運用コマンドレファレンス Vol.3


show tcpdump (tcpdump)

BCU-CPUで送受信されるパケットをモニタします。

解析できるパケットおよびフレーム一覧を次の表に示します。

表2‒25 解析できるレイヤ3パケット一覧

アドレスファミリ

種別

説明

IPv4

TCP

BGP4やtelnetなどの各種TCP通信を解析します。

UDP

SNMPやRIPなどの各種UDP通信を解析します。

ICMP

pingなどを解析します。

OSPF

OSPFルーティングプロトコルを解析します。

IGMP

IGMPを解析します。

PIM

マルチキャストPIMを解析します。

VRRP

VRRPのADVERTISEMENTパケットを解析します。

IPv6

TCP

BGP4+やtelnetなどの各種TCP通信を解析します。

UDP

SNMPやRIPngなどの各種UDP通信を解析します。

ICMP6

pingなどを解析します。

OSPF6

OSPFv3ルーティングプロトコルを解析します。

PIM

マルチキャストPIMを解析します。

VRRP

VRRPのADVERTISEMENTパケットを解析します。

ARP

ARP

ARPプロトコルを解析します。

表2‒26 解析できるレイヤ2プロトコル制御フレーム一覧

プロトコル

説明

SLOW

LACPDUやOAMPDUを解析します。

STP

BPDUを解析します。

CFM

CFM PDUを解析します。

LLDP

LLDPDUを解析します。

AXRP

Ring Protocolの制御フレームを解析します。

L2LD

L2ループ検知フレームを解析します。

[入力形式]

<インタフェースのパケットモニタリング>
show tcpdump interface <interface type> <interface number> [addinfo] [{no-resolv | no-domain}] [abs-seq] [no-time] [{brief | detail | extensive | debug}] [{hex | hex-ascii}] [ether-header] [count <count>] [snaplen <snaplen>] [writefile <file name>] [{<expression> | <filter protocol>}]
<ポートおよびチャネルグループのパケットモニタリング>
show tcpdump port {<port type> <port number> | all} [addinfo] [{no-resolv | no-domain}] [abs-seq] [no-time] [{brief | detail | extensive | debug}] [{hex | hex-ascii}] [ether-header] [count <count>] [snaplen <snaplen>] [writefile <file name>] [{<expression> | <filter protocol>}]
<パケットモニタリングファイルの表示>
show tcpdump readfile <file name> [{no-resolv | no-domain}] [abs-seq] [no-time] [{brief | detail | extensive | debug}] [{hex | hex-ascii}] [ether-header] [count <count>] [writefile <file name>] [{<expression> | <filter protocol>}]
注 show tcpdumpはtcpdumpとしても入力できます。tcpdumpとして入力する場合,次のパラメータで入力します。
tcpdump -i <interface type> <interface number> [-o] [{-n | -N}] [-S] [-t] [-q] [-v[v[v]]] [{-x | -X}] [-e] [-c <count>] [-s <snaplen>] [-w <file name>] [{<expression> | <filter protocol>}]
tcpdump -P {<port type> <port number> | all} [-o] [{-n | -N}] [-S] [-t] [-q] [-v[v[v]]] [{-x | -X}] [-e] [-c <count>] [-s <snaplen>] [-w <file name>] [{<expression> | <filter protocol>}]
tcpdump -r <file name> [{-n | -N}] [-S] [-t] [-q] [-v[v[v]]] [{-x | -X}] [-e] [-c <count>] [-w <file name>] [{<expression> | <filter protocol>}]

[入力モード]

一般ユーザモードおよび装置管理者モード

[パラメータ]

interface <interface type> <interface number> (-i <interface type> <interface number>)

該当インタフェースをモニタします。レイヤ3パケットをモニタするときに指定してください。モニタしたフレームがTaggedフレームの場合は,VLAN Tagを解析せず,表示しません。<expression>パラメータ指定時にVLAN Tagの考慮は不要です。

<interface type> <interface number>には,次に示すインタフェース種別グループに対応するインタフェース名およびインタフェース番号を指定できます。詳細は,「パラメータに指定できる値」の「■インタフェースの指定方法」を参照してください。

