運用コマンドレファレンス Vol.1
[機能]
本装置とTCP/IPで接続されているリモート運用端末との間でファイル転送をします。
[入力モード]
一般ユーザモードおよび装置管理者モード
[入力形式]
ftp [<host> [/source-interface [<src_addr>]]]
[パラメータ]
- <host>
- リモート運用端末のIPアドレスを指定します。IPアドレスとしてIPv4またはIPv6アドレスが指定できます。
- <host>なし
- ftpプロンプトを表示します。この状態ではリモート運用端末と接続されていないのでopenコマンドでコネクションを確立してください。
- /source-interface [<src_addr>]
- ftp接続の送信元IPアドレスを設定します。IPアドレスとしてIPv4またはIPv6アドレスを指定可能です。<src_addr>省略時は,ftp接続の送信元アドレスとしてコンフィグレーションのローカルアドレス情報(「コンフィグレーションコマンドレファレンス Vol.1 local-address」参照)で設定した装置アドレスが自動的に設定されます。
[実行例]
IPアドレス192.168.0.1を持つリモート運用端末にログインします。
> ftp 192.168.0.1[Enter]キー押下ftpコマンド実行後,リモート運用端末とのコネクション確立を待ちます。リモート運用端末とのコネクションが確立すると入力プロンプト(下記1.,2.)を表示します。またコネクションが確立しない場合は,コマンド入力待ち状態になります。
- ログイン名の入力
コマンドラインに下記プロンプトを表示します。リモート運用端末でのログイン名を入力して[Enter]キーを押下してください。
Name:- パスワードの入力
コマンドラインに下記プロンプトを表示します。指定したログイン名に対応するパスワードを入力して[Enter]キーを押下してください。
Password:- ファイル転送用コマンドの入力
コマンドラインに下記プロンプトを表示します。
ファイルの転送方向に応じてファイル転送用コマンドを入力して[Enter]キーを押下してください。
ftp>
ファイル転送用コマンド入力形式を下記に示します。
- get <remote-file> [<local-file>]
- リモート運用端末から本装置にファイルを転送します。local-fileを省略すると,ファイル名はリモート運用端末上のファイル名と同一になります。
- mget <remote-files>
- getするファイルが複数あるときに使用します。mget *.txtのように入力します。
- put <local-file> [<remote-file>]
- 本装置からリモート運用端末にファイルを転送します。remote-fileを省略すると,ファイル名は本装置上のファイル名と同一になります。
- mput <local-files>
- putするファイルが複数あるときに使用します。mput *.txtのように入力します。
- ファイル転送用コマンド以外のコマンドの入力
プロンプト「ftp>」が表示されているとき,get,putの他に下記に示すコマンドを実行できます。
- ascii
- ファイルの転送形式をASCIIに設定します(デフォルト)。
- binary
- ファイルの転送形式をbinaryに設定します。
- bye
- ftpを終了します。
- cd <remote-directory>
- リモート運用端末上のカレントディレクトリをremote-directoryに変更します。
- chmod <mode> <file-name>
- file-nameで指定したリモート運用端末上のファイルの属性を,modeで指定したものに変更します。
- close
- FTPセッションを終了し,コマンド入力待ちのプロンプト「ftp>」を表示します。
- delete <remote-file>
- リモート運用端末上のファイルremote-fileを削除します。
- help [<command>]
- 引数commandで指定されたコマンドのヘルプメッセージを表示します。引数が省略されたときは,使用可能なコマンドの一覧を表示します。
- lcd [<directory>]
- 本装置上のカレントディレクトリを変更します。directoryを省略した場合,ユーザのホームディレクトリに移動します。
- lols [<local-directory>]
- 本装置のlocal-directory(指定しない場合はカレントディレクトリ)の内容のリストを表示します。
- lopwd
- 本装置のカレントディレクトリを表示します。
- ls [<remote-directory>] [<local-file>]
- リモート運用端末のremote-directory(指定しない場合はカレントディレクトリ)の内容のリストを表示します。local-fileが指定された場合は表示内容がファイルに格納されます。
- mdelete [<remote-files>]
- リモート運用端末上のremote-filesを削除します。
- mkdir <directory-name>
- リモート運用端末上にディレクトリを作ります。
- open <host> [<port>]
- 指定したアドレスのFTPサーバとの接続を確立します。オプションであるポート番号が指定されると,ftpはそのポートでFTPサーバと接続することを試みます。
- prompt
