コンフィグレーションガイド Vol.2


21.1.1 概要

レイヤ2ネットワークでは,ネットワーク内にループ障害が発生すると,MACアドレス学習が安定しなくなったり,装置に負荷が掛かったりして正常な通信ができない状態になります。このような状態を回避するためのプロトコルとして,スパニングツリーやRing Protocolなどがありますが,L2ループ検知は,一般的にそれらのプロトコルを動作させているコアネットワークではなく,冗長化をしていないアクセスネットワークでのループ障害を解消する機能です。

L2ループ検知は,自装置でループ障害を検知した場合,検知したポートをinactive状態にすることで,原因となっている個所をネットワークから切り離して,ネットワーク全体にループ障害が影響しないようにします。

ループ障害の基本パターンを次の図に示します。

図21‒1 ループ障害の基本パターン

[図データ]

ループ障害のパターン例
  1. 本装置Cで回線を誤接続して,ループ障害が発生している。

  2. 本装置Cより下位の本装置Eで回線を誤接続して,ループ障害が発生している。

  3. 本装置Dより下位の装置で回線を誤接続して,ループ障害が発生している。

  4. 下位装置で回線を誤接続して,コアネットワークにわたるループ障害が発生している。

L2ループ検知は,このような自装置での誤接続や他装置での誤接続など,さまざまな場所でのループ障害を検知できます。