  • イーサネットインタフェース

  • イーサネットサブインタフェース

  • ポートチャネルインタフェース

  • ポートチャネルサブインタフェース

  • VLANインタフェース

  • ループバックインタフェース

  • マネージメントポート

  • AUXポート

port {<port type> <port number> | all} (-P {<port type> <port number> | all})

ポートおよびチャネルグループをモニタします。レイヤ2フレームをモニタするときに指定してください。モニタした受信フレームがTaggedフレームの場合は,VLAN Tagを解析して表示します。

<port type> <port number>

該当ポートおよび該当チャネルグループをモニタします。

<port type> <port number>には,次の値を指定できます。

  • gigabitethernet <nif no.>/<port no.>

  • tengigabitethernet <nif no.>/<port no.>

  • fortygigabitethernet <nif no.>/<port no.>

  • hundredgigabitethernet <nif no.>/<port no.>

  • port-channel <channel group number>

<nif no.>/<port no.>および<channel group number>に指定できる値の範囲については,「パラメータに指定できる値」を参照してください。

all

すべてのインタフェースおよびすべてのポートをモニタします。

readfile <file name> (-r <file name>)

パケットを(writefileオプションで作成した)<file name>から読み込みます。

addinfo (-o)

ポート番号およびVRF IDを表示します。

本パラメータ省略時の動作

ポート番号およびVRF IDを表示しません。

{no-resolv | no-domain}
no-resolv (-n)

アドレス(ホストアドレス,ポート番号など)を名前に変換しません。

no-domain (-N)

ホストのドメイン名を表示しません。例えば,server.example.comと表示する代わりにserverと表示します。

本パラメータ省略時の動作

アドレス(ホストアドレス,ポート番号など)を名前に変換します。また,ホストアドレスはドメイン名まで表示します。

abs-seq (-S)

TCPシーケンス番号を相対値ではなく,絶対値で表示します。

本パラメータ省略時の動作

TCPシーケンス番号を相対値で表示します。

no-time (-t)

各ダンプ行に時間情報を表示しません。

本パラメータ省略時の動作

各ダンプ行に時間情報を表示します。

{brief | detail | extensive | debug}
brief (-q)

TCPやUDPなどのプロトコル情報の表示を一部省略して,通常より簡素な表示にします。

detail (-v)

通常より少し詳細に表示します。

例えば,IPパケットでのtime to live,identification,total lengthやoptionsの情報を表示します。さらに,IPやICMPヘッダのchecksumを確認するようなパケットの完全性チェックも追加されます。

extensive (-vv)

detailよりさらに詳細に表示します。

例えば,LACPDUフレームを16進で表示します。

debug (-vvv)

最も詳細に表示します。

例えば,hex-asciiパラメータと同時に指定したときに,telnetプロトコルのサブオプションを別表示します。

本パラメータ省略時の動作

簡素表示または詳細表示をしないで,通常表示をします。

{hex | hex-ascii}
hex (-x)

リンクレイヤを除いて,各パケットを16進で表示します。

hex-ascii (-X)

16進表示されるときに,ASCII文字も表示します。

本パラメータ省略時の動作

16進表示およびASCII文字の表示をしないで,各ダンプ行の解析結果だけを表示します。

ether-header (-e)

各ダンプ行にethernetヘッダを表示します。interfaceパラメータにループバックインタフェースまたはAUXポートを指定した場合は,フレームにethernetヘッダが存在しないため表示されません。

本パラメータ省略時の動作

各ダンプ行にethernetヘッダを表示しません。

count <count> (-c <count>)

<count>個のパケットを受信したあとに終了します。指定できる値は1〜2147483647です。

本パラメータ省略時の動作

[Ctrl+C]で終了します。

snaplen <snaplen> (-s <snaplen>)

各パケットの先頭から<snaplen>バイトをダンプに表示します。指定できる値は0〜65535です。この値は,解析に必要な情報が得られる最小限とすることで,パケットの取りこぼしを抑止できます。

