運用コマンドレファレンス Vol.1


show tech-support

テクニカルサポートが必要とするハードウェアおよびソフトウェアの状態を示す情報を採取します。

[入力形式]

show tech-support [ftp] [page] [password <password>] [no-config] [basic]

[入力モード]

一般ユーザモードおよび装置管理者モード

[パラメータ]

ftp

採取した情報のテキストファイルと内蔵フラッシュメモリ上に存在するダンプファイルおよびコアファイルをリモートのFTPサーバに保存します。ダンプファイルおよびコアファイルは一つのバイナリファイルに結合されます。また,採取した情報はコンソール端末画面に出力しません。

コマンド実行時は,応答メッセージに従ってFTPサーバとの接続情報を入力してください。

本パラメータ省略時の動作

採取した情報をコンソール端末画面に出力します。

page

採取した情報をコンソール端末画面に1ページ分だけ表示します。またスペースキーを押下すると次の1ページ分の情報を表示し,[Enter]キーを押下すると次の1行分の情報を表示します。なお,ftpパラメータ指定時は本パラメータの機能は無効になります。

本パラメータ省略時の動作

1ページごとに表示が停止しません。

password <password>

装置管理者モードのパスワードが設定されている場合に,そのパスワードを入力します。パスワードに特殊文字が含まれる場合は,パスワードをダブルクォート(")で囲む必要があります。また,装置管理者モードのパスワードが設定されていない場合は省略できます。

誤ったパスワードを指定すると,show running-configコマンドなどの装置管理者モード専用のコマンドの実行結果は採取しません。

なお,本パラメータを指定してコマンドを実行すると,パスワード情報が運用ログに記録されるので注意してください。

本パラメータ省略時の動作

パスワードを指定しません。装置管理者モードのパスワードが設定されている状態で本パラメータを省略した場合は,パスワードの入力を求められます。

no-config

コンフィグレーションを採取しません。

本パラメータ省略時の動作

コンフィグレーションが採取されます。

basic

装置の基本情報および統計情報だけを採取します。

本パラメータ省略時の動作

すべての情報を採取します。

すべてのパラメータ省略時の動作

個々の「本パラメータ省略時の動作」に記載の動作になります。

[実行例]

ハードウェアおよびソフトウェアの状態を示すすべての情報を採取します。

図11‒10 採取した情報をコンソール端末画面に表示
> show tech-support
########## Tech-Support Log ##########
Wed Apr 10 05:07:20 UTC 20XX
 
########## show version ##########
Date 20XX/04/10 05:07:20 UTC
Model: AX-8600-S16 [AX8616S, AB086AA30000S0001CBK04A]
BCU1: AX-F8600-31S [BCU-1S, AA086AB01000S8001C7Y019]
      AX-P8600-S2, OS-SE, Ver.12.6
      BCU-CPU:           Ver.12.6
      BCU-CPU Boot ROM:  Ver.1.1.0
      PA:                Ver.12.6
      PA Boot ROM:       Ver.2.1.15
      HDC:               Ver.2.22
      HDC2:              Ver.4.0
BCU2: notconnect
 
               :
               :
               :
 
########## End of show version ##########
 
               :
               :
               :
 
Wed Apr 10 05:16:35 UTC 20XX
########## End of Tech-Support Log ##########
>
図11‒11 採取した情報と内蔵フラッシュメモリ上のダンプファイルおよびコアファイルを,ファイル名"support"でFTPサーバに保存
> show tech-support ftp
Enter the host name of the FTP server.             : ftpserver.example.com
Enter the user name for the FTP server connection. : user1
Enter the password for the FTP server connection.  : <password>
Enter the path name of the FTP server.             : /usr/home/user1
Enter the file name for the log and dump files.    : support
Do you want to check and extract dump files on the standby system? (y/n): y
Mon Dec 31 12:00:00 UTC 20XX
Transferred support.txt .
Executing................................
File transfer ended successfully.
########## Dump files' Information ##########
***** ls -l /dump0 *****
total 4568
-rwxrwxrwx  1 root  wheel  4677464 Dec 18 21:16:16 20XX bcu01.000
***** ls -l /usr/var/hardware *****
total 1368
-rwxrwxrwx  1 root  wheel  1002811 Dec 27 11:56:16 20XX nif05.000
***** ls -l /standby/dump0 *****
***** ls -l /standby/usr/var/hardware/ *****
########## End of Dump files' Information ##########
########## Core files' Information ##########
***** ls -l /usr/var/core *****
***** ls -l /standby/usr/var/core *****
No Core files
########## End of Core files' Information ##########
Transferred support.tgz .
Executing...
File transfer ended successfully.
>

[表示説明]

