MIBレファレンス
サポートトラップおよび発行契機を次の表に示します。
coldStartトラップ以外のトラップは,装置の起動(装置電源オンまたは運用系BCUを再起動)時からcoldStartトラップの発行契機までの間は送信しません。また,coldStartトラップの発行契機前に各トラップの発行契機が発生しても,あとからcoldStartトラップと同時に各トラップの送信はしません。
表4-1 サポートトラップおよび発行契機
項番 トラップの種類 意味 発行契機 実装
有無1 coldStart 再初期化システム内のオブジェクトが変更される可能性がある 次に示す1〜5の契機で,cold start trapを発行します。
- 装置を起動(装置電源オンまたは運用系BCUを再起動)したとき。
- copy backup-configコマンドによってスタートアップコンフィグレーションファイルを変更したとき。
- IPのコンフィグレーション(config ipコマンド)を追加,削除したとき。
- 運用系BCUから待機系BCUへ系切替したとき。【AX7800R】
- set calendarコマンド,またはrdateコマンドで時間を変更したとき。
- 1の事象が発生してからログインプロンプト表示後,約5分後にトラップを送信します。
2,4は,事象が発生してから5分後にトラップを送信します。
3,5は,事象が発生時にトラップを送信します。
- IPのコンフィグレーション(config ipコマンド)の追加,削除とは,あるインタフェースに対して,初めてipを定義した場合またはipの定義を削除した場合が該当します。すでにipの定義があり,ipのパラメータを変更した場合は該当(トラップを発行)しません。
また,ip以外のコンフィグレーションの追加,削除も,cold start trapの発行契機の対象とはなりません。
- 2,3,5は,SNMPのコンフィグレーションのunlimited_coldstart_trapを設定した場合にだけcold start trapを発行します。
● 2 warmStart 再初期化システム内のオブジェクトが変更されない 次に示す1〜2の事象が発生した時点で,warm start trapを発行します。
- SNMPのコンフィグレーションを追加,変更または削除したとき。
- snmpd(MIBを応答するプログラム)を再起動したとき。
● 3 linkDown 回線障害検出 cold start trap発行後に,インタフェースの動作状態がACTIVE(通信可能状態)からDISABLE(通信不可状態)に変化したとき。 ● 4 linkUp 回線障害回復 cold start trap発行後に,インタフェースの動作状態がDISABLE(通信不可状態)からACTIVE(通信可能状態)に変化したとき。 ● 5 authenticationFailure 確認エラー 不正なコミュニティからSNMPパケットを受信したとき(認証エラー発生時)。 ● 6 egpNeighborLoss EGPプロトコルでネイバルータとのリンクが切れた − × 7 ospfVirtNbrStateChange 仮想リンクの隣接状態の遷移 仮想リンクにおいて,次に示す1〜4の隣接状態の遷移契機で発行します。ただし,仮想リンクのDown状態への遷移に伴う隣接Downでは発行しません。
- Fullになったとき(隣接関係確立)。
- ExStart以上の状態からDownに逆行したとき(Helloパケット未受信による隣接関係打ち切り)。
- FullからExStartへ逆行したとき(シーケンス不一致などによる隣接関係打ち切り)。
- FullからInitへ逆行したとき(隣接ルータから受信したHelloパケット内で,本装置を認識しなくなったことによる隣接関係打ち切り)。
● 8 ospfNbrStateChange OSPFの隣接状態の遷移 仮想リンク以外のインタフェースにおいて,次に示す1〜5の隣接状態の遷移契機で発行します。ただし,OSPFインタフェースのDown状態への遷移に伴う隣接Downでは発行しません。
- Fullになったとき(隣接関係確立)。
- ExStart以上の状態からDownに逆行したとき(Helloパケット未受信による隣接関係打ち切り)。
- FullからExStartへ逆行したとき(シーケンス不一致などによる隣接関係打ち切り)。
- Fullから2Wayへ逆行したとき(代表ルータ変更による隣接関係打ち切り)。
- FullからInitへ逆行したとき(隣接ルータから受信したHelloパケット内で,本装置を認識しなくなったことによる隣接関係打ち切り)。
● 9 ospfVirtIfStateChange 仮想リンクのインタフェース状態の遷移 次に示す1〜2のインタフェース状態の遷移契機で発行します。
- 仮想リンクがUpしたとき(仮想リンク上でOSPF動作を開始)。
- 仮想リンクがDownしたとき(通過エリアの障害や仮想リンクのコンフィグレーション削除等により,仮想リンク上でOSPF動作を停止)。
