コンフィグレーションコマンドレファレンス Vol.2
GSRPに関する項目を設定します。
[入力モード]
グローバルコンフィグモード
[入力形式]
- 情報の設定・変更
- gsrp <GSRP ID>
- >>移行モード:gsrp
- 情報の削除
- delete gsrp [<GSRP ID>]
- 情報の表示
- show gsrp [<GSRP ID>]
[サブコマンド入力形式]
- 情報の設定
- gsrp-vlan <VLAN ID>
- direct-link { <Port list> | la-id <LA ID list> }
- advertise-holdtime <Seconds>
- advertise-interval <Seconds>
- selection-pattern {ports-priority-mac | priority-ports-mac }
- no-neighbor-to-master { manual | direct-down }
- backup-lock
- port-up-delay <Seconds>
- gsrp-flush-count <Counts>
- reset-flush-port { <Port list> | la-id <LA ID list> }
- reset-flush-time <Seconds>
- no-flush-port { <Port list> | la-id <LA ID list> }
- layer3-redundancy
- vlan-group <Group ID>
- >>移行モード:gsrp vlan-group
- 情報の変更
- gsrp-vlan <VLAN ID>
- advertise-holdtime <Seconds>
- advertise-interval <Seconds>
- selection-pattern {ports-priority-mac | priority-ports-mac }
- no-neighbor-to-master { manual | direct-down }
- port-up-delay <Seconds>
- gsrp-flush-count <Counts>
- 情報の削除
- delete gsrp-vlan
- delete direct-link [{ <Port list> | la-id <LA ID list> }]
- delete advertise-holdtime
- delete advertise-interval
- delete selection-pattern
- delete no-neighbor-to-master
- delete backup-lock
- delete port-up-delay
- delete gsrp-flush-count
- delete reset-flush-port [{ <Port list> | la-id <LA ID list> }]
- delete reset-flush-time
- delete no-flush-port [{ <Port list> | la-id <LA ID list> }]
- delete layer3-redundancy
- delete vlan-group <Group ID>
[モード階層]
gsrp └─ gsrp vlan-group
[パラメータ]
- <GSRP ID>
- GSRPグループ番号を設定します。同じGSRPグループに属するGSRPスイッチは同じGSRPグループ番号を指定してください。GSRPグループごとには,ネットワーク内でユニークな番号を指定してください。
- 本パラメータ省略時の初期値
なし
- 値の設定範囲
1〜65535
- 本パラメータ使用時の注意事項
STP情報(spanning-tree-system,spanning-tree)やVRRP情報(viutual-router)の設定がある場合,GSRP情報を設定できません。
[サブコマンド]
- gsrp-vlan <VLAN ID>
- GSRP管理VLANとして使用するVLANを指定します。
- 本サブコマンド省略時の初期値
1
- 値の設定範囲
1〜4095
- 本サブコマンド使用時の注意事項
VLAN 1(デフォルトVLAN)以外を指定する場合には,vlanコマンド(VLAN情報)で先にVLANを作成してください。
- direct-link { <Port list> | la-id <LA ID list> }
- ダイレクトリンクに使用するポートおよびリンクアグリゲーションをリスト形式で指定します。
- 【"-"または","による範囲指定】
- <Port list>
- 範囲指定のすべてのポートを指定したことと同じ意味になります。
- <LA ID list>
- 範囲指定のすべてのリンクアグリゲーションを指定したことと同じ意味になります。
- 【"*"による範囲指定】
- 指定不可
- 本サブコマンド省略時の初期値
なし
- 本サブコマンド使用時の注意事項
・gsrp-vlanで指定したVLANに所属しているポートおよびリンクアグリゲーションを指定してください。
・reset-flush-port,no-flush-portで指定したポートおよびリンクアグリゲーションは設定できません。
・<Port list>で指定する場合,link-aggregationコマンドのaggregated-portに指定されているポートは該当するaggregated-portすべてを同時に指定する必要があります。
・lineコマンドでoc48posまたはoc192posを設定しているポートは指定できません。【AX7800S】
- advertise-holdtime <Seconds>
- 受信したGSRP Advertiseフレームの保持時間を秒単位で指定します。
- GSRP Advertiseフレームを受信しないまま保持時間を経過した時の動作は次のとおりです。
- マスタ状態の場合:
- マスタ状態を維持します。
- バックアップ状態の場合:
