コンフィグレーションガイド Vol.2


9.4.4 MLDクエリア機能

MLDクエリア機能は,VLAN内にマルチキャストルータがなく,マルチキャストパケットの送信者と受信者だけが存在する環境で,本装置が受信者にMLD Queryメッセージを代理で送信する機能です。

マルチキャストルータは定期的にMLD Queryメッセージを送信し,受信者からの応答を受け取ることでグループメンバの存在を確認します。マルチキャストルータがない場合,受信者からの応答がなくなるため,グループメンバを監視できません。このような場合,MLDクエリア機能を使用すれば,VLAN内にマルチキャストルータがなくてもグループメンバを監視できるため,MLD snoopingが利用できるようになります。本装置ではQueryメッセージを125秒間隔で送信します。

MLDクエリア機能を動作させるには,MLD snoopingを利用するVLANにIPv6アドレスを設定する必要があります。

VLAN内にMLD Queryメッセージを送信する装置がある場合,MLD Queryメッセージの送信元IPv6アドレスの小さい方が代表クエリアとなってMLD Queryメッセージを送信します。VLAN内のほかの装置が代表クエリアの場合,本装置はMLDクエリア機能によるMLD Queryメッセージの送信を停止します。

代表クエリアが障害などで停止すると新たに代表クエリアを選定します。VLAN内の他装置が障害などで本装置が代表クエリアに決定するとMLD Queryメッセージの送信を開始します。本装置の代表クエリアの監視時間は255秒です。

本装置で送信するMLD Queryのバージョンのデフォルト値は,MLDv1です。装置起動以降,MLD Queryのバージョンは,代表クエリアのMLDバージョンに従います。