コンフィグレーションガイド Vol.2


7.2.5 リングポートのデータ転送用VLAN

Ring Protocolでは,装置,Ring Protocolプログラム,またはリングポートが障害となった場合に,障害復旧時のループの発生を防ぐために,リングポートのデータ転送用VLAN状態をブロッキング状態にします。このブロッキング状態は,次の契機で解除します。

リングネットワーク内で複数の障害が同時に発生し,一部の障害が復旧した場合,リングネットワークは障害状態であるため,マスタノードはリングの復旧を検知しないで,フラッシュ制御フレームを送信しません。リングポートフォワーディング遷移時間を設定すると,このような場合に,設定した時間の経過後,障害から復旧したノードでリングポートのデータ転送用VLANのブロッキング状態を解除して,一部の通信を復旧できます。

リングポートフォワーディング遷移時間は,装置,Ring Protocolプログラム,またはリングポートの障害が復旧したときに設定されます。なお,マスタノードでは,リングポートフォワーディング遷移時間がタイムアウトしたときに,リング状態が障害状態の場合だけ,該当ポートのデータ転送用VLANをフォワーディング状態に変更します。

リングポートフォワーディング遷移時間中にリング状態が障害状態以外の状態に遷移した場合,リングポートフォワーディング遷移時間のタイマは解除され,該当ポートのデータ転送用VLAN状態はリング状態の遷移に応じて次に示す状態に変更されます。

リング状態が障害状態から経路切り戻し抑止状態に遷移した場合

ブロッキング状態を維持します。

リング状態が障害状態から正常状態に遷移した場合

表7‒3 復旧検出時のデータ転送用リングVLAN状態」を参照してください。

リングポートフォワーディング遷移時間中に系切替が発生した場合,新運用系BCUでリングポートフォワーディング遷移時間のタイマを再設定します。このため,データ転送用VLAN状態は,リングポートフォワーディング遷移時間の設定値より長い時間ブロッキング状態となります。また,リングポートフォワーディング遷移時間中にコンフィグレーションコマンドforwarding-shift-timeで設定値を変更した場合,変更後の設定値は,次回のリンク障害復旧時および系切替時に反映されます。