<snaplen>制限で後ろが切り捨てられたパケットは,出力時に"[|<proto>]"形式で示されます(<proto>は切り捨ての生じたレベルに対応するプロトコルの名前です)。

<snaplen>に0を指定すると,65535バイトをダンプに表示します。

本パラメータ省略時の動作

各パケットの先頭から65535バイトをダンプに表示します。

writefile <file name> (-w <file name>)

パケットを解析,表示する代わりにモニタした情報を<file name>に書き出します。

この<file name>は,あとでreadfile <file name>オプションを使用して表示できます。

本パラメータ省略時の動作

各ダンプの解析結果を画面に表示します。

{<expression> | <filter protocol>}
<expression>

ダンプするパケットの種類を選択します。<expression>を指定した場合は,<expression>が"true"(真)となるパケットだけをモニタします。

本装置が大量のパケットを送受信しているときは,本パラメータを指定して,必要なパケットだけをモニタしてください。

<expression>の指定は「<expression>の指定方法」を確認してください。

<filter protocol>

VLAN Tagの有無に関係なく指定したパケットをモニタします。

  • IP,IP6,ARP,TCP,UDP,ICMP,ICMP6,IGMP,PIM,VRRP(どれかを指定)

    プロトコルがIPv4,IPv6,ARP,TCP,UDP,ICMP,ICMP6,IGMP,PIMまたはVRRPのとき,VLAN Tagの有無に関係なくモニタします。

  • SLOW,STP,CFM,LLDP,AXRP,L2LD(どれかを指定)

    プロトコルがSLOW,STP,CFM,LLDP,AXRPまたはL2LDのとき,VLAN Tagの有無に関係なくモニタします。

本パラメータ省略時の動作

受信パケットを選別しないですべてのパケットをダンプします。

<expression>の指定方法

<expression>は,一つの基本要素か,基本要素を二つ以上組み合わせたものを指定します。

基本要素は,<protocol> <direction> <type> <identification>の4種類の組み合わせで構成されます。

基本要素は,<identification>に<type>を前置したものや,さらにそれらに<direction>,<protocol>,<protocol> <direction>の修飾子を矛盾しないよう前置したものです。

以下に基本要素のパターンを示します。

基本要素のパターン:

