コンフィグレーションガイド Vol.3


26.2.4 Querierの決定

MLDルータはQuerierかNon-Querierのどちらか一方の役割を果たします。同一ネットワーク上に複数のルータが存在する場合,そのうちの一つが定期的なMLD Queryメッセージを送信するQuerierになります。

Querierを決定するには,同一ネットワーク上に存在するMLDルータから受信したMLD Queryメッセージの送信元IPv6リンクローカルアドレスと自インタフェースのIPv6リンクローカルアドレスを比較します。自インタフェースの方が小さければQuerierとして動作します。自インタフェースの方が大きければNon-Querierとなり,MLD Queryメッセージは送信しません。この動作によって同一ネットワーク上にはQuerierは一つだけ存在することになります。QuerierとNon-Querierの決定を次の図に示します。

図26‒4 QuerierとNon-Querierの決定

[図データ]

Querierになると,送信元IPv6アドレスが自インタフェースより小さいMLD Queryメッセージを受信するまでQuerierとして動作して,MLD Queryメッセージを定期的(デフォルトでは125秒)に送信します。

Non-QuerierはMLD Queryメッセージを一定時間(デフォルトでは255秒)受信しなかった場合,Querierとして動作します。

なお,インタフェースに設定されたIPv6リンクローカルアドレス以外のアドレスは,Querierの決定には影響しません。