コンフィグレーションガイド Vol.3


13.10.3 グレースフル・リスタート

グレースフル・リスタートは,系切替によって運用系BCUが交替したときや,運用コマンドなどによってユニキャストルーティングプログラムが再起動したときに,隣接装置と連携して本装置を中継する通信を維持するための機能です。グレースフル・リスタートの具体的な実現方法を次に示します。

なお,グレースフル・リスタートを実施するルータのことをリスタートルータと呼びます。

本装置のグレースフル・リスタート動作手順を次の図に示します。

図13‒27 グレースフル・リスタート手順

[図データ]

  1. 系切替またはルーティングプログラムの再起動を検出すると,各プロトコルがグレースフル・リスタートを開始します。各プロトコルはグレースフル・リスタートによって再接続して,経路を学習します。

  2. グレースフル・リスタート対象の各プロトコルが経路学習を完了します。ただし,グレースフル・リスタートを開始してから,グレースフル・リスタート時の経路保留時間(コンフィグレーションコマンドrouting options graceful-restart time-limitの指定値)内に経路学習が完了しなかった場合は,経路学習を中断して,経路広告を開始します。

  3. 経路学習の完了後,グレースフル・リスタート対象の各プロトコルは経路広告を開始します。ただし,エクストラネットを使用している場合は,次の状態になってもすぐに経路広告は開始しません。30秒経過してから,各プロトコルは経路広告を開始します。

    • 各プロトコルの経路学習が完了

    • グレースフル・リスタートの経路保留時間内の経路学習がタイムアウト

  4. 各プロトコルは,経路広告を完了すると通常のプロトコル動作に戻ります。全プロトコルが経路を広告し終わった時点で,装置全体のグレースフル・リスタートが完了します。

グレースフル・リスタートの動作方式はプロトコルによって異なるため,動作条件も異なります。使用前に,各プロトコルのグレースフル・リスタート動作条件を確認してください。各プロトコルの個別機能については,次を参照してください。