コンフィグレーションガイド Vol.3


21.1.1 概要

IPv4のルーティングプロトコルであるBGP4は,プロバイダ間の多大な経路情報のやり取りが必要なインターネット接続に適用されるルーティングプロトコルで,階層型のネットワークの概念に基づいて作成されています。BGP4はインターネットのバックボーン上で,プロバイダ間でルーティングテーブルを交換するときに使用されます。また,イントラネットを二つ以上のISPに接続する場合に使用されます。

AS内のルータ間での経路情報の交換には,RIPやOSPFのようなIGP(Interior Gateway Protocol)を使用します。BGP4は,AS間のルーティングプロトコルであり,EGP(Exterior Gateway Protocol)の一つです。BGP4はインターネット上で使用されているすべての経路情報を扱えます。

IPv6のルーティングプロトコルとして使用するBGP4+は,BGP4をIPv4以外のプロトコルにも使用できるように拡張したものです。BGP4と同様に,インターネット上で使用されているすべての経路情報を扱えます。

BGP4とBGP4+の機能を次の表に示します。

表21‒1 BGP4とBGP4+の機能

機能

BGP4

BGP4+

EBGP,IBGPピアリング,経路配信

経路フィルタ,BGP属性変更

コミュニティ

ルート・リフレクション

コンフェデレーション

サポート機能のネゴシエーション

ルート・リフレッシュ

マルチパス

ピアグループ※1

ルート・フラップ・ダンプニング※2

BGP4 MIB※2

×

TCP MD5認証

ユニキャストルーティング高可用機能

学習経路数制限

4バイトAS番号

(凡例) ○:取り扱う ×:取り扱わない

注※1 外部ピアおよびメンバーAS間ピア同士,または内部ピア同士のグルーピングです。

注※2 VRFでは取り扱いません。