コンフィグレーションコマンドレファレンス Vol.1
シングルスパニングツリーに関する設定をします。
[入力モード]
グローバルコンフィグモード
[入力形式]
- 情報の設定・変更
- spanning-tree single
- >>移行モード:spanning-tree single
- 情報の削除
- delete spanning-tree single
- 情報の表示
- show spanning-tree single
[サブコマンド入力形式]
- 情報の設定
- { enable | disable }
- protocol { rstp | stp }
- hello-time <Seconds>
- transmission-limit <Count>
- max-age-time <Seconds>
- forward-delay-time <Seconds>
- bridge-priority <Bridge Priority>
- path-cost-mode { long | short }
- port-priority <Port Priority> { <Port list> | la-id <LA ID list> }
- path-cost <Path Cost> { <Port list> | la-id <LA ID list> }
- 情報の変更
- { enable | disable }
- protocol { rstp | stp }
- hello-time <Seconds>
- transmission-limit <Count>
- max-age-time <Seconds>
- forward-delay-time <Seconds>
- bridge-priority <Bridge Priority>
- path-cost-mode { long | short }
- port-priority <Port Priority> { <Port list> | la-id <LA ID list> }
- path-cost <Path Cost> { <Port list> | la-id <LA ID list> }
- 情報の削除
- delete { enable | disable }
- delete protocol
- delete hello-time
- delete transmission-limit
- delete max-age-time
- delete forward-delay-time
- delete bridge-priority
- delete path-cost-mode
- delete port-priority { <Port list> | la-id <LA ID list> }
- delete path-cost { <Port list> | la-id <LA ID list> }
[モード階層]
spanning-tree single
[パラメータ]
- single
- シングルスパニングツリーのトポロジ計算を開始します。本コマンドを入力後,spanning-tree singleモードに移行します。
- 本パラメータ省略時の初期値
なし
[サブコマンド]
- { enable | disable }
- enable:
- スパニングツリーのトポロジ計算を開始します。
- disable:
- スパニングツリーのトポロジ計算を停止し,スパニングツリー未定義と同じ状態にします(すべてのポートでForward状態となります)。
- 本サブコマンド省略時の初期値
enable
- 値の設定範囲
enable,またはdisable
- protocol { rstp | stp }
- 使用するプロトコルを指定します。
- スパニングツリー運用中にプロトコルを変更した場合,スパニングツリーを再初期化します。
- rstp:IEEE802.1w
- stp:IEEE802.1D
- 本サブコマンド省略時の初期値
rstp
- 値の設定範囲
rstp,またはstp
- hello-time <Seconds>
- 本装置が定期的に送信するBPDUの送信間隔を秒単位で指定します。
- 本サブコマンド省略時の初期値
2
- 値の設定範囲
1〜10
- 本サブコマンド使用時の注意事項
1を設定すると,トポロジ変更が発生しやすくなります。
- transmission-limit <Count>
- hello-time当たりに送信できる最大BPDU数を指定します。
- protocolサブコマンドでrstp(802.1w)を指定した場合だけ有効なパラメータです。protocolサブコマンドでstp(802.1D)を指定した場合は,1秒間当たりに送信できる最大BPDU数は3固定であり,本設定値は参照しません。
- 本サブコマンド省略時の初期値
3
- 値の設定範囲
1〜10
- max-age-time <Seconds>
- 本装置が送信するBPDUの最大有効時間を秒単位で指定します。
- 本サブコマンド省略時の初期値
20
- 値の設定範囲
6〜40
- 本サブコマンド使用時の注意事項
20未満の値を設定すると,トポロジ変更が発生しやすくなります。
- forward-delay-time <Seconds>
- ポートが状態遷移に要する時間を秒単位で指定します。
- protocolサブコマンドでstp(802.1D)を指定した場合:
- リスニング状態,ラーニング状態を指定時間だけ維持します。
- protocolサブコマンドでrstp(802.1w)を指定した場合:
- ディスカーディング状態,ラーニング状態を指定時間だけ維持します。
- (ただし,タイマーによる状態遷移が発生した場合だけです)
- 本サブコマンド省略時の初期値
15
- 値の設定範囲
4〜30
- bridge-priority <Bridge Priority>
- ブリッジ優先度を指定します。値が小さいほど優先度が高くなります。
- 4096の倍数をブリッジ優先度として使用します。
- 本サブコマンド省略時の初期値
32768
- 値の設定範囲
0〜61440
- 本サブコマンド使用時の注意事項
ブリッジ優先度が変わることによって,トポロジ変更が発生する場合があります。
- path-cost-mode { long | short }
- ポートのパスコストに16bit値を使用するか,32bit値を使用するかを選択します。
- long:32bit値を使用します。
- short:16bit値を使用します。
- 本サブコマンド省略時の初期値
long
- 値の設定範囲
long,またはshort
- 本サブコマンド使用時の注意事項
・パスコストのデフォルト値が変わります。
・パスコスト値が変わることでトポロジ変更が発生する場合があります。
