運用コマンドレファレンス Vol.3

[目次][索引][前へ][次へ]

show ip mcache

IPv4マルチキャスト中継エントリを表示します。

［入力形式］

show ip mcache [vrf {<vrf id> | all}] [source <ip address>[/<length>]] [group <ip address>[/<length>]] [brief]

［入力モード］

一般ユーザモードおよび装置管理者モード

［パラメータ］

vrf {<vrf id> | all}【OP-NPAR】
VRFのIPv4マルチキャスト中継エントリ情報を表示します。
<vrf id>指定時は指定VRFのIPv4マルチキャスト中継エントリ情報だけ，all指定時はグローバルネットワークを含む全VRFおよび全VRF合計数のIPv4マルチキャスト中継エントリ情報を表示します。<vrf id>の指定値の範囲は，コンフィグレーションコマンドで設定されたVRF IDになります。

本パラメータ省略時の動作
グローバルネットワークのIPv4マルチキャスト中継エントリ情報を表示します。

source <ip address>[/<length>]
送信元アドレスにヒットするアドレスを表示します。
source <ip address>[/<length>]を指定した場合は，<length>で指定したマスク長分一致した該当するエントリをすべて表示します。
<length>を省略した場合のデフォルト値は32です。
本パラメータとgroupパラメータを同時に指定した場合は，両方の条件を満たすエントリをすべて表示します。

group <ip address>[/<length>]
グループアドレスにヒットするアドレスを表示します。
group <ip address>[/<length>]を指定した場合は，<length>で指定したマスク長分一致した該当するエントリをすべて表示します。
<length>を省略した場合のデフォルト値は32です。
本パラメータとsourceパラメータを同時に指定した場合は，両方の条件を満たすエントリをすべて表示します。

brief
IPv4マルチキャスト中継エントリを簡易形式で表示します。

本パラメータ省略時の動作
IPv4マルチキャスト中継エントリを標準形式で表示します。

各パラメータ省略時の動作
本コマンドでは，パラメータを指定してその条件に該当する情報だけを表示できます。
パラメータを指定しない場合は，条件を限定しないで情報を表示します。
複数のパラメータを指定した場合，それぞれの条件に同時に該当する情報を表示します。

すべてのパラメータ省略時の動作
グローバルネットワークの全IPv4マルチキャスト中継エントリを標準形式で表示します。

［実行例］

図7-1　IPv4マルチキャスト中継エントリの表示

> show ip mcache
Date 20XX/12/10 16:40:59 UTC
Total: 2 routes
- Forwarding entry ----------------------------------------------------------
Group Address   Source Address  Flags  Uptime   Expires
226.0.0.1       10.8.0.100              00:34    00:26
     incoming:
         VLAN0012(10.6.0.10)
     outgoing:
         register
         VLAN0021(10.3.0.100)
- Negative cache ------------------------------------------------------------
Group Address   Source Address  Flags  Uptime   Expires
226.0.0.2       10.8.0.100              00:57    02:30
     incoming:
         VLAN0012(10.6.0.10)
>
 
> show ip mcache vrf 20
Date 20XX/12/10 16:41:03 UTC
VRF: 20  Total: 1 route
- Forwarding entry ----------------------------------------------------------
Group Address   Source Address  Flags  Uptime   Expires
226.0.0.1       10.8.0.100              00:32    09:28
     incoming:
         VLAN0011(10.6.0.11)
     outgoing:
         register
         VLAN0021(10.3.0.100)
>
 
> show ip mcache brief
Date 20XX/12/10 16:41:10 UTC
Total: 2 routes
- Forwarding entry ----------------------------------------------------------
Group Address   Source Address  Incoming                  Outgoing Count
226.0.0.1       10.8.0.100      VLAN0012(10.6.0.10)                    2
- Negative cache ------------------------------------------------------------
Group Address   Source Address  Incoming
226.0.0.2       10.8.0.100      VLAN0012(10.6.0.10)
>