<type> <identification>

<direction> <type> <identification>

<protocol> <type> <identification>

<protocol> <direction> <type> <identification>

<identification>

アドレスやポート番号などの名前または番号を示します。

例:192.0.2.1,serverA,23,telnet

<type>

この修飾子は<identification>が対象とするものの種類を示します。利用できる<type>は,host,net,portです。

例:host serverA,net 192.0,port 22

ほかの修飾子との組み合わせで,<type>修飾子を省略した場合は,hostが指示されているものと見なします。

例:src serverAはsrc host serverAを意味します。

<direction>

この修飾子は,<identification>から,もしくは<identification>へ,または両方の通信方向を特定します。

利用できる方向はsrc,dst,src or dst,src and dstです。

例:src serverA,dst net 2001:db8::/32,src or dst port telnet

<direction>修飾子が指定されない場合はsrc or dstが指示されているものと見なします。

例:port telnetは,src or dst port telnetを意味します。

<protocol>

この修飾子は,特定のプロトコルに制限する場合に指定します。

利用可能なプロトコルは,ether,ip,ip6,tcp,udpです。

例:ip6 src 2001:db8::1,ip net 192.0,tcp port 23

<protocol>修飾子が指定されない場合は,<type>と矛盾しない範囲の

すべてのプロトコルが指定されているものと見なします。

例:port 53はtcp port 53 or udp port 53を意味します。

基本要素の例

dst host <host>

パケットのIPv4/IPv6宛先が<host>のときに真。

src host <host>

パケットのIPv4/IPv6送信元が<host>のときに真。

host <host>

パケットの IPv4/IPv6宛先または送信元が<host>のときに真。

上記の各hostを示す条件式の前に ipip6のどちらかを付与してIPv4/IPv6を限定できます。

例:ip host <host>

例:ip6 src host <host>

ether dst <ehost>

フレームの宛先MACアドレスが<ehost>のときに真。

ether src <ehost>

フレームの送信元MACアドレスが<ehost>のときに真。

ether host <ehost>

フレームの宛先MACアドレスまたは送信元MACアドレスが<ehost>のときに真。

dst net <network>/<length>

パケットのIPv4/IPv6宛先アドレスが,指定した<length>ビットnetmaskの<network>ネットワークに含まれているときに真。

src net <network>/<length>

パケットのIPv4/IPv6送信元アドレスが,指定した<length>ビットnetmaskの<network>ネットワークに含まれているときに真。

net <network>/<length>

パケットのIPv4/IPv6宛先アドレスが,指定した<length>ビットnetmaskの<network>ネットワークに含まれているときに真。

dst port <port>

パケットがIPv4/TCP,IPv4/UDP,IPv6/TCPまたはIPv6/UDPで,宛先のポート番号が<port>のときに真。

src port <port>

パケットがIPv4/TCP,IPv4/UDP,IPv6/TCPまたはIPv6/UDPで,送信元のポート番号が<port>のときに真。

port <port>

パケットがIPv4/TCP,IPv4/UDP,IPv6/TCPまたはIPv6/UDPで,パケットの宛先または送信元ポート番号が<port>のときに真。

上記の各<port>を指定する条件式の前に,tcpudpのどちらかを付与してTCP/UDPを限定できます。

例:tcp src port <port>

そのほかに,基本要素として,<identification>などを指定しない次のようなものもあります。

ip proto <protocol number>

パケットが<protocol number>番号のプロトコルのIPv4パケットのときに真。

ただし,プロトコルヘッダがチェインしている場合は追跡しません。

ip6 proto <protocol number>

パケットが<protocol number>番号のプロトコルのIPv6パケットのときに真。

ただし,プロトコルヘッダがチェインしている場合は追跡しません。

ether proto <protocol>

フレームが<protocol>型のときに真。<protocol>には,番号,slow,cfm,lldp,axrpまたはl2ldが指定できます。

ip multicast

パケットがIPv4マルチキャストのときに真。

ip6 multicast

パケットがIPv6マルチキャストのときに真。

ether multicast

フレームがマルチキャストのときに真。

ip broadcast

パケットがIPv4ブロードキャストのときに真。portパラメータおよびreadfileパラメータ指定時は,パケットのIPv4宛先が255.255.255.255または0.0.0.0のときに真。

ether broadcast

フレームがブロードキャストのときに真。

ip,ip6,arp,stp(どれかを指定)

パケットがIPv4,IPv6,ARPまたはSTPのときに真。

tcp,udp,icmp,icmp6,igmp,pim,vrrp(どれかを指定)

パケットがTCP,UDP,ICMP,ICMP6,IGMP,PIMまたはVRRPのときに真。

ただし,プロトコルヘッダがチェインしている場合は追跡しません。

ip protochain <protocol number>

ip proto <protocol number>と同様ですが,プロトコルヘッダのチェインを追跡します。

ip6 protochain <protocol number>

ip6 proto <protocol number>と同様ですが,プロトコルヘッダのチェインを追跡します。

vlan [<vlan id>]

VLAN IDが<vlan id>のTaggedフレームのときに真。<vlan id>省略時は,VLAN IDに関係なくTaggedフレームのときに真。

なお,vlan [<vlan id>]以降の<expression>パラメータは,Taggedフレームに対するフィルタ条件と見なします。

基本要素の組み合わせ

複雑なフィルタ条件式は,基本要素をandornotで組み合わせて表現します。

また,条件式をまとめる場合は,丸括弧 ( ) で囲んでください。

例:host server1 and not ( port ssh or port http )

  host server1でかつport sshまたはport httpでないものとなります。

なお,明示的な修飾子は省略することもできます。

例:tcp dst port ftp or ssh or domainは

  tcp dst port ftp or tcp dst port ssh or tcp dst port domainと同じ意味です。

VLAN Tagの有無に関係なくパケットをモニタする場合は,次のように指定します。

<filter condition> or (vlan and <filter condition>)