表11‒25 show tech-supportコマンドの表示内容

表示項目

表示内容

########## <information type> ##########

採取した情報種別ごとの先頭部分を示すメッセージ

<information type>:情報種別

情報種別の内容は次のとおりです。

  • Dump files' Information:存在するダンプファイルの一覧

  • Core files' Information:存在するコアファイルの一覧

  • Tech-Support Log:ハードウェアおよびソフトウェアの状態を示すすべての情報

  • Tech-Support Basic Log:装置の基本情報および統計情報

########## End of <information type> ##########

採取した情報種別ごとの終了部分を示すメッセージ

<information type>:情報種別

########## <command name> ##########

情報採取のために実行したコマンドの実行結果の先頭部分を示すメッセージ

<command name>:コマンド名

########## End of <command name> ##########

情報採取のために実行したコマンドの実行結果の終了部分を示すメッセージ

<command name>:コマンド名

[通信への影響]

なし

[応答メッセージ]

表11‒26 show tech-supportコマンドの応答メッセージ一覧

メッセージ

内容

Another user is using the 'show tech-support' command. Wait a while, and then try again.

ほかのユーザがshow tech-supportコマンドを実行中です。

Do you want to check and extract dump files on the standby system? (y/n):

待機系のダンプファイルの確認と採取をしますか?

"y"を選択すると待機系のダンプファイル,コアファイルの存在を確認してFTPサーバに保存します。"n"を選択すると運用系のダンプファイル,コアファイルだけをFTPサーバに保存します。

Do you want to retype a password? (y/n):

装置管理者モードのパスワードを再入力しますか?

"y"を選択すると再入力できます。"n"を選択するとパスワード誤入力の状態でコマンドを続行します。

Enter the file name for the log and dump files. :

ログファイルおよびダンプファイル共通のファイル名を入力してください。ファイル名には,英数字とハイフン(-),アンダースコア(_),ピリオド(.)が使用できます。ただし,ピリオドで終了するファイル名は指定できません。また,空白やタブを含むファイル名を入力すると,再入力が必要になります。なお,ファイル名を省略すると,コマンド実行日時を使用した14桁の数字がファイル名となります。

ここで指定したファイル名に対して,ログファイルには".txt"を,ダンプファイルには".tgz"を付けてFTPサーバに保存します。また,ダンプファイルは一つのファイルにまとめて保存します。

Enter the host name of the FTP server. :

ホスト名またはIPv4/IPv6アドレスを入力してください。ホスト名には,1文字目は英字,2文字目以降は英数字とハイフン(-),ピリオド(.)が使用できます。また,空白やタブを含むホスト名を入力すると,再入力が必要になります。IPv6アドレスには,IPv6グローバルアドレスだけが使用できます。

Enter the password for the administrator mode. :

装置管理者モードのパスワードを入力してください。

Enter the password for the FTP server connection. :

応答メッセージ"Enter the user name for the FTP server connection. :"で指定したログインユーザのパスワードを入力してください。パスワードには,英数字とハイフン(-),アンダースコア(_),ピリオド(.)が使用できます。

Enter the path name of the FTP server. :

ログファイルおよびダンプファイルを格納するパス名を入力してください。パス名には,英数字とハイフン(-),アンダースコア(_),ピリオド(.)が使用できます。また,ログインユーザのホームディレクトリを指定する場合は,ピリオドを1文字だけ入力してください。

Enter the user name for the FTP server connection. :

ログインユーザ名を入力してください。ログインユーザ名には,英数字とハイフン(-),アンダースコア(_),ピリオド(.)が使用できます。また,空白やタブを含むログインユーザ名を入力すると,再入力が必要になります。

File transfer ended successfully.

ファイルの転送が正常に終了しました。

The command cannot be executed. Try again.

コマンドを実行できません。再実行してください。

The command is not authorized by the RADIUS/TACACS+ server or the configuration.

このコマンドはRADIUSサーバ,TACACS+サーバ,またはコンフィグレーションで承認されていません。

The file transfer failed.

ファイルの転送に失敗しました。転送先の空き容量および通信回線の状態を確認してください。

The password for the administrator mode is invalid.

<password>パラメータで指定した装置管理者モードのパスワードが間違っています。

ftpパラメータを指定した場合は,ftpコマンドと同様のメッセージが表示されます。メッセージについては,ftpコマンドの[応答メッセージ]を参照してください。

[注意事項]

  1. ftpパラメータ指定時は,次のディレクトリに存在するダンプファイルおよびコアファイルだけがFTPサーバに保存されます。

    • ダンプファイル格納ディレクトリ

      /dump0または/usr/var/hardware

    • コアファイル格納ディレクトリ

      /usr/var/core