- 対話モードのプロンプトのon/offを切り替えます。複数個のファイル転送をする際,このプロンプトをonにすれば,対象ファイルを個別に選択することが可能となります。offのときは,mgetまたはmputコマンドは指定ファイルを無条件に転送し,mdeleteコマンドは指定ファイルを無条件に削除します。デフォルトではonとなっています。
- pwd
- リモート運用端末のカレントディレクトリを表示します。
- quit
- byeと同じです。
- rename <from> <to>
- リモート運用端末上のファイル名をfromからtoに変更します。
- rmdir <directory-name>
- リモート運用端末のディレクトリを削除します。
- status
- ftpの現在の状態を表示します。
- verbose
- 冗長出力モードのon/offを切り替えます。冗長出力モードがonの場合には,FTPサーバからのすべての応答がユーザに対して表示されます。また,ファイルの転送が終了したときに,データ転送の統計情報が表示されます。デフォルトではonです。
- ? [<command>]
- helpと同じです。
[ユーザ通信への影響]
なし
[応答メッセージ]
ftpコマンドで表示する応答メッセージを次の表に示します。
表5-3 ftpコマンドの応答メッセージ一覧
メッセージ 内容 bind: Invalid argument 不正な送信元IPアドレスが設定されています。 connect to address <host>: Connection refused ホストから接続を拒否されました。
<host> リモートホストconnect to address <host>: Operation timed out 接続はタイムアウトしました。
<host> リモートホストTrying <host>... <host>に接続しようとしています。
<host>リモートホストConnected to <host>. <host>に接続しました。
<host>リモートホスト?Ambiguous command (指定文字が)該当するコマンドは複数あります。 ?Invalid command 指定コマンドは見つかりません。 Not connected. リモート通信はしていません。 Already connected to <host>, use close first. すでに通信相手が確立されています。他のホストに接続したい場合は(ftp)closeコマンドまたは(ftp)quitコマンドでいったん通信を止めてください。<host>リモートホストIPアドレス connect: Connection refused 接続に失敗しました。 <filename>: No such file OR directory 指定ファイルまたはディレクトリは見つかりません。<filename> 指定ファイル名またはディレクトリ名 <host>:bad port number -- <port>usage: open host-name [port] 不正なポート番号が入力されました。
<port> ポート番号<host>: Unknown host 不明なホスト名が入力されました。
<host> リモートホストIPアドレスconnect: No route to host リモートホストまでのルーティングテーブルがないため接続できません。 Login failed. ログインに失敗しました。 ?Ambiguous help command <command> (指定文字が)該当するヘルプコマンドは複数あります。<command> コマンド名 Service not available, remote server has closed connection リモートホスト側で接続を切断したためコマンドが実行できません。 No control connection for command: Bad file descriptor リモートホストとの接続が制御できなくなったためコマンドが実行できません。 connect: Operation timed out 接続はタイムアウトしました。 quit for Ctrl+Z pushed. [Ctrl+Z]キー押下によってftpコマンドを終了しました。 Not defined local address 装置IPアドレスが未定義です。 bind:Can't assign reguested address 不正な送信元IPアドレスが設定されています。 <host>: Host name lookup failure 不明なホスト名が入力されました。
<host> リモートホスト
[注意事項]
- ログイン先端末側がパスワードの設定されていないユーザIDではftpでログインできない場合があります。この場合はログイン先端末でパスワード設定後,再度ftpコマンドを実行してください。
- コマンド入力を受け付けなくなった場合は,[Ctrl+Z]を入力して終了してください。
- /source-interfaceパラメータを使用する際,接続先ホストに対してIPv4,IPv6両方のアドレスがDNSサーバに登録されている場合,IPv4での接続が優先されます。
- 本装置からIPv4ホストに対してftpログイン後にコマンドを実行すると,"500 'EPRT |1|xx.xx.xx.xx|xxxx|':command not found (xx.xx.xx.xx|xxxxは本装置のIPv4アドレス|ポート番号)"というメッセージが表示される場合がありますが,動作に影響はありません。
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