コンフィグレーションガイド Vol.3


22.1.8 ルート・フラップ・ダンプニング

ルート・フラップ・ダンプニングは,経路情報が頻発してフラップするような場合に,一時的に該当する経路の使用を抑制してネットワークの不安定さを最小限にする機能で,BGP4とBGP4+で同じ動作です。なお,VRFでは本機能をサポートしていません。ルート・フラップ・ダンプニングの構成要素を次の表に示します。

表22‒6 ルート・フラップ・ダンプニングの構成要素

構成要素

内容

ペナルティ

該当する経路の使用を抑制または再利用するための動的制御変数。経路のフラップによって増加して,時間経過とともに減少します。ペナルティの増加はフラップ(到達不可への変化)当たり1固定で,ペナルティの減少は半減期時間に基づきます。ペナルティの最大値は次の計算式で決定します。

最大ペナルティ値=再使用値×2^(最大抑止時間/半減期時間)

抑制値

ペナルティがこの値以上の場合,該当する経路の使用を抑制します。

再使用値

ペナルティがこの値以下の場合,該当する経路の使用を開始します。

半減期時間

ペナルティが半減(50%)するために必要な時間。

最大抑止時間

経路の使用を抑止する最大時間。この値は最大ペナルティの値に到達した場合に,再使用値に達するまでの経過時間です。

ルート・フラップ・ダンプニングの概念を次の図に示します。

図22‒9 ルート・フラップ・ダンプニングの概念

[図データ]