11.1 QoS制御構造
         
         ネットワークを利用したサービスの多様化に伴って,通信品質を保証しないベストエフォート型のトラフィックに加え,実時間型・帯域保証型のトラフィックが増加しています。本装置のQoS制御を使用することによって,トラフィック種別に応じた通信品質を提供できます。
         本装置のQoS制御は,回線の帯域やキューのバッファ容量などの限られたネットワーク資源を有効に使用できます。アプリケーションごとに要求されるさまざまな通信品質を満たすために,QoS制御を使用してネットワーク資源を適切に分配します。
         本装置のQoS制御の機能ブロックを次の図に示します。
         
         図に示したQoS制御の各機能ブロックの概要を次の表に示します。
         
            表11‒1 QoS制御の各機能ブロックの概要
            
            
            
            
            
               
                  | 
                      機能部位 
                   | 
                  
                      機能概要 
                   | 
               
            
            
               
                  | 
                      QoSフロー 
                   | 
                  
                      フロー検出 
                   | 
                  
                      MACヘッダやプロトコル種別,IPアドレス,ポート番号などの条件に一致するフローを検出します。 
                   | 
               
               
                  | 
                      ポリサー 
                   | 
                  
                      フローごとに帯域を監視して,帯域を超えたフローに対してペナルティを与えます。 
                   | 
               
               
                  | 
                      マーカー 
                   | 
                  
                      VLAN Tagヘッダのユーザ優先度やIPヘッダのDSCPを書き換えます。 
                   | 
               
               
                  | 
                      優先度変更 
                   | 
                  
                      フローに対して優先クラスや,廃棄されやすさを示す廃棄クラスを変更します。 
                   | 
               
               
                  | 
                      廃棄 
                   | 
                  
                      フロー検出したフローを廃棄します。 
                   | 
               
               
                  | 
                      シェーパユーザ決定 
                   | 
                  
                      フローごとに階層化シェーパユーザを決定します。 
                   | 
               
               
                  | 
                      ポートシェーパ 
                   | 
                  
                      廃棄制御 
                   | 
                  
                      フレームの優先度とキューの状態に応じて,該当フレームをキューイングするか廃棄するかを制御します。 
                   | 
               
               
                  | 
                      スケジューリング 
                   | 
                  
                      各キューからのフレームの出力順序を制御します。 
                   | 
               
               
                  | 
                      帯域制御 
                   | 
                  
                      各ポートの出力帯域を制御します。 
                   | 
               
               
                  | 
                      階層化シェーパ 
                     【OP-SHPS】 
                   | 
                  
                      シェーパユーザ決定(自動決定) 
                   | 
                  
                      ランダム振り分けやVLAN IDマッピングによって,シェーパユーザを自動で決定します。 
                   | 
               
               
                  | 
                      ユーザ優先度マッピング 
                   | 
                  
                      ユーザ優先度によってキュー番号を決定します。 
                   | 
               
               
                  | 
                      廃棄制御 
                   | 
                  
                      フレームの優先度とキューの状態に応じて,該当フレームをキューイングするか廃棄するかを制御します。 
                   | 
               
               
                  | 
                      スケジューリング 
                   | 
                  
                      各キューからのフレームの出力順序を制御します。 
                   | 
               
               
                  | 
                      帯域制御 
                   | 
                  
                      各ポートの出力帯域を制御します。さらに,シェーパユーザごとに出力帯域を制御します。 
                   | 
               
            
         
         QoSフローでは,フロー検出したフローに対してポリサー,マーカー,優先度変更,シェーパユーザ決定,または廃棄を実施します。
         ポートシェーパでは,フレームの優先度に基づいて廃棄制御,スケジューリングおよび送信時の帯域制御を実施します。
         階層化シェーパでは,上記の動作に加えて,シェーパユーザ決定,およびユーザ優先度マッピングを実施します。【OP-SHPS】