コンフィグレーションコマンドレファレンス Vol.1

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ip(lineモード(POSほか))【AX7800S】

lineモード(POS,AUX)で,IPv4情報,IPv6情報に関する設定を行います。

ただし,AUXインタフェースには自IPv4アドレスと接続先IPv4アドレス以外の設定はできません。

マルチホームで二つ目以降のIPアドレスを設定する場合は,ip-addressコマンドを使用してください。

[入力モード]

lineモード(POS,AUX)

[入力形式]

情報の設定

IPv4情報:
ip <IP Address_own> {mask <Subnet Mask> | masklen <Subnet Mask Bit Length> | /<SubnetMask Bit Length>} [{directbroad_forward_off | directbroad_forward}] destination_ip_address <IP Address>
ip {source_route_option_forward_off | source_route_option_forward}
ip {subnetbroad_forward_off | subnetbroad_forward}
ip multicast_ttl <TTL>
ip mtu <Byte>

IPv6情報:
ip {<IPv6 Address_own> | <IPv6 Prefix>} [{prefixlen <Prefixlen> | /<Prefixlen>}] destination_ip_address <IPv6 Address>
ip linklocal
ip mtu <Byte>

情報の変更

IPv4情報:
ip <IP Address_own> [{mask <Subnet Mask> | masklen <Subnet Mask Bit Length> | /<SubnetMask Bit Length>}] [{directbroad_forward_off | directbroad_forward}] destination_ip_address <IP Address>
ip {source_route_option_forward_off | source_route_option_forward}
ip {subnetbroad_forward_off | subnetbroad_forward}
ip multicast_ttl <TTL>
ip mtu <Byte>

IPv6情報:
ip {<IPv6 Address_own> | <IPv6 Prefix>} [{prefixlen <Prefixlen> | /<Prefixlen>}] destination_ip_address <IPv6 Address>
ip linklocal
ip mtu <Byte>

情報の削除
情報の削除方法は,IPv4情報,IPv6情報で共通です。
delete ip [{<IP Address_own> | { <IPv6 Address_own> | <IPv6 Prefix> | linklocal}}]
delete -r ip

情報の表示
情報の表示方法は,IPv4情報,IPv6情報で共通です。
show [-r] ip

[サブコマンド入力形式]

なし

[モード階層]

なし

[パラメータ]

<IP Address_own>
当該インタフェースの自IPv4アドレスを指定します。
  1. 本パラメータ省略時の初期値
    なし(省略不可)
  2. 値の設定範囲
    IPv4アドレスをドット記法で指定します。
  3. 本パラメータに関する注意事項
    共用アドレスインタフェースとして使用する場合,当該インタフェースの自IPv4アドレスには,本装置のイーサネット側インタフェースに設定したIPv4アドレスと同一のアドレスを指定してください。
    共用アドレスインタフェースについては,「解説書 Vol.1 12.2.4 共用アドレスインタフェース」を参照してください。

{mask <Subnet Mask> | masklen <Subnet Mask Bit Length> | /<Subnet Mask Bit Length>}
自IPv4アドレスのサブネットマスクを指定します。
  1. 本パラメータ省略時の初期値
    なし(省略不可)
  2. 値の設定範囲
    <Subnet Mask>に128.0.0.0〜255.255.255.255を指定します。
    <Subnet Mask Bit Length>に1〜32を指定します。
  3. 本パラメータに関する注意事項
    ・PPP接続インタフェースの場合,対向装置とのダイレクト経路は,本パラメータの設定値にかかわらずサブネットマスク長32のホスト経路として生成されます。ただし,ルーティングプロトコルの経路情報では本パラメータで設定した値が使用されます。ダイレクト経路の経路情報については,「解説書 Vol.1 12.2.2 直結経路の取り扱い」を参照してください。
    ・共用アドレスインタフェースとして使用する場合,サブネットマスクに255.255.255.255,またはサブネットマスク長に32を指定してください。共用アドレスインタフェースについては,「解説書 Vol.1 12.2.4 共用アドレスインタフェース」を参照してください。

{<IPv6 Address_own> | <IPv6 Prefix>}
当該インタフェースの自IPv6アドレスを指定します。
  1. 本パラメータ省略時の初期値
    なし(省略不可)
  2. 値の設定範囲
    <IPv6 Address_own>:
    IPv6グローバルアドレスまたはIPv6リンクローカルアドレスをコロン記法で指定します。
    <IPv6 Prefix>:
    IPv6グローバルアドレスのインタフェース-ID部(下位64ビット)がすべて0のIPv6プレフィックス形式をコロン記法で指定します。
  3. 本パラメータに関する注意事項
    ・自IPv6アドレスを自動生成する場合は<IPv6 Prefix>パラメータを指定してください。なお,指定したプレフィックス+自動生成されたインタフェース-IDが当該インタフェースのIPv6アドレスとなります。
    ・自動生成されたIPv6アドレスは,運用コマンドのshow ipv6 interfaceまたはshow ip-dual interfaceで確認できます。