- マスタ状態の対向装置を認識できなくなり,バックアップ(隣接不明)状態に遷移します。
- 本サブコマンド省略時の初期値
5
- 値の設定範囲
1〜120
- 本パラメータ使用時の注意事項
advertise-holdtimeはadvertise-intervalより大きな値を設定してください。
advertise-interval以下の値を設定した場合,GSRP Advertiseフレームの受信タイムアウトを検出します。
- advertise-interval <Seconds>
- GSRP Advertiseフレームの送信間隔を秒単位で指定します。0.5秒刻みで指定できます。
- 本サブコマンド省略時の初期値
1
- 値の設定範囲
0.5〜60
- 本パラメータ使用時の注意事項
advertise-holdtimeはadvertise-intervalより大きな値を設定してください。
advertise-interval以下の値を設定した場合,GSRP Advertiseフレームの受信タイムアウトを検出します。
- selection-pattern { ports-priority-mac | priority-ports-mac }
- マスタ/バックアップ選択方法のパターンを指定します。
- ports-priority-mac:
- Activeポート数→Priority→装置MACアドレスの順で選択します。
- priority-ports-mac:
- Priority→Activeポート数→装置MACアドレスの順で選択します。
- 本サブコマンド省略時の初期値
ports-prirority-mac
- 値の設定範囲
ports-prirority-mac,またはpriority-ports-mac
- no-neighbor-to-master { manual | direct-down }
- バックアップ(隣接不明)状態からマスタ状態に遷移する動作モードを指定します。
- manual:
- GSRP Advertiseフレームを受信,またはマスタ遷移コマンド(運用コマンドset gsrp master)が入力されるまで,バックアップ(隣接不明)状態のまま待機し続けます。
- direct-down:
- ダイレクトリンクに指定したすべてのポートが障害状態の場合,マスタとして動作を開始します。
- 本サブコマンド省略時の初期値
manual
- 値の設定範囲
manual,またはdirect-down
- 本サブコマンド使用時の注意事項
バックアップ(隣接不明)状態からマスタ状態に遷移する動作モードをdirect-downに設定した場合,ダイレクトリンクに指定したすべてのポートが障害状態になると,マスタとして動作を開始します。ただし,次に示す動作後,ダイレクトリンクに指定したポートでGSRP Advertiseフレームを1度も受信していない場合,バックアップ(隣接不明)状態のまま待機し続けます。マスタとして動作させたい場合は,マスタ遷移コマンド(運用コマンドset gsrp master)を入力してください。
・装置起動
・系切替
・reload cpコマンド
・restart vlanコマンド
・restart gsrpコマンド
・no-neighbor-to-masterサブコマンドでdirect-downを指定
・direct-linkサブコマンドによるダイレクトリンクポートの設定
・copy backup-configコマンドによるランニングコンフィグレーションへの反映
- backup-lock
- 本装置のGSRP状態をバックアップ状態に固定します。
- 本サブコマンド省略時の初期値
なし
- 値の設定範囲
なし
- port-up-delay <Seconds>
- ポートがアップした場合にアクティブポート数のカウント対象に反映するまでの遅延時間を秒単位で指定します。最大43200秒(12時間)まで指定できます。本サブコマンド未設定時は即時反映(0秒)になります。また,"infinity"と指定した場合は,遅延時間を無限とし,自動ではアクティブポートにカウントしません。遅延時間中にアクティブポートにカウントさせる際には,アクティブポート反映コマンド(運用コマンドclear gsrp port-up-delay)を入力してください。
- GSRPではマスタ/バックアップの選択要因として,アクティブポート数を使用します。このため,ポートのアップ,ダウンが頻発するなどのポートが不安定な状態となった場合にアクティブポート数の増減が多発し,結果マスタ状態とバックアップ状態の切り替えが連続して発生するおそれがあります。ポートが不安定な状態の際,本コマンドで遅延時間を指定することで,不要な切り替えを抑止できます。
- 本サブコマンド省略時の初期値
即時反映
- 値の設定範囲
1〜43200,またはinfinity
- gsrp-flush-count <Counts>
- GSRP Flush requestフレームを用いて周囲のスイッチに対してFDBのクリアを行うGSRP Flush requestフレームの送信回数を指定します。
- 本サブコマンド省略時の初期値
3
- 値の設定範囲
1〜10
- 本サブコマンド使用時の注意事項
GSRP Flush requestフレームを複数送信しますが,受信したスイッチでのFDBエントリのクリア動作は1回だけ行います。
- reset-flush-port { <Port list> | la-id <LA ID list> }
- ポートリセット機能を実施するポートおよびリンクアグリゲーションを指定します。
- 【"-"または","による範囲指定】
- <Port list>
- 範囲指定のすべてのポートを指定したことと同じ意味になります。
- <LA ID list>
- 範囲指定のすべてのリンクアグリゲーションを指定したことと同じ意味になります。
- 【"*"による範囲指定】
- <Port list>
- すべてのポートを指定したことと同じ意味になります。
- <LA ID list>
- 定義済みのすべてのリンクアグリゲーションを指定したことと同じ意味になります。
