解説書 Vol.2

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8.1.1 概要

UDLD(Uni-Directional Link Detection)とは,片方向リンク障害を検出する機能です。

片方向リンク障害が発生すると,一方の装置では送信はできるが受信ができない,もう一方の装置では受信はできるが送信ができない状態となり,上位プロトコルで誤動作が発生し,ネットワーク上でさまざまな障害が発生します。よく知られている例として,スパニングツリーでのループ発生や,リンクアグリゲーションでのフレーム紛失が挙げられます。これらの障害は,片方向リンク障害を検出した場合にそのポートを閉塞することによって未然に防げます。

IEEE802.3ah(Ethernet in the First Mile)でslowプロトコルの一部として位置づけられたOAM(Operations, Administration, and Maintenance)プロトコル(以下,IEEE802.3ah/OAMと示す)では,双方向リンク状態の監視を行うために,制御フレームを用いて定常的に対向装置と自装置のOAM状態情報の交換を行い,相手装置とのフレームの到達性を確認する方式がとられています。本装置ではIEEE802.3ah/OAM機能を用いて双方向リンク状態の監視を行い,その確認がとれない場合に片方向リンク障害を検出する方式でUDLD機能を実現しています。

また,IEEE802.3ah/OAMプロトコルでは,ActiveモードとPassiveモードの概念があります。Activeモード側から制御フレームの送信が開始され,Passiveモード側では,制御フレームを受信するまで制御フレームの送信は行いません。本装置では工場出荷時の設定でIEEE802.3ah/OAM機能が有効になっていて,全ポートがPassiveモードで動作します。

イーサネットケーブルで接続された片方の装置側のポートに障害検出モードを設定することで,片方向リンク障害の検出動作を行います。正しく片方向リンク障害を検出させるためには,もう一方の装置側のポートでIEEE802.3ah/OAM機能が有効である必要があります。障害検出モードを設定したポートで片方向リンク障害を検出した場合,そのポートの閉塞処理をすることで対向装置側のポートでもリンクダウンが検出され,接続された双方の装置で該当するポートでの運用を停止します。

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