コンフィグレーションコマンドレファレンス Vol.1

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instance(spanning-tree mstモード)

[入力モード]

spanning-tree mstモード

[入力形式]

情報の設定・変更
instance <MST Instance ID>
 >>移行モード:spanning-tree mst instance

情報の削除
delete instance <MST Instance ID>

情報の表示
show instance <MST Instance ID>

[サブコマンド入力形式]

サブコマンド情報の設定
instance-vlan <VLAN ID list>
bridge-priority <Bridge Priority>
port-priority <Port Priority> { <Port list> | la-id <LA ID list> }
path-cost <Path Cost> { <Port list> | la-id <LA ID list> }
max-hops <Max Hops>

サブコマンド情報の変更
bridge-priority <Bridge Priority>
port-priority <Port Priority> { <Port list> | la-id <LA ID list> }
path-cost <Path Cost> { <Port list> | la-id <LA ID list> }
max-hops <Max Hops>

サブコマンド情報の削除
delete instance-vlan <VLAN ID list>
delete bridge-priority
delete port-priority { <Port list> | la-id <LA ID list> }
delete path-cost { <Port list> | la-id <LA ID list> }
delete max-hops

[モード階層]

spanning-tree mst
 └─ spanning-tree mst instance

[パラメータ]

<MST Instance ID>
マルチスパニングツリーで運用するMSTインスタンス番号を設定します。
  1. 本パラメータ省略時の初期値
    なし
  2. 値の設定範囲
    0〜4095
  3. 本パラメータ使用時の注意事項
    ・MSTインスタンス番号0は,定義の有無にかかわらずMSTインスタンスとして常に存在します。
    ・設定できるMSTインスタンス数は,最大16個です。MSTインスタンス番号0として,定義の有無にかかわらず1個消費します。

[サブコマンド]

instance-vlan <VLAN ID list>
MSTインスタンスに所属するVLANを指定します。

【”-”または”,”による範囲指定】
範囲内のすべてのVLAN IDを指定したことと同じ意味になります。

【”*”による範囲指定】
すべての定義済みVLAN IDを指定したことと同じ意味になります。
<VLAN ID list>に無効なVLANが含まれていた場合,または,他のMSTインスタンスに所属しているVLANが含まれていた場合はエラーとします。
  1. 本サブコマンド省略時の初期値
    なし
  2. 値の設定範囲
    1〜4095
  3. 本サブコマンド使用時の注意事項
    ・MSTインスタンス番号0では本サブコマンドは指定できません。MSTインスタンス番号0には,他のMSTインスタンスに属していないVLANすべてが所属します。
    ・同じMSTリージョンを構成するためには,MSTインスタンス番号と本サブコマンドで指定するVLAN ID,および,nameサブコマンドの値とrevisionサブコマンドの値をMSTリージョン内で一致させる必要があります。

bridge-priority <Bridge Priority>
MSTインスタンス内でのブリッジのブリッジ優先度を指定します。値が小さいほど,優先度が高くなります。マルチプルスパニングツリーでは4096の倍数をブリッジ優先度として使用します。
  1. 本サブコマンド省略時の初期値
    32768
  2. 値の設定範囲
    0〜61440
  3. 本サブコマンド使用時の注意事項
    ブリッジ優先度が変わることによって,トポロジ変更が発生する場合があります。

port-priority <Port Priority> { <Port list> | la-id <LA ID list> }
MSTインスタンス内でのポート優先度の値を設定します。マルチプルスパニングツリーでは16の倍数をポート優先度として使用します。

<Port Priority>
値が小さいほど優先度が高くなります。
  1. 本サブコマンド省略時の初期値
    128
  2. 値の設定範囲
    0〜240