- 本サブコマンド省略時の初期値
なし
- 本サブコマンド使用時の注意事項
・direct-link,no-flush-portで指定したポートおよびリンクアグリゲーションは設定できません。
・<Port list>で指定する場合,link-aggregationコマンドのaggregated-portに指定されているポートは該当するaggregated-portすべてを同時に指定する必要があります。
・lineコマンドでoc48posまたはoc192posを設定しているポートは指定できません。【AX7800S】
- reset-flush-time <Seconds>
- ポートリセット機能使用時のポートダウン時間を秒単位で指定します。
- 本サブコマンド省略時の初期値
3
- 値の設定範囲
1〜10
- 本サブコマンド使用時の注意事項
本サブコマンドはreset-flush-portで指定したすべてのポートに対して有効です。
- no-flush-port { <Port list> | la-id <LA ID list> }
- GSRP Flush requestフレームを送信しないポートおよびリンクアグリゲーションを指定します。
- 【"-"または","による範囲指定】
- <Port list>
- 範囲指定のすべてのポートを指定したことと同じ意味になります。
- <LA ID list>
- 範囲指定のすべてのリンクアグリゲーションを指定したことと同じ意味になります。
- 【"*"による範囲指定】
- <Port list>
- すべてのポートを指定したことと同じ意味になります。
- <LA ID list>
- 定義済みのすべてのリンクアグリゲーションを指定したことと同じ意味になります。
- 本サブコマンド省略時の初期値
なし
- 本サブコマンド使用時の注意事項
・direct-link,reset-flush-portで指定したポートおよびリンクアグリゲーションは設定できません。
・<Port list>で指定する場合,link-aggregationコマンドのaggregated-portに指定されているポートは該当するaggregated-portすべてを同時に指定する必要があります。
・lineコマンドでoc48posまたはoc192posを設定しているポートは指定できません。【AX7800S】
- layer3-redundancy
- 該当GSRPグループでレイヤ3冗長切替機能の使用を指定します。
- 本サブコマンド省略時の初期値
なし
- 値の設定範囲
なし
- 本サブコマンド使用時の注意事項
・GSRPグループ番号が1から4の場合だけ本サブコマンドは設定可能です。
・レイヤ3冗長切替機能を使用する場合,対向装置にも本サブコマンドを設定してください。
・GSRPで運用するVLANへのIPv4アドレスおよびIPv6アドレスの設定は対向装置と合わせてください。
- vlan-group <Group ID>
- GSRPで運用するVLANグループ番号を指定します。本サブコマンドを入力後,gsrp vlan-groupモードに移行します。
- 本サブコマンド省略時の初期値
なし
- 値の設定範囲
1〜128
[入力例]
- 情報の設定
GSRP IDを100に設定します。
VLAN5をGSRP管理VLANに設定し,ポート0/1をダイレクトリンクに指定します。また,受信したGSRP Advertiseフレームの保持時間を10秒に指定します。
(config)# gsrp 100 [gsrp 100] (config)#
VLANグループ1を作成し,VLAN10,VLAN20,VLAN30をグループに参加させます。また,VLANグループ1の優先度を120に設定します。
[gsrp 100] (config)# gsrp-vlan 5 [gsrp 100] (config)# direct-link 0/1 [gsrp 100] (config)# advertise-holdtime 10 [gsrp 100] (config)#
[gsrp 100] (config)# vlan-group 1 [gsrp 100 vlan-group 1] (config)# vlan 10,20,30 [gsrp 100 vlan-group 1] (config)# priority 120 [gsrp 100 vlan-group 1] (config)#- 情報の変更
GSRP Advertiseフレームの保持時間を20秒に変更します。
VLANグループ1の優先度を80に変更します。
[gsrp 100] (config)# advertise-holdtime 20 [gsrp 100] (config)#
[gsrp 100 vlan-group 1] (config)# priority 80 [gsrp 100 vlan-group 1] (config)#- 情報の全表示
全GSRP設定内容を表示します。
(config)# show gsrp gsrp 100 gsrp-vlan 5 direct-link 0/1 advertise-holdtime 20 vlan-group 1 vlan 10,20,30 priority 80 (config)#- 情報の全削除
VLANグループ1全体の設定内容を削除します。
全GSRP設定内容を削除します。
[gsrp 100] (config)# delete vlan-group 1 [gsrp 100] (config)#
(config)# delete gsrp Are you sure?(y/n): y (config)# show gsrp (config)#
[関連コマンド]
gsrp-exception-port(GSRP対象外ポート情報)
vlan(VLAN情報)
[注意事項]
- スパニングツリーやVRRPとの同時動作はできません。
- vlan-groupサブコマンドで指定するVLANに属していないポートの状態はブロッキングとなります。
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