［表示説明］

表7-1　show ip mcache表示内容

表示項目 意味 表示詳細情報
VRF【OP-NPAR】 VRF ID 対象がグローバルネットワークの場合は表示されません。
Total エントリ数 −
Warning 警告表示 IPv4マルチキャストフォワーディングエントリ数制限によって，エントリ廃棄中に"Multicast forwarding entry is discarded for limit"と表示します。
Notice 注意表示 系切替後，IPv4マルチキャスト経路情報を学習中に"Still learning multicast routing entries after a system change"と表示します。
Group Address 宛先グループアドレス −
Source Address 送信元アドレス −
Flags フラグ情報 U：エクストラネットの上流側VRF
D：エクストラネットの中継先VRF
Uptime マルチキャスト中継エントリ生成経過時間 xx:yy xx（分）yy（秒）
60分以上は"1hour"，"2hours"・・・
ただし，24時間以上は"1day"，"2days"・・・
と表示します。
本タイマは30秒ごとに更新されます。
Expires マルチキャスト中継エントリのエイジング（残時間） xx:yy xx（分）yy（秒）
60分以上は"1hour"，"2hours"・・・
本タイマは30秒ごとに更新されます。また，エイジングが0秒になる前にマルチキャスト中継エントリが削除されることがあります。
タイムアウトしない場合，"--:--"と表示します。
Incoming 上流インタフェース（受信インタフェース） インタフェース名（アドレス）
ディカプセル化用のインタフェースは"register"と表示します。
エクストラネットによる他VRFの場合は，VRF IDが表示されます。
グローバルネットワークの場合は"global"と表示します。
上流側VRFのフィルタで本VRFが許可されていない場合は"(denied)"と表示します。
outgoing 下流インタフェース（中継先インタフェース） インタフェース名（アドレス）
カプセル化用のインタフェースは"register"と表示します。
エクストラネットによる他VRFの場合は，VRF IDが表示されます。
グローバルネットワークの場合は"global"と表示します。
IGMP snoopingが動作している場合は"<snooping>"と表示します。
Outgoing Count 下流インタフェース数 −

［通信への影響］

なし

［応答メッセージ］

表7-2　show ip mcacheコマンド応答メッセージ一覧

項番 メッセージ 内容
1 connection failed to mrp IPv4マルチキャストルーティングプログラムとの通信が失敗しました。
IPv4マルチキャストルーティングを有効にしたにもかかわらずこのメッセージが出るときは，コマンドを再実行またはコンフィグレーションを確認してください。
2 illegal address 指定アドレスが不正です。
指定したアドレスを確認してください。
3 illegal vrf number <vrf id> 指定VRFが不正です。
<vrf id>：VRF ID
4 no such VRF <vrf id> 指定VRFでPIMが動作していません。
<vrf id>：VRF ID
5 program error occurred: <error message> プログラムエラーが発生しました。
コマンドを再実行してください。
<error message>：エラー部位
6 This command cannot be executed now. 運用端末でマルチキャストコマンド実行中のため，本コマンドを実行できません。運用端末でのマルチキャストコマンド実行後，本コマンドを再実行してください。
7 Unknown command "<command>" 指定コマンドが不正です。
<command>：指定コマンド名

［注意事項］

PIM-DMの場合，マルチキャスト中継エントリのエイジング（残時間）は下流インタフェースの存在有無によって異なります。下流インタフェースが存在する場合は，コンフィグレーションコマンドip pim keep-alive-timeで設定した値（デフォルト値は210秒）を使用します。下流インタフェースが存在しない場合は，下流ルータから報告されたPIM-PruneメッセージのHoldtimeから取得した値（PIM-Pruneメッセージを受信していない場合は210秒）を使用します。

[目次][前へ][次へ]

[他社商品名称に関する表示]

All Rights Reserved, Copyright(C), 2006, 2018, ALAXALA Networks, Corp.