13.11.1 概要
高速経路切替機能は,同一の宛先を持つ複数の経路が存在する場合に,最も優先度が高い経路情報(第1優先経路と呼ぶ)と,第1優先経路の次に優先される経路(第2優先経路と呼ぶ)をあらかじめルーティングテーブルに登録しておき,インタフェースダウンなどによって第1優先経路が使用できなくなったとき,素早く第2優先経路をフォワーディングテーブルに登録することで,通信停止時間の短縮を図る機能です。本機能はコンフィグレーションの設定がなくても動作します。
高速経路切替のサポート範囲を次の表に示します。
切替契機 |
切替内容 |
---|---|
インタフェースダウン |
第2優先経路への切り替え |
マルチパス経路の縮退 |
|
インタフェースダウンを伴わないIGP経路の変更によるBGP4またはBGP4+経路のネクストホップ変更※ |
第2優先経路への切り替え |
マルチパス経路の縮退 |
|
インタフェースダウンを伴わないピア切断によるBGP4またはBGP4+経路のネクストホップ変更※ |
第2優先経路への切り替え |
マルチパス経路の縮退 |
注※ BFDによるダウンを検出した場合も含みます。
高速経路切替を適用する経路の組み合わせを次の表に示します。
項目 |
第1優先経路 |
||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
RIP/ RIPng |
OSPF/ OSPFv3 |
BGP4※/ BGP4+※ |
スタティック※ |
集約経路 |
直結経路 |
||
第2優先経路 |
RIP/RIPng |
○ |
○ |
○ |
○ |
× |
× |
OSPF/OSPFv3 |
○ |
− |
○ |
○ |
× |
× |
|
BGP4/BGP4+ |
○ |
○ |
○ |
○ |
× |
× |
|
スタティック※ |
○ |
○ |
○ |
○ |
× |
× |
|
集約経路 |
× |
× |
× |
× |
− |
× |
|
直結経路 |
× |
× |
× |
× |
× |
− |
(凡例) ○:適用する ×:適用しない −:この組み合わせは発生しない
- 注※
-
次の経路の場合,高速経路切替を適用しません。
1. コンフィグレーションコマンドip routeまたはipv6 routeのパラメータとして次を指定した場合
・reject
・noinstall
2. 送信先インタフェースが次の場合
・ループバックインタフェース
・Nullインタフェース
・マネージメントポート