運用コマンドレファレンス Vol.2
[機能]
宛先ホストまでUDPメッセージが通ったルート(通ったゲートウェイのルートとゲートウェイ間の転送速度)を表示します。
[入力形式]
traceroute <host> [numeric] [direct] [verbose] [gateway <Gateway-Address>…] [ttl <ttl>] [port <Port>] [probes <Count>] [[specific-route] source <Source Address>] [waittime <time>] [packetsize<size>] [vpn <VPN ID>]
[パラメータ]
- <host>
- テスト対象(IP送信先)のホストIPアドレス
- numeric
- ゲートウェイのアドレスをホスト名とIPアドレスではなくIPアドレスだけで表示します。
- direct
- プローブパケットを接続されているネットワーク上のホストに直接送信します。通常のルーティングテーブルを使用しません。そのホストが直接接続されたネットワーク上にない場合にはエラーが返ります。このオプションは,経路を持たないインタフェースを使ってホストにtracerouteする場合に使用できます。
- verbose
- 冗長出力を有効にします。TIME_EXCEEDEDとUNREACHABLE以外の受信したICMPパケットを表示します。
- gateway <Gateway-Address>
- ソースルートゲートウェイ指定します。最大8個です。
- ttl <max_ttl>
- 送信されるプローブパケットの最大time-to-live(最大ホップ数)をセットします。デフォルトは30ホップです。指定できる値は2〜255です。
- port <Port>
- 使用するUDPパケットのポート番号(デフォルトは33434)を指定します。プローブパケットのポート番号は<Port>+1から始まり,プローブパケットごとに1ずつ増加します。
- probes <Count>
- ”ttl”ごとの探索の回数を <Count> に指定します(デフォルトは3です)。指定できる値は1〜2147483647です。
- source <Source Address>
- 送信されるプローブパケットのソースアドレス(送信するアドレス)として,引数のIPアドレス(ホスト名ではなく,数字で指定してください)を用います。複数のIPアドレスを持つホストで,プローブパケットに別のソースアドレスを持たせるのに使用できます。指定したIPアドレスが,このホストのインタフェースのアドレスのうちの一つでない場合,エラーが返され何も送信されません。
- specific-route
- sourceオプションとともにマルチパス経路で使用します。<Source>で指定したIPアドレスを出力パケットの送信元アドレスとして使用し,そのIPアドレスを定義している回線から送信します。指定できるIPアドレスは,マルチパスとなっているインタフェースの自IPアドレスです。
- waittime <time>
- プローブパケットの応答待ち時間(デフォルトは5秒)を(秒単位で)指定します。指定できる値は2〜2147483647です。
- packetsize <size>
- プローブパケットのデータサイズ(デフォルトは40)を(バイト単位で)指定します。指定できる値は40〜32768です。
- vpn <VPN ID>【OP-MPLS】
- 目的装置がVPNユーザサイト内の場合に自装置が収容するVPNサイトのVPN IDを指定します。設定可能な値は1〜1000000またはVPN ID名称です。なお,0を指定すると非VPNと解釈します。
[実行例]
MPLS網外のホストから,MPLS網を経由した相手先のホストまたはルータを指定してtracerouteを実行した場合,経由したMPLS網内ルータをすべて表示します。その際経由したMPLS網内ルータごとに付けられたラベル値もあわせて表示します。【OP-MPLS】
図1-14 MPLS経由のtraceroute
[応答メッセージ]
tracerouteコマンドのコマンド応答メッセージを次の表に示します。
表1-17 tracerouteコマンドのメッセージ一覧
メッセージ 内容 traceroute: unknown protocol icmp icmpプロトコル情報取得に失敗しました。 traceroute: unknown protocol ip ipプロトコル情報取得に失敗しました。 sendto: <error message> ソケットへのデータ送信に失敗しました。
<error message> エラーメッセージtraceroute: wrote <host> <send> chars, ret=<sent> 指定したホストへパケットが送信できません。
<host> ホスト名またはIPアドレス
<send> 送信するデータ長
<sent> 送信したデータ長packet too short (<recv> bytes) from <host> 指定したホストからのパケット長が短すぎます。
<recv> 受信したデータ長
<host> ホスト名またはIPアドレスtraceroute: icmp socket: <error message> icmpソケットオープンに失敗しました。
<error message> エラーメッセージtraceroute: raw socket: <error message> rawソケットオープンに失敗しました。
<error message> エラーメッセージNo configuration VPN -- <VPN ID>. 指定したVPN IDは未定義です。
<VPN ID>VPN ID名称
[注意事項]
- traceroute vpnオプション使用時の注意事項【OP-MPLS】
- MPLSエッジルータからvpnオプションを使ってtracerouteを実行するとき,送信先がMPLS網側の場合は応答がありません。
図1-15 IP-VPN経由のtraceroute
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