{ <Port list> | la-id <LA ID list> }
指定したポート優先度を適用するポートおよびリンクアグリゲーションを指定します。<Port list>または<LA ID list>に無効な値が含まれていた場合,本定義をエラーとします。
【"-"または","による範囲指定】
 <Port list>
  範囲指定のすべてのポートを指定したことと同じ意味になります。
 <LA ID list>
  範囲指定のすべてのリンクアグリゲーションを指定したことと同じ意味になります。
【"*"による範囲指定】
 <Port list>
  すべてのポートを指定したことと同じ意味になります。
 <LA ID list>
  定義済みのすべてのリンクアグリゲーションを指定したことと同じ意味になります。
  1. 本サブコマンド省略時の初期値
    なし
  2. 値の設定範囲
    <Port list>
     装置に実装されているNIF番号/Line番号
    <LA ID list>
     定義済みのリンクアグリゲーションID
  3. 本サブコマンド使用時の注意事項
    ・<Port list>で指定する場合,link-aggregationコマンドのaggregated-portに指定されているポートは該当するaggregated-portすべてを同時に指定する必要があります。
    ・同一のリンクアグリゲーションを<Port list>と<LA ID list>の両方で指定できます。その場合,<Port Priority>パラメータの設定は同じである必要があります。
    ・lineコマンドでoc48posまたはoc192posを設定しているポートは指定できません。【AX7800S】

path-cost <Path Cost> { <Port list> | la-id <LA ID list> }
パスコスト値を指定します。

<Path Cost>
パスコスト値を指定します。コスト値が小さいほど,該当フレームを転送するポートとして使用される可能性が高くなります。
  1. 本サブコマンド省略時の初期値
    インタフェース速度によって,次の値を適用します。
     10Mbit/s:2,000,000
     100Mbit/s:200,000
     1Gbit/s:20,000
     10Gbit/s:2,000
  2. 値の設定範囲
    1〜200,000,000

{ <Port list> | la-id <LA ID list> }
指定したパスコスト値を適用するポートおよびリンクアグリゲーションを指定します。<Port list>または<LA ID list>に無効な値が含まれていた場合,本定義をエラーとします。
【"-"または","による範囲指定】
 <Port list>
  範囲指定のすべてのポートを指定したことと同じ意味になります。
 <LA ID list>
  範囲指定のすべてのリンクアグリゲーションを指定したことと同じ意味になります。
【"*"による範囲指定】
 <Port list>
  すべてのポートを指定したことと同じ意味になります。
 <LA ID list>
  定義済みのすべてのリンクアグリゲーションを指定したことと同じ意味になります。
  1. 本サブコマンド省略時の初期値
    なし
  2. 値の設定範囲
    <Port list>
     装置に実装されているNIF番号/Line番号
    <LA ID list>
     定義済みのリンクアグリゲーションID
  3. 本サブコマンド使用時の注意事項
    ・<Port list>で指定する場合,link-aggregationコマンドのaggregated-portに指定されているポートは該当するaggregated-portすべてを同時に指定する必要があります。
    ・同一のリンクアグリゲーションを<Port list>と<LA ID list>の両方で指定できます。その場合,<Path Cost>パラメータの設定は同じである必要があります。
    ・lineコマンドでoc48posまたはoc192posを設定しているポートは指定できません。【AX7800S】

max-hops <Max Hops>
本装置が送信するBPDUの最大ホップカウント数を指定します。
  1. 本サブコマンド省略時の初期値
    20
  2. 値の設定範囲
    2〜40

[入力例]

  1. 情報の設定
    MSTインスタンス番号10のブリッジ優先度を4096に設定し,VLAN5とVLAN20を設定します。
     
    (config)# spanning-tree mst
    [spanning-tree mst]
    (config)# instance 10
    [spanning-tree mst instance 10]
    (config)# bridge-priority 4096
    [spanning-tree mst instance 10]
    (config)# instance-vlan 5,20
    [spanning-tree mst instance 10]
    (config)# exit
    [spanning-tree mst]
    (config)# exit
    (config)#
     
  2. 情報の変更
    MSTインスタンス10のブリッジ優先度を0に変更します。
     
    (config)# spanning-tree mst
    [spanning-tree mst]
    (config)# instance 10
    [spanning-tree mst instance 10]
    (config)# bridge-priority 0
    [spanning-tree mst instance 10]
    (config)# exit
    [spanning-tree mst]
    (config)# exit
    (config)#
     
  3. 情報の表示
    設定内容を表示します。
     
    (config)# show spanning-tree mst instance 10
    spanning-tree mst
      instance 10
        instance-vlan 5,20
        bridge-priority 0
    (config)#
     
  4. 情報の削除
    MSTインスタンス10を全削除します。
     
    (config)# spanning-tree mst
    [spanning-tree mst]
    (config)# delete instance 10
    Are you sure? (y/n): y
    [spanning-tree mst]
    (config)# exit
    (config)#
     

[注意事項]

なし

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