● 10 ospfIfStateChange OSPFインタフェース状態の遷移 次に示す1〜3のインタフェース状態の遷移契機で発行します。
- ポイント−ポイント型のOSPFインタフェースがUpしたとき。
- ブロードキャスト型インタフェースにおいて,DR,Backup,DROther状態になったとき(代表ルータの決定やWaitタイマーのタイムアウト等)。
- OSPFインタフェース(仮想リンク除く)がDownしたとき(物理的なダウンやOSPFインタフェースのコンフィグレーション削除等)。
● 11 ospfVirtIfConfigError 仮想リンクで受信したパケットのコンフィグレーションエラー 次に示す1〜4のエラーパケットの受信契機で発行します。
- OSPFヘッダのバージョン番号がバージョン2でない。
- 送信元がコンフィグレーションで指定した仮想リンクの隣接ルータでない。
- Helloパケットの場合,各パラメータ(HelloInterval,RouterDeadInterval)が一致していない。
- HelloパケットまたはDatabase Descriptionパケットのオプションフィールドがコンフィグレーションの定義内容と一致していない。
● 12 ospfIfConfigError OSPFインタフェースで受信したパケットのコンフィグレーションエラー 次に示す1〜5のエラーパケットの受信契機で発行します。
- OSPFヘッダのバージョン番号がバージョン2でない。
- OSPFヘッダのエリアIDがOSPFパケットを受信したインタフェースに定義されているエリアIDと一致しない。
- NBMAであるインタフェースでDRである際,未定義の相手ルータからパケットを受信したとき。
- Helloパケットの場合,各パラメータ(HelloInterval,RouterDeadInterval,ネットマスク)が一致していない。
- HelloパケットまたはDatabase Descriptionパケットのオプションフィールドがコンフィグレーションの定義内容と一致していない。
● 13 ospfVirtIfAuthFailure 仮想リンクで受信したパケットの認証エラー 仮想リンクにおいて,受信したOSPFパケットの認証方式の不一致,または認証失敗の検出契機で,発行します。 ● 14 ospfIfAuthFailure OSPFインタフェースで受信したパケットの認証エラー 仮想リンク以外のインタフェースにおいて,受信したOSPFパケットの認証方式の不一致,または認証失敗の検出契機で発行します。 ● 15 bgpEstablished
【OP-BGP】BGPリンク確立 BGPプロトコルでFSM(Finite State Machine)が,Establish状態になったとき。 ● 16 bgpBackwardTransitions
【OP-BGP】BGPリンク切断 BGPプロトコルでFSMがclosed状態になったとき。 ● 17 risingAlarm 上方閾値を超えた RMONのアラームの上方閾値を超えたとき。 ● 18 fallingAlarm 下方閾値を下回った RMONのアラームの下方閾値を下回ったとき。 ● 19 vrrpTrapNewMaster 仮想ルータのマスタ通知 仮想ルータがマスタ状態に遷移したとき。 ● 20 vrrpTrapAuthFailure VRRPパケット認証エラー
- 受信したパケットの認証タイプが異なるとき。
- 受信したパケットの認証に失敗したとき。
● 21 vrrpTrapProtoError VRRPプロトコルエラー 受信したパケットで次に示すエラーを検出したとき。
- ホップリミットエラー
- バージョンエラー
- チェックサムエラー
- VRRPIDエラー
● 22 axrOspfVirtNbrStateChange 仮想リンクの隣接状態の遷移 仮想リンクにおいて,次に示す1〜4の隣接状態の遷移契機で発行します。ただし,仮想リンクのDown状態への遷移に伴う隣接Downでは発行しません。
- Fullになったとき(隣接関係確立)。
- ExStart以上の状態からDownに逆行したとき(Helloパケット未受信による隣接関係打ち切り)。
- FullからExStartへ逆行したとき(シーケンス不一致などによる隣接関係打ち切り)。
- FullからInitへ逆行したとき(隣接ルータから受信したHelloパケット内で,本装置を認識しなくなったことによる隣接関係打ち切り)。
● 23 axrOspfNbrStateChange OSPFの隣接状態の遷移 仮想リンク以外のインタフェースにおいて,次に示す1〜5の隣接状態の遷移契機で発行します。ただし,OSPFインタフェースのDown状態への遷移に伴う隣接Downでは発行しません。
- Fullになったとき(隣接関係確立)。
- ExStart以上の状態からDownに逆行したとき(Helloパケット未受信による隣接関係打ち切り)。
- FullからExStartへ逆行したとき(シーケンス不一致などによる隣接関係打ち切り)。
- Fullから2Wayへ逆行したとき(代表ルータ変更による隣接関係打ち切り)。