 VLAN Tagの有無に関係なく<filter condition>が真となるパケットをモニタします。<filter condition>はvlanおよびnotを含まない任意のフィルタ条件式です。<filter condition>にvlanやnotを含む場合は正常に取得できません。

なお,単一のプロトコルをVLAN Tagの有無に関係なくモニタする場合は,<filter protocol>パラメータを使用すると簡単に指定できます。

<expression>指定例

host serverA

serverAとの通信パケットをモニタします。

tcp port telnet

telnet通信のパケットをモニタします。

not tcp port ssh

SSH通信以外のパケットをモニタします。

host serverA and tcp port bgp

serverAとのBGP4/BGP4+(IPv4とIPv6)パケットをモニタします。

ip6 and host serverA and tcp port bgp

serverAとのBGP4+(IPv6)パケットをモニタします。

ip and not net 192.0.2/24

ネットワーク192.0.2/24を宛先・送信元としないIPv4パケットをモニタします。

udp port 520 or 521

RIP/RIPng(IPv4/IPv6)パケットをモニタします。

ip6 proto 89

OSPFv3(IPv6)パケットをモニタします。

ether host 0012.e211.2233

宛先MACアドレスまたは送信元MACアドレスが0012.e211.2233のフレームをモニタします。

ether proto cfm

CFM PDUをモニタします。

( ip proto 89 ) or ( vlan and ( ip proto 89 ))

OSPFパケットをVLAN Tagの有無に関係なくモニタします。

[実行例]

図2‒22 interface指定の実行結果
> show tcpdump interface gigabitethernet 1/1 addinfo ether-header
Date 20XX/01/20 18:36:00 UTC
tcpdump: listening on Eth1/1
21:03:07.502943 [Port:1/1 VRF:10] 00:12:e2:01:23:45 > 00:12:e2:11:22:33, ethertype IPv4 (0x0800), length 98: hostA.example.com > hostB.example.com: ICMP echo request, id 28488, seq 6, length 64   <-1
21:03:08.101264 [Port:1/1 VRF:10] 00:12:e2:01:23:45 > 00:12:e2:11:22:33, ethertype IPv6 (0x86dd), length 98: v6hostA.example.com > v6.hostB.example.com: ICMP6, echo request, seq 1, length 64   <-2
21:40:00.175692 [Port:1/1 VRF:10] 00:12:e2:01:23:45 > 00:12:e2:11:22:33, ethertype ARP (0x0806), length 60: Request who-has 192.0.2.1 tell 192.0.2.2, length 46   <-3
^C
4 packets captured
4 packets received by filter
0 packets dropped by kernel
>
  1. IPv4パケット

  2. IPv6パケット

  3. ARPパケット

図2‒23 port指定の実行結果
> show tcpdump port gigabitethernet 1/1 addinfo ether-header
Date 20XX/01/20 18:36:00 UTC
tcpdump: listening on geth1/1
21:03:07.502943 [Port:1/1 VRF:10] 00:12:e2:01:23:45 > 00:12:e2:11:22:33, ethertype 802.1Q (0x8100), length 102: vlan 10, p 0, ethertype IPv4, hostA.example.com > hostB.example.com: ICMP echo request, id 28488, seq 6, length 64   <-1
21:03:08.101264 [Port:1/1 VRF:10] 00:12:e2:01:23:45 > 00:12:e2:11:22:33, ethertype 802.1Q (0x8100), length 102: vlan 10, p 0, ethertype IPv6, v6hostA.example.com > v6.hostB.example.com: ICMP6, echo request, seq 1, length 64   <-2
21:40:00.175692 [Port:1/1 VRF:10] 00:12:e2:01:23:45 > 00:12:e2:11:22:33, ethertype 802.1Q (0x8100), length 102: vlan 10, p 0, ethertype ARP, Request who-has 192.0.2.1 tell 192.0.2.2, length 46   <-3
^C
4 packets captured
4 packets received by filter
0 packets dropped by kernel
>
  1. IPv4パケット