{prefixlen <Prefixlen> | /<Prefixlen>}
自IPv6アドレスのプレフィックス長を指定します。
  1. 本パラメータ省略時の初期値
    64
  2. 値の設定範囲
    <prefixlen>に1〜128を指定します。
  3. 本パラメータに関する注意事項
    ・PPP接続インタフェースの場合,対向装置とのダイレクト経路は,本パラメータの設定値にかかわらずプレフィックス長128のホスト経路として生成されます。ただし,ルーティングプロトコルの経路情報では本パラメータで設定した値が使用されます。ダイレクト経路の経路情報については,「解説書 Vol.1 12.2.2 直結経路の取り扱い」を参照してください。
    ・<IPv6 Address_own>パラメータでIPv6リンクローカルアドレスを指定した場合や,<IPv6 Prefix>パラメータでIPv6プレフィックス形式を指定した場合は,本パラメータの値に64以外を指定できません。

linklocal
インタフェースにIPv6リンクローカルアドレスだけを設定する場合で,かつそのIPv6リンクローカルアドレスを自動生成する場合に指定します。
  1. 本パラメータに関する注意事項
    ・本パラメータを指定すると,IPv6リンクローカルスコープのプレフィックス,プレフィックス長64を指定したことと等価となります。
    ・自動生成されたIPv6リンクローカルアドレスは,運用コマンドのshow ipv6 interfaceまたはshow ip-dual interfaceで確認できます。

destination_ip_address {<IP Address> | <IPv6 Address>}
自IPv4アドレスまたは自IPv6アドレスに対する,接続先IPv4アドレスまたは接続先IPv6アドレスを指定します。
  1. 本パラメータ省略時の初期値
    <IP Address>:
    なし(省略不可)
    <IPv6 Address>:
    なし(省略不可)
  2. 値の設定範囲
    <IP Address>:
    IPv4アドレスをドット記法で指定します。
    <IPv6 Address>:
    IPv6グローバルアドレスまたはIPv6リンクローカルアドレスをコロン記法で指定します。
  3. 本パラメータに関する注意事項
    IPv6の場合,一つの自IPv6アドレスに対して必ず一つの接続先IPv6アドレスが必要です。例えば,一つのインタフェースにマルチホーム設定を行って三つのIPv6アドレスを割り当てた場合,同数の接続先IPv6アドレスが必要になります。

{source_route_option_forward_off | source_route_option_forward}
当該インタフェースを入力側とするソースルートオプション付きIPv4パケットの中継可否を指定します。

source_route_option_forward_off:
ソースルートオプション付きIPv4パケットを中継しません。

source_route_option_forward:
ソースルートオプション付きIPv4パケットを中継します。
  1. 本パラメータ省略時の初期値
    source_route_option_forward
  2. 値の設定範囲
    なし

{subnetbroad_forward_off | subnetbroad_forward}
IP中継で直接接続するネットワークまたはサブネットワークのブロードキャスト(以下,ダイレクトブロードキャスト)パケットに対する中継可否を指定します。
ダイレクトブロードキャストパケットに対して入力側インタフェースで中継可否を決定する場合に使用します。本パラメータで指定した値は,当該インタフェースを入力側とするすべてのダイレクトブロードキャストパケットに対して有効になります。
ダイレクトブロードキャストについては,「解説書 Vol.1 11.5.2 ブロードキャストパケットの中継方法」を参照してください。

subnetbroad_forward_off:IPv4ダイレクトブロードキャストパケットを中継しません。

subnetbroad_forward:IPv4ダイレクトブロードキャストパケットを中継します。
  1. 本パラメータ省略時の初期値
    subnetbroad_forward_off
  2. 値の設定範囲
    なし
  3. 本パラメータに関する注意事項
    directbroad_forwardパラメータを設定している場合は,本パラメータの設定値にかかわらずdirectbroad_forwardパラメータの設定値に従って中継可否を決定します。

{directbroad_forward_off | directbroad_forward}
当該インタフェースから出力されるダイレクトブロードキャストパケットに対する中継可否を指定します。
本パラメータは各インタフェースの自IPv4アドレス単位に設定でき,当該インタフェースのサブネットごとにダイレクトブロードキャスト中継の可否を設定できます。
ダイレクトブロードキャストについては,「解説書 Vol.1 11.5.2 ブロードキャストパケットの中継方法」を参照してください。

directbroad_forward_off:IPv4ダイレクトブロードキャストパケットを中継しません。

directbroad_forward:IPv4ダイレクトブロードキャストパケットを中継します。
  1. 本パラメータ省略時の初期値
    directbroad_forward_off
  2. 値の設定範囲
    なし
  3. 本パラメータに関する注意事項
    本パラメータで明示的にダイレクトブロードキャストパケットの中継可否を指定した場合は,ダイレクトブロードキャストパケットの入力側インタフェースに設定したsubnetbroad_forwardパラメータの値にかかわらず,本パラメータの設定値に従って中継可否を決定します。