- FullからInitへ逆行したとき(隣接ルータから受信したHelloパケット内で,本装置を認識しなくなったことによる隣接関係打ち切り)。
● 24 axrOspfVirtIfStateChange 仮想リンクのインタフェース状態の遷移 次に示す1〜2のインタフェース状態の遷移契機で発行します。
- 仮想リンクがUpしたとき(仮想リンク上でOSPF動作を開始)。
- 仮想リンクがDownしたとき(通過エリアの障害や仮想リンクのコンフィグレーション削除等により,仮想リンク上でOSPF動作を停止)。
● 25 axrOspfIfStateChange OSPFインタフェース状態の遷移 次に示す1〜3のインタフェース状態の遷移契機で発行します。
- ポイント−ポイント型のOSPFインタフェースがUpしたとき。
- ブロードキャスト型インタフェースにおいて,DR,Backup,DROther状態になったとき(代表ルータの決定やWaitタイマーのタイムアウト等)。
- OSPFインタフェース(仮想リンク除く)がDownしたとき(物理的なダウンやOSPFインタフェースのコンフィグレーション削除等)。
● 26 axrOspfVirtIfConfigError 仮想リンクで受信したパケットのコンフィグレーションエラー 次に示す1〜4のエラーパケットの受信契機で発行します。
- OSPFヘッダのバージョン番号がバージョン2でない。
- 送信元がコンフィグレーションで指定した仮想リンクの隣接ルータでない。
- Helloパケットの場合,各パラメータ(HelloInterval,RouterDeadInterval )が一致していない。
- HelloパケットまたはDatabase Descriptionパケットのオプションフィールドがコンフィグレーションの定義内容と一致していない。
● 27 axrOspfIfConfigError OSPFインタフェースで受信したパケットのコンフィグレーションエラー 次に示す1〜5のエラーパケットの受信契機で発行します。
- OSPFヘッダのバージョン番号がバージョン2でない。
- OSPFヘッダのエリアIDがOSPFパケットを受信したインタフェースに定義されているエリアIDと一致しない。
- NBMAであるインタフェースでDRである際,未定義の相手ルータからパケットを受信したとき。
- Helloパケットの場合,各パラメータ(HelloInterval,RouterDeadInterval,ネットマスク)が一致していない。
- HelloパケットまたはDatabase Descriptionパケットのオプションフィールドがコンフィグレーションの定義内容と一致していない。
● 28 axrOspfVirtIfAuthFailure 仮想リンクで受信したパケットの認証エラー 仮想リンクにおいて,受信したOSPFパケットの認証方式の不一致,または認証失敗の検出契機で発行します。 ● 29 axrOspfIfAuthFailure OSPFインタフェースで受信したパケットの認証エラー 仮想リンク以外のインタフェースにおいて,受信したOSPFパケットの認証方式の不一致,または認証失敗の検出契機で発行します。 ● 30 axrIsisAdjacencyChange
【OP-ISIS】IS-IS隣接ルータ状態変更
- IS-IS隣接ルータの状態が変わったとき。
- IS-IS隣接ルータが新たにできたとき。
- IS-IS隣接ルータがなくなったとき。
● 31 axrStaticGatewayStateChange スタティック経路の動的監視機能を使用しているゲートウェイの状態変更 IPv4スタティック経路の動的監視機能を使用しているゲートウェイの状態が到達不可能から到達可能へ遷移したとき,または到達可能から到達不可能へ遷移したときを契機に発行します。 ● 32 axrStaticIpv6GatewayStateChange スタティック経路の動的監視機能を使用しているゲートウェイの状態変更 IPv6スタティック経路の動的監視機能を使用しているゲートウェイの状態が到達不可能から到達可能へ遷移したとき,または到達可能から到達不可能へ遷移したときを契機に発行します。 ● 33 axrOadpNeighborCachelastChangeTrap OADP隣接ノードに関する情報が更新された。 OADP隣接ノードに関する情報が更新された場合。 ● 34 ax7800rAirFanStopTrap
【AX7800R】
ax7700rAirFanStopTrap
【AX7700R】ファンが故障した。 ファンの故障を検出した場合。 ● 35 ax7800rPowerSupplyFailureTrap
【AX7800R】
ax7700rPowerSupplyFailureTrap
【AX7700R】電源が故障した。
- 実装された電源のうちひとつでも異常が発生した場合。
- 装置から電源を抜いた場合。
● 36 ax7800rLoginSuccessTrap
【AX7800R】
ax7700rLoginSuccessTrap