  2. IPv6パケット

  3. ARPパケット

図2‒24 writefileでファイル名を指定して,ダンプ内容をファイルに保存した実行結果
> show tcpdump interface gigabitethernet 1/1 writefile mydump
Date 20XX/01/20 20:23:00 UTC
tcpdump: listening on Eth1/1
^C
4 packets captured
4 packets received by filter
0 packets dropped by kernel
>
図2‒25 readfileでファイル名を指定して,ダンプ内容を読み込み表示した実行結果
> show tcpdump readfile mydump
Date 20XX/01/20 20:23:00 UTC
reading from file mydump, link-type EN10MB (Ethernet)
21:03:07.502943 IP hostA.example.com > hostB.example.com: ICMP echo request, id 28488, seq 6, length 64   <-1
21:03:08.101264 IP6 v6hostA.example.com > v6.hostB.example.com: ICMP6, echo request, seq 1, length 64   <-2
21:40:00.175692 ARP, Request who-has 192.0.2.1 tell 192.0.2.2, length 46   <-3
>
  1. IPv4パケット

  2. IPv6パケット

  3. ARPパケット

[表示説明]

表2‒27 show tcpdumpコマンドの表示内容

表示項目

意味

表示内容

listening on <monitor name>

モニタ対象名

モニタしているインタフェース名,ポート名またはチャネルグループ名

interfaceおよびportパラメータ指定時に表示されます。

reading from file <file name>

ファイル名

パケットを読み込んでいるファイル名

readfileパラメータ指定時に表示されます。

link-type <link type name>

リンクタイプ

ファイルにパケットを保存したときの,モニタ対象のリンクタイプ

readfileパラメータ指定時に表示されます。

<hh:mm:ss.ssssss>

タイムスタンプ

パケットをキャプチャしたタイムスタンプ

no-timeパラメータ指定時は表示されません。

Port:<nif no.>/<port no.>

ポート番号

NIF番号/ポート番号

addinfoパラメータ指定時に表示されます。

VRF:<vrf id>

VRF ID

VRF ID

addinfoパラメータ指定時に表示されます。

<source mac address> > <destination mac address>

MACアドレスペア

送信元MACアドレスおよび宛先MACアドレスのペア

ether-headerパラメータ指定時に表示されます。

ethertype <protocol name> (<ethertype value>)

イーサタイプ

プロトコル名(IPv4,IPv6,ARPなど)およびイーサタイプ値

ether-headerパラメータ指定時に表示されます。

vlan <vlan id>

VLAN ID

VLAN TagのVLAN ID

Taggedフレームの場合に表示されます。

ether-headerパラメータ指定時に表示されます。ただし,interfaceパラメータ指定時は表示されません。

p <priority>

優先度

VLAN Tagの優先度

Taggedフレームの場合に表示されます。

ether-headerパラメータ指定時に表示されます。ただし,interfaceパラメータ指定時は表示されません。

<protocol name>

プロトコル名

プロトコル名(IP,IP6,ARPなど)

ether-headerパラメータ指定時は表示されません。

<protocol detail>

プロトコル詳細

プロトコルの詳細情報

本情報は,各パケットでイーサタイプおよびプロトコル名の次に表示されます。

<count> packets captured

モニタ統計

キャプチャしたパケット数

readfileパラメータ指定時は表示されません。

<count> packets received by filter

モニタ統計

受信したパケット数

readfileパラメータ指定時は表示されません。

<count> packets dropped by kernel

モニタ統計

取りこぼしたパケット数

readfileパラメータ指定時は表示されません。

[通信への影響]

なし

[応答メッセージ]