multicast_ttl <TTL>【OP-MLT】
当該インタフェースから出力されるIPv4マルチキャストデータパケットに対して,TTL(Time-To-Live)値によってIP中継を制限する場合に指定します。
IPv4マルチキャストデータパケット中継時にIPv4ヘッダ内のTTL値が本装置によって減算され,減算後のTTL値が本パラメータで指定した値以下であればパケットを廃棄します。
  1. 本パラメータ省略時の初期値
    0
  2. 値の設定範囲
    <TTL>に0〜255を指定します。
  3. 本パラメータに関する注意事項
    <TTL>に0を指定した場合,TTL値によるIPv4マルチキャストデータパケットの中継可否機能は無効になります。

mtu <Byte>
当該インタフェースの送信IP MTU長をバイト単位で指定します。
  1. 本パラメータ省略時の初期値
    POSの場合はPPP接続された対向装置とのネゴシエーションによって決定されたMRU長がIP MTU長になります。
  2. 値の設定範囲
    <Byte>に128〜9216を指定します。
  3. 本パラメータに関する注意事項
    IPv6インタフェースを使用する場合は,<Byte>に1280以上を指定してください。

-r
指定されたインタフェース名に関するすべてのコンフィグレーションに適用されます。

[サブコマンド]

なし

[入力例]

  1. 情報の設定
    インタフェースTokyoOsakaを定義後にPPPの設定を行います。IPv4アドレス192.168.0.1とサブネットマスク255.255.255.0,接続先IPv4アドレスに192.168.0.2を設定し,このIPv4インタフェースから受信したダイレクトブロードキャストパケットを廃棄するようにします。また,IPv6アドレス3ffe:501:1::1とプレフィックス長64,接続先IPv6アドレス3ffe:501:1::2を設定します。
     
    (config)# line TokyoOsaka oc192pos 0/0
    [line TokyoOsaka]
    (config)# ppp
    [line TokyoOsaka]
    (config)# ip 192.168.0.1 mask 255.255.255.0 destination_ip_address 192.168.0.2
    [line TokyoOsaka]
    (config)# ip subnetbroad_forward_off
    [line TokyoOsaka]
    (config)# ip 3ffe:501:1::1/64 destination_ip_address 3ffe:501:1::2
    [line TokyoOsaka]
    (config)#
     
  2. 情報の変更
    インタフェース名TokyoOsakaの自IPv4アドレスを192.168.0.1から150.2.90.3へ,サブネットマスクを255.255.255.0から255.255.0.0へと変更します。また,あわせて接続先IPv4アドレスも150.2.51.1へと変更します。
     
    [line TokyoOsaka]
    (config)# ip 150.2.90.3 mask 255.255.0.0 destination_ip_address 150.2.51.1
    [line TokyoOsaka]
    (config)#
     
  3. 設定情報の表示
    インタフェース名TokyoOsakaに設定されたすべてのIP情報を表示します。
     
    [line TokyoOsaka]
    (config)# show ip
    ip 150.2.90.3 mask 255.255.0.0 destination_ip_address 150.2.51.1
    ip 3ffe:501:1::1/64 destination_ip_address 3ffe:501:1::2
    ip subnetbroad_forward_off
    !
    [line TokyoOsaka]
    (config)#
     
  4. 情報の削除
    インタフェース名TokyoOsakaに設定されたIP情報を,パラメータごとに削除します。
    IPv6アドレス3ffe:501:1::1を削除します。
     
    [line TokyoOsaka]
    (config)# show ip
    ip 150.2.90.3 mask 255.255.0.0 destination_ip_address 150.2.51.1
    ip 3ffe:501:1::1/64 destination_ip_address 3ffe:501:1::2
    ip subnetbroad_forward_off
    !
    [line TokyoOsaka]
    (config)# delete ip 3ffe:501:1::1
    Are you sure? (y/n): y
    [line TokyoOsaka]
    (config)# show ip
    ip 150.2.90.3 mask 255.255.0.0 destination_ip_address 150.2.51.1
    ip subnetbroad_forward_off
    !
    [line TokyoOsaka]
    (config)#
     
    次に,インタフェース名TokyoOsakaに設定されたIP情報をすべて削除します。
     
    [line TokyoOsaka]
    (config)# show ip
    ip 150.2.90.3 mask 255.255.0.0 destination_ip_address 150.2.51.1
    ip subnetbroad_forward_off
    !
    [line TokyoOsaka]
    (config)# delete ip
    Are you sure? (y/n): y
    [line TokyoOsaka]
    (config)# show ip
    no such ip
    [line TokyoOsaka]
    (config)#
     

[関連コマンド]

ip-address(IP情報),line(Line情報),ppp(PPP情報)

[注意事項]

  1. IPルーティングプロトコル情報,IPマルチキャストプロトコル情報の変更を行い,applyコマンドを実行していない場合,本コマンドを入力するとコマンドの実行前にapplyコマンドを自動で実行し,変更したIPルーティングプロトコル情報,IPマルチキャストプロトコル情報が運用に反映されます。

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