コンフィグレーションコマンドレファレンス Vol.1

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arp(スタティックARP情報)

スタティックARPテーブルを作成します。ARPをサポートしていない製品が接続されている場合,IPv4アドレスと物理アドレスの変換ができないため,あらかじめスタティックARPテーブルを作成する必要があります。最大4096エントリ設定できます。

[入力モード]

グローバルコンフィグモード

[入力形式]

情報の設定・変更
arp <Next Hop IP Address> { <Line Name> | <VLAN Name> | <LA Name> } [ mac_address <Destination MAC Address > ] [ hardware_type { ethernet | ieee802.3 } ]

情報の削除
delete arp <Next Hop IP Address>

情報の表示
show arp [ <Next Hop IP Address> ]

[サブコマンド入力形式]

なし

[モード階層]

なし

[パラメータ]

<Next Hop IP Address>
ネクストホップIPv4アドレスを指定します。

{ <Line Name> | <VLAN Name> | <LA Name> }
lineコマンド,vlanコマンドで設定したインタフェース名を指定してください。

Line Name:イーサネットのLine名称を指定します。

VLAN Name:
Tag-VLAN連携回線名称を指定します。
VLAN名称を指定します。

LA Name:リンクアグリゲーション名称を指定します。
以下のmac_address, hardware_typeはNIFがイーサネットの場合にだけ指定します。

mac_address <Destination MAC Address>
接続先MACアドレス(キャノニカル・フォーマット)を指定します。
ただし,マルチキャストMACアドレス(先頭バイトの最下位ビットが1のアドレス)は設定できません。

hardware_type { ethernet | ieee802.3 }
ハードウェアタイプを指定します。

ethernet:イーサネットを指定します。

ieee802.3:IEEE802.3を指定します。
  1. 本パラメータ省略時の初期値
    ethernet
  2. 値の設定範囲
    なし

[サブコマンド]

なし

[入力例]

  1. 情報の設定
    • Ethernetの場合

    インタフェース名:Department1の各パラメータを設定します。
    (ネクストホップIPv4アドレスは123.10.1.1,接続先MACアドレスは00:11:22:33:44:55)
     
    (config)# line Department1 ethernet 0/0
    [line Department1]
    (config)# type 10m_Ethernet
    [line Department1]
    (config)# ip 123.19.1.19 mask 255.255.255.0
    [line Department1]
    (config)# exit
    (config)# arp 123.10.1.1 Department1 mac_address 00:11:22:33:44:55
    (config)# show arp 123.10.1.1
    arp 123.10.1.1 Department1 mac_address 00:11:22:33:44:55
    (config)# 
     
  2. 情報の変更
    • 接続先MACアドレスの変更
      接続先MACアドレスを「00:11:22:33:44:55」から「00:00:11:22:33:44」に変更します。
     
    (config)# show arp 123.10.1.1
    arp 123.10.1.1 Department1 mac_address 00:11:22:33:44:55
    (config)# arp 123.10.1.1 Department1 mac_address 00:00:11:22:33:44
    (config)# show arp 123.10.1.1
    arp 123.10.1.1 Department1 mac_address 00:00:11:22:33:44
    (config)# 
     
    • ハードウェアタイプの変更
      ハードウェアタイプを「ethernet」から「ieee802.3」に変更します。
     
    (config)# show arp 123.10.1.1
    arp 123.10.1.1 Department1 mac_address 00:00:11:22:33:44
    (config)# arp 123.10.1.1 Department1 hardware_type ieee802.3
    (config)# show arp 123.10.1.1
    arp 123.10.1.1 Department1 mac_address 00:00:11:22:33:44 hardware_type ieee802.3
    (config)# 
     
  3. 設定情報の表示
    • すべての表示
      設定されたすべてのarp情報を表示します。
     
    (config)# show arp
    arp 123.10.1.1 Department1 mac_address 00:00:11:22:33:44 hardware_type ieee802.3
    !
    arp 123.20.1.1 TokyoNagoyaD
    !
    arp 123.30.1.1 TokyoOsakaV
    (config)# 
     
    • 任意の表示
      設定された任意のネクストホップIPv4アドレスのarp情報を表示します。
     
    (config)# show arp 123.20.1.1
    arp 123.20.1.1 TokyoNagoyaD
    (config)# 
     
  4. 設定情報の削除
    設定されたIPv4アドレスのarp情報を削除します。
     
    (config)# delete arp 123.20.1.1
    (config)# show arp 123.20.1.1
    no such show arp 123.20.1.1
    (config)# 
     
  5. 情報の削除
    設定されたIPv4アドレスのハードウェアタイプ情報を削除します。
     
    (config)# show arp
    arp 123.10.1.1 Department1 mac_address 00:00:11:22:33:44 hardware_type ieee802.3
    !
    arp 123.30.1.1 TokyoOsakaV
    (config)# delete arp 123.10.1.1 Department1 hardware_type
    (config)# show arp 123.10.1.1
    arp  123.10.1.1 Department1 mac_address 00:00:11:22:33:44
    (config)# 
     

[関連コマンド]

line(Line情報),ip(IP情報)

[注意事項]

  1. 装置当たりの最大スタティックARPの登録数は,4096エントリです。
  2. IPルーティングプロトコル情報,IPマルチキャストルーティングプロトコル情報の変更を行い,applyコマンドを実行していない場合,本コマンドを入力するとコマンドの実行前にapplyコマンドを自動で実行し,変更したIPルーティングプロトコル情報,IPマルチキャストルーティングプロトコル情報が運用に反映されます。
  3. スタティックARPを使用して本装置と直接接続した端末と通信を行う際に,当該インタフェースのMTU長を変更しても,通信には変更前のMTU長が使用されます。当該インタフェースに関連するスタティックARPをいったん削除し,再設定することで,現在のMTU長を使用した通信が行われます。

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