表2‒28 show tcpdump (tcpdump)コマンドの応答メッセージ一覧

メッセージ

内容

tcpdump: '<protocol> proto' is bogus

<protocol>のプロトコル指定は無効です。

tcpdump: '<string>' modifier applied to <host> host

<string>修飾子が<host>ホストに付加されました(無効です)。

tcpdump: '<string>' modifier applied to <net> net

<string>修飾子が<net>ネットに付加されました(無効です)。

tcpdump: '<string>' modifier applied to host

<string>修飾子がhostに付加されました(無効です)。

tcpdump: '<string>' modifier applied to net

<string>修飾子がnetに付加されました(無効です)。

tcpdump: <file name>: Is a directory

<file name>はディレクトリです(ファイル名を指定してください)。

tcpdump: <file name>: link-layer type <type> isn't supported in savefiles

読み込んだファイル<file name>のリンクレイヤタイプ<type>はサポートしていません。

tcpdump: <file name>: No such file or directory

<file name>が見つかりません。

tcpdump: <file name>: Permission denied

<file name>のアクセスが許可されませんでした。

tcpdump: <filter> host filtering not implemented

<filter>のhostフィルタは未サポートです。

tcpdump: <host> resolved to multiple address

<host>は複数アドレスを解決しました。

tcpdump: archaic pcap savefile format

古いファイルフォーマットです。

tcpdump: BIOCSETIF failed: Device not configured

無効なインタフェースを指定しています。終了します。

tcpdump: error reading dump file: Operation not permitted

ファイルが読み込みできません(不正なファイルを指定した場合など)。

tcpdump: error reading dump file: Undefined error: 0

ファイルが異常です(異常に短いファイルを指定した場合など)。

tcpdump: ethernet addresses supported only on ethernet

指定したインタフェースでは,ethernet address指定はサポートしていません。

tcpdump: expression rejects all packets

指定したフィルタ条件<expression>ではパケットをすべてフィルタします。フィルタ条件を変更してください。

tcpdump: fwrite: No space left on device

ファイルが書き込めません(ディスク容量が不足している場合など)。

tcpdump: illegal char '<character>'

無効な<character>が指定されました。

tcpdump: illegal qualifier of 'port'

不正なport条件が指定されました。

tcpdump: illegal token: <token>

無効な<token>が指定されました。

tcpdump: inbound/outbound not supported on linktype <linktype number>

<linktype number>のlinktypeでは,inbound/outbound指定はサポートしていません。

tcpdump: invalid ip6 address <address>

IPv6アドレス<address>は無効です。

tcpdump: invalid packet count <count>

<count>値が無効です。

tcpdump: invalid qualifier against IPv6 address

IPv6アドレスに対して無効な修飾子が指定されました。

tcpdump: invalid snaplen <snaplen>

<snaplen>値が無効です。

tcpdump: link layer applied in wrong context

指定したリンクレイヤに適用するフィルタ条件<expression>の文法が不正です。

tcpdump: link-layer multicast filters supported only on ethernet

指定したインタフェースでは,ether multicast指定はサポートしていません(ipかip6の前置をしないでmulticastを指定した場合も,ether multicastと同様に動作します)。

tcpdump: listening on <interface name>

インタフェース<interface name>をモニタ中です。

<interface name>:指定したインタフェースに付与するインタフェース名

tcpdump: mask length must be <= <length>

マスク長は<length>以下でなければなりません。

tcpdump: Mask syntax for networks only

マスクの指定はnet修飾子でだけ可能です。

tcpdump: no VLAN support for data link type <linktype number>

<linktype number>のlinktypeでは,VLAN指定はサポートしていません。

tcpdump: non-network bits set in "<address>"

ホストビットが0でない<address>が指定されました。

tcpdump: only link-layer/IP broadcast filters supported

broadcastを指定するときは,ipを前置してください。

tcpdump: pcap_loop: bogus savefile header

不正なファイルヘッダです。

tcpdump: pcap_loop: error reading dump file: Operation not permitted

ファイルが読み込みできません(不正なファイルを指定した場合など)。

tcpdump: pcap_loop: error reading dump file: Undefined error: 0

ファイルが異常です(異常に短いファイルを指定した場合など)。

tcpdump: pcap_loop: truncated dump file; tried to read <bytes1> captured bytes, only got <bytes2>.

読み込んだファイルは,途中で切り捨てられています。<bytes1>バイトキャプチャされていますが,<bytes2>バイトしかありません。

tcpdump: pcap_loop: truncated dump file; tried to read <bytes1> header bytes, only got <bytes2>.

