーパユーザ個別設定をすることもできます。

階層化シェーパの拡張性はシェーパユーザ数に比例して高くなります。階層化シェーパ拡張モードを使用すると,NIF単位でポート当たりの通常ユーザ数を拡張できます。【OP-SHPE】

なお,階層化シェーパ拡張モードを設定しない場合のモードを階層化シェーパ標準モードと呼びます。

階層化シェーパを動作させるNIFでは,どのポートで階層化シェーパを動作させるかを設定できます。該当NIF内で階層化シェーパを動作させないポートではポートシェーパが動作するため,同一NIFで階層化シェーパとポートシェーパを併用できます。