解説書 Vol.2

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5.1.1 概要

GSRP(Gigabit Switch Redundancy Protocol)は,スイッチに障害が発生した場合でも,同一ネットワーク上の別スイッチを経由して通信経路を確保することを目的とした装置の冗長化を実現する機能です。

レイヤ2ではネットワークの冗長化を行うスパニングツリー,レイヤ3ではデフォルトゲートウェイの冗長化を行うVRRPが冗長化機能として利用できますが,GSRPを使うと,レイヤ2とレイヤ3の冗長化を一つの機能で同時に実現できます。

レイヤ2およびレイヤ3を同時に冗長化する機能の比較を次の表に示します。

表5-1 レイヤ2およびレイヤ3を同時に冗長化する機能の比較

冗長化機能 説明
GSRP
  • レイヤ2とレイヤ3の冗長化を一つの機能で実現しているため,管理が容易になる。
  • 本装置独自仕様の機能のため他社装置との接続はできない。
スパニングツリー
+VRRP

  • レイヤ2およびレイヤ3の両方で同時に冗長化を確保したい場合は,スパニングツリー,VRRPの両方の機能が必要である。
  • 標準プロトコルのため,マルチベンダによるネットワークを構築できる。

GSRPによるレイヤ2の冗長化の概要を次の図に示します。

図5-1 GSRPの概要

[図データ]

GSRP機能を動作させる本装置2台をペアにしてグループを構成し,通常運用では片側がマスタ状態,もう一方がバックアップ状態として稼働します。マスタ状態の本装置Aはフレームをフォワーディングし,バックアップ状態の本装置Bはブロッキングします。回線障害や装置障害などが発生した場合,本装置A,B間でマスタ状態とバックアップ状態の切り替えを行います。これによって通信の継続が可能となります。

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