読み込んだファイルは,途中で切り捨てられています。<bytes1>バイトのヘッダですが,<bytes2>バイトしかありません。

tcpdump: port '<port>' is <protocol>

ポート指定<port>は<protocol>プロトコルです。

tcpdump: syntax error

指定したフィルタ条件<expression>の文法が不正です。

tcpdump: syntax error in filter expression

指定したフィルタ条件<expression>の文法が不正です。

tcpdump: That device is not up

無効なインタフェースが指定されました。終了します。

tcpdump: truncated dump file; tried to read <bytes1> file header bytes, only got <bytes2>.

読み込んだファイルは途中で切り捨てられています。<bytes1>バイトのファイルヘッダが,<bytes2>バイトしかありません。

tcpdump: unknown ether proto '<protocol>'

指定したフィルタ条件<expression>のprotocol名<protocol>は指定できません。

tcpdump: unknown file format

不正なファイル形式です。

tcpdump: unknown host '<host>'

未知のホスト名<host>が指定されました。アドレスで表記してください。

tcpdump: unknown host '<host>' for specified address family

指定したアドレスファミリでは,ホスト<host>はアドレス解決できません。

tcpdump: unknown ip proto '<protocol>'

指定したフィルタ条件<expression>のprotocol名<protocol>は指定できません。protocol番号で指定してください。

tcpdump: unknown network '<network>'

未知のネットワーク名<network>が指定されました。アドレスで表記してください。

tcpdump: unknown osi proto '<protocol>'

不明なosiプロトコル<protocol>が指定されました。

tcpdump: unknown port '<port>'

指定したフィルタ条件<expression>のport名<port>は指定できません。ポート番号で指定してください。

tcpdump: unknown protocol: <protocol>

不明なプロトコル<protocol>が指定されました。

tcpdump: WARNING: no IPv4 address assigned

IPv4アドレスが割り当てられていない場合に表示されます。

tcpdump: WARNING: SIOCGIFADDR: Operation not permitted

無効なインタフェースが指定されました。

The command cannot be executed. Try again.

コマンドを実行できません。再実行してください。

The command is not authorized by the RADIUS/TACACS+ server or the configuration.

このコマンドはRADIUSサーバ,TACACS+サーバ,またはコンフィグレーションで承認されていません。

The specified interface does not exist.

指定したインタフェースは存在しません。指定パラメータを確認して再実行してください。

The specified interface type is incorrect.

指定した<interface type>が不正です。指定パラメータを確認して再実行してください。

[注意事項]

  1. ループバックインタフェースを指定した場合,null/loopbackヘッダ部分の情報には,アドレスファミリ(IP/IP6/ARP)が表示されます。

  2. null/loopbackヘッダ長は4バイトです。<snaplen>設定を4バイトより小さくした場合,[|null]と表示されます。

  3. no-resolvパラメータを指定しない場合,DNSリゾルバ設定に問題があると,モニタ状況の表示に時間が掛かります。

  4. トラフィック量が多いときは,モニタしきれないでパケットを取りこぼすことがあります(終了後にpackets dropped by kernelがカウント表示されます)。その場合は<expression>を設定して,必要なパケットだけをモニタしてください。

  5. addinfoパラメータ指定時,一部のパケットのポート番号が表示されません。その場合はハイフン(-)が表示されます。

  6. writefile <file name> (-w <file name>)パラメータを指定してファイルを取得したときと,readfile <file name> (-r <file name>)パラメータを指定してファイルを読み込ませたときで,コンフィグレーションコマンドdot1q ethertypeまたはdot1q-ethertypeの設定が異なると,Taggedフレームと認識できないでパケットの表示が16進表示になることがあります。

  7. 動作中のリングで送受信するRing Protocol制御フレームは,BCU-CPUで送受信しないため,本コマンドを実行してもモニタ結果には表示されません。動作中のリングで使用するRing Protocol制御フレームの送受信状況を確認する場合は,show axrpコマンドを実行してください。