・パスコストに65536以上の値を設定している場合は,shortに変更することはできません。
- port-priority
- ポートおよびリンクアグリゲーションの優先度を指定します。
- 16の倍数をポート優先度として使用します。
- <Port Priority>
- ポートおよびリンクアグリゲーションの優先度を指定します。値が小さいほど優先度が高くなります。
- 本サブコマンド省略時の初期値
128
- 値の設定範囲
0〜240
- { <Port list> | la-id <LA ID list> }
- 指定したポート優先度を適用するポートおよびリンクアグリゲーションを指定します。<Port list>または<LA ID list>に無効な値が含まれていた場合,本定義をエラーとします。
- 【"-"または","による範囲指定】
- <Port list>
- 範囲指定のすべてのポートを指定したことと同じ意味になります。
- <LA ID list>
- 範囲指定のすべてのリンクアグリゲーションを指定したことと同じ意味になります。
- 【"*"による範囲指定】
- <Port list>
- すべてのポートを指定したことと同じ意味になります。
- <LA ID list>
- 定義済みのすべてのリンクアグリゲーションを指定したことと同じ意味になります。
- 本サブコマンド省略時の初期値
なし
- 値の設定範囲
<Port list>
装置に実装されているNIF番号/Line番号
<LA ID list>
定義済みのリンクアグリゲーションID
- 本サブコマンド使用時の注意事項
・<Port list>で指定する場合,link-aggregationコマンドのaggregated-portに指定されているポートは該当するaggregated-portすべてを同時に指定する必要があります。
・同一のリンクアグリゲーションを<Port list>と<LA ID list>の両方で指定できます。その場合,<Port Priority>パラメータの設定は同じである必要があります。
・lineコマンドでoc48posまたはoc192posを設定しているポートは指定できません。【AX7800S】
- path-cost
- パスコスト値を指定します。
- <Path Cost>
- パスコスト値を指定します。コスト値が小さいほど,該当するフレームを転送するポートとして使用される可能性が高くなります。
- 本サブコマンド省略時の初期値
インタフェース速度とpath-cost-modeサブコマンドによる指定によって,次の値を適用します。
【path-cost-modeサブコマンドでshortを指定した場合】
10Mbit/s:100
100Mbit/s:19
1Gbit/s:4
10Gbit/s:2
【path-cost-modeサブコマンドでlongを指定した場合】
10Mbit/s:2,000,000
100Mbit/s:200,000
1Gbit/s:20,000
10Gbit/s:2,000
- 値の設定範囲
【path-cost-modeサブコマンドでshortを指定した場合】
1〜65,535
【path-cost-modeサブコマンドでlongを指定した場合】
1〜200,000,000
- { <Port list> | la-id <LA ID list> }
- 指定したパスコスト値を適用するポートおよびリンクアグリゲーションを指定します。<Port list>または<LA ID list>に無効な値が含まれていた場合,本定義をエラーとします。
- 【"-"または","による範囲指定】
- <Port list>
- 範囲指定のすべてのポートを指定したことと同じ意味になります。
- <LA ID list>
- 範囲指定のすべてのリンクアグリゲーションを指定したことと同じ意味になります。
- 【"*"による範囲指定】
- <Port list>
- すべてのポートを指定したことと同じ意味になります。
- <LA ID list>
- 定義済みのすべてのリンクアグリゲーションを指定したことと同じ意味になります。
- 本サブコマンド省略時の初期値
なし
- 値の設定範囲
<Port list>
装置に実装されているNIF番号/Line番号
<LA ID list>
定義済みのリンクアグリゲーションID
- 本サブコマンド使用時の注意事項
・<Port list>で指定する場合,link-aggregationコマンドのaggregated-portに指定されているポートは該当するaggregated-portすべてを同時に指定する必要があります。
・同一のリンクアグリゲーションを<Port list>と<LA ID list>の両方で指定できます。その場合,<Path Cost>パラメータの設定は同じである必要があります。
・lineコマンドでoc48posまたはoc192posを設定しているポートは指定できません。【AX7800S】
[入力例]
- 情報の設定
シングルスパニングツリーを設定します。プロトコルはIEEE802.1w,パスコストモードをlongに設定します。
(config)# spanning-tree single [spanning-tree single] (config)# protocol rstp [spanning-tree single] (config)# path-cost-mode long [spanning-tree single] (config)# exit (config)#- 情報の全表示
設定内容を表示します。
(config)# show spanning-tree single spanning-tree single protocol rstp path-cost-mode long (config)#- 情報の削除
シングルスパニングツリー情報定義を削除します。
(config)# delete spanning-tree single Are you sure? (y/n): y (config)#
[関連コマンド]
spanning-tree-system(スパニングツリーシステム情報)
spanning-tree pvst+(スパニングツリー情報(pvst+))
spanning-tree mst(スパニングツリー情報(MSTP))
gsrp(GSRP情報)
gsrp-exception-port(GSRP制御対象外ポート情報)
[注意事項]
- スパニングツリー情報(MSTP)の設定がある場合,スパニングツリー情報(single)を設定できません。
- GSRP情報(gsrp,gsrp-exception-port)の設定がある場合,スパニングツリー情報(single)を設定できません。
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