【AX7700R】装置利用者がログインに成功した。 console,aux,telnet,rlogin,ftpによるログインに成功した場合。 ● 37 ax7800rLoginFailureTrap
【AX7800R】
ax7700rLoginFailureTrap
【AX7700R】装置利用者のログインが失敗した。
- console,aux,telnet,rlogin,ftp によるログインにおいて,同一セッションで3回の認証に失敗したときに1回送信する。
- リモートアクセス制限による切断や,login:またはPassword:プロンプト表示状態でのタイムアウトや強制切断時には送信しない(login:プロンプト出力状態でのEnterキーだけ入力も送信しない)。
● 38 ax7800rLogoutTrap
【AX7800R】
ax7700rLogoutTrap
【AX7700R】装置利用者がログアウトした。
- console,aux,telnet,rlogin,ftpによるログアウトが成功した場合。
● 39 ax7800rMemoryUsageTrap
【AX7800R】
ax7700rMemoryUsageTrap
【AX7700R】使用可能なメモリが少なくなった。 使用可能なメモリが下限値を下回った場合。 ● 40 ax7800rSystemMsgTrap
【AX7800R】
ax7700rSystemMsgTrap
【AX7700R】システムメッセージ出力 システムメッセージを出力したとき。 ● 41 ax7800rStandbySystemUpTrap
【AX7800R】待機系BCU正常再起動 BCU二重化装置で,Cold Start以降に待機系BCUが正常動作中であると判断したとき(運用状態がsimplexでない場合に,待機系BCUがアップしたとき,またはCSW障害の回復によって待機系BCUがアップしたときに発行します)。 ● 42 ax7800rStandbySystemDownTrap
【AX7800R】待機系BCU異常検出 BCU二重化装置で,Cold Start以降に待機系BCUが障害であると判断したとき(運用状態がsimplexでない場合に,待機系BCUがダウンしたとき,または待機系でCSW障害を検出したときに発行します)。 ● 43 ax7800rTemperatureTrap
【AX7800R】
ax7700rTemperatureTrap
【AX7700R】温度状態の遷移 BCUの監視している温度が,正常,注意,警告,異常の各状態に遷移したとき。 ● 44 ax7800rFrameErrorReceiveTrap
【AX7800R】
ax7700rFrameErrorReceiveTrap
【AX7700R】フレーム受信エラーが発生 フレーム受信エラーが発生した場合。本エラー検出に関する設定は,コンフィグレーションコマンドframe-error-noticeで行うことができます。 ● 45 ax7800rFrameErrorSendTrap
【AX7800R】
ax7700rFrameErrorSendTrap
【AX7700R】フレーム送信エラーが発生 フレーム送信エラーが発生した場合。本エラー検出に関する設定は,コンフィグレーションコマンドframe-error-noticeで行うことができます。 ● 46 ax7800rEfmoamUdldPortInactivateTrap
【AX7800R】
ax7700rEfmoamUdldPortInactivateTrap
【AX7700R】片方向リンク障害検出によるポートclose 片方向リンク障害を検出し,ポートをcloseした場合。本エラー検出に関する設定は,コンフィグレーションコマンドefmoamで行うことができます。 ● 47 ax7800rEfmoamLoopDetectPortInactivateTrap
【AX7800R】
ax7700rEfmoamLoopDetectPortInactivateTrap
【AX7700R】ループ検出によるポートclose ループ状態を検出し,ポートをcloseした場合。本エラー検出に関する設定は,コンフィグレーションコマンドefmoamで行うことができます。 ● 48 axrPimNeighborFound PIM隣接ノードの検出 PIM隣接ノードの検出契機で発行します。
検出した隣接ノードのIPアドレスを,付加するMIB(pimNeighborIfIndex)のオブジェクト識別子に格納して通知します。● 49 axrPimNeighborLoss PIM隣接ノードの喪失 PIM隣接ノードの喪失契機で発行します。
喪失した隣接ノードのIPアドレスを,付加するMIB(pimNeighborIfIndex)のオブジェクト識別子に格納して通知します。
- PIM隣接ノードタイムアウト時
- Holdtime値0のHelloパケット受信時
●
- (凡例)
- ●:本装置でサポート(応答)するトラップを示しています。
- ×:本装置でサポート(応答)しないトラップを示しています。
- −:該当しません。
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