コンフィグレーションガイド Vol.3


13.1.3 経路情報

本装置が取り扱う経路情報(ルーティングの対象とするアドレスの種類)を次に示します。なお,本装置はサイトローカルアドレスをグローバルアドレスと同様に扱います。

表13‒1 経路情報(IPv4)

経路情報の種類

説明

通常の経路

デフォルト経路

すべてのネットワーク宛ての経路(宛先アドレス:0.0.0.0,ネットワークマスク:0.0.0.0)。

ナチュラルマスク経路

アドレスクラスに対応したネットワークマスクの経路(ネットワークマスク:クラスA=8ビット,クラスB=16ビット,クラスC=24ビット)。

サブネット経路

特定のサブネット宛ての経路(ネットワークマスクがアドレスクラスに対応したネットワークマスクよりも長い経路)。

ホスト経路

特定のホスト宛ての経路(ネットワークマスクが32ビットの経路)。

可変長サブネットマスク

可変長サブネットマスク:VLSM(Variable Length Subnet Mask)を取り扱います。同一ネットワークアドレスで,長さの異なる複数のサブネットマスクを取り扱えます。

CIDR対応の経路

スーパーネット経路

アドレスクラスに対応したネットワークマスクより短いネットワークマスクの経路情報を取り扱えます。例えば,クラスCのネットワークアドレス192.168.8.0/24,192.168.9.0/24,192.168.10.0/24,192.168.11.0/24の経路情報を一つのスーパーネット経路192.168.8.0/22に集約して取り扱えます。

0サブネット経路

サブネット番号が0のネットワークアドレスを一つのサブネットワークとして取り扱います。例えば,クラスBのネットワークアドレス172.16.0.0/24の経路情報を取り扱えます。

-1サブネット経路

サブネット番号が-1(All'1')のネットワークアドレスを一つのサブネットワークとして取り扱います。例えば,クラスBのネットワークアドレス172.16.255.0/24の経路情報を取り扱えます。

包括的サブネット

複数の経路情報間でネットワークアドレスが包括関係にある経路を別の経路情報として取り扱います。例えば,クラスBのネットワークアドレス172.16.3.0/24と172.16.2.0/23は個々の経路情報として取り扱えます。

ルーティング対象外の経路

IPv4 this networkアドレス

宛先が0.0.0.0,マスク長が8ビット以上のネットワーク。ただし,スタティック経路としてコンフィグレーションに設定した場合,通常のスタティック経路として動作します。

ループバックアドレス

127.0.0.0/8に含まれるネットワーク。

クラスDアドレス

マルチキャストアドレス(224.0.0.0〜)。

クラスEアドレス

将来のために予約されているアドレス(240.0.0.0〜)。

制限ブロードキャストアドレス

255.255.255.255のアドレス。

表13‒2 経路情報(IPv6)

経路情報の種類

説明

通常の経路

デフォルト経路

すべてのネットワーク宛ての経路(宛先プレフィックス:::/0)。

プレフィックス長が1〜127ビットのグローバル経路

特定のネットワーク宛てのグローバル経路および複数のネットワーク宛てのグローバル経路を集約した経路。

ホスト経路

特定のホスト宛ての経路(プレフィックス長が128ビットのグローバル経路)。

ルーティング対象外の経路

リンクローカル経路

隣接装置との通信で使用する経路(プレフィックス:fe80::%インタフェース名/64)。

マルチキャストアドレス

マルチキャスト通信で使用する経路(宛先プレフィックス:ff00::/8)。

未指定アドレス

アドレスがないことを表すアドレス(宛先プレフィックス:::/128)。