トラブルシューティングガイド


5.6.5 VRFでマルチキャスト通信ができない

VRFでマルチキャスト通信ができない場合の確認内容を次の表に示します。

表5‒21 VRFでの確認内容

項番

確認内容・コマンド

対応

1

本装置をランデブーポイントまたはブートストラップルータとして使用する場合は,該当VRFのループバックインタフェースにIPv4マルチキャスト使用時はIPv4アドレスを,IPv6マルチキャスト使用時はIPv6アドレスを設定しているか,コンフィグレーションを確認してください。

  • show running-config

該当VRFのループバックインタフェースにIPv4アドレスまたはIPv6アドレスを設定している場合は,項番2へ。

本装置をランデブーポイントまたはブートストラップルータとして使用しない場合は,項番6へ。

該当VRFのループバックインタフェースにIPv4アドレスまたはIPv6アドレスを設定していない場合は,コンフィグレーションを修正してください。

2

該当VRFで本装置がランデブーポイント候補として動作していることを確認してください。

  • show ip pim vrf all rp-mapping

  • show ipv6 pim vrf all rp-mapping

本装置がランデブーポイント候補として動作していない場合は,項番3へ。

本装置がランデブーポイント候補として動作している場合は,項番4へ。

3

ランデブーポイント候補の設定で,IPv4マルチキャスト使用時は該当VRFのループバックインタフェース番号を,IPv6マルチキャスト使用時は該当VRFのループバックインタフェースのIPv6アドレスを指定しているか,コンフィグレーションを確認してください。

  • show running-config

ランデブーポイント候補の設定が正しい場合は,項番4へ。

ランデブーポイント候補の設定が正しくない場合は,コンフィグレーションを修正してください。

4

該当VRFで本装置がブートストラップルータ候補として動作していることを確認してください。

  • show ip pim vrf all bsr

  • show ipv6 pim vrf all bsr

本装置がブートストラップルータ候補として動作していない場合は,項番5へ。

本装置がブートストラップルータ候補として動作している場合は,項番6へ。

5

ブートストラップルータ候補の設定で,IPv4マルチキャスト使用時は該当VRFのループバックインタフェース番号を,IPv6マルチキャスト使用時は該当VRFのループバックインタフェースのIPv6アドレスを指定しているか,コンフィグレーションを確認してください。

  • show running-config

ブートストラップルータ候補の設定が正しい場合は,項番6へ。

ブートストラップルータ候補の設定が正しくない場合は,コンフィグレーションを修正してください。

6

複数のVRFで運用している場合は,グローバルネットワークまたは特定のVRFがマルチキャスト中継エントリを想定以上に占有していないか確認してください。

  • show ip mcache vrf all

  • show ipv6 mcache vrf all

ネットワーク設計の想定以上にマルチキャスト中継エントリを占有しているグローバルネットワークまたはVRFがない場合は,項番7へ。

ネットワーク設計の想定以上にマルチキャスト中継エントリを占有しているグローバルネットワークまたはVRFがある場合は,想定していないマルチキャスト中継エントリが生成されていないか確認してください。ネガティブキャッシュエントリが多い場合は,不要なマルチキャストパケットを送信している端末が存在しないか確認してください。

なお,一つのグローバルネットワークまたは特定のVRFがマルチキャスト中継エントリを不正に占有することを防止するために,次に示すコンフィグレーションでVRFごとにマルチキャスト中継エントリの最大数を設定することを推奨します。

  • ip pim vrf <vrf id> mcache-limit <number>

  • ipv6 pim vrf <vrf id> mcache-limit <number>

7

各VRFに対して,「5.6.1 PIM-SMネットワークでマルチキャスト通信ができない」〜「5.6.4 PIM-SSMネットワークでマルチキャストパケットが二重中継される」の確認をしてください。

情報確認のための各コマンドでは,VRFを指定する必要があります。VRF指定の方法は,「運用コマンドレファレンス」を参照してください。