30.2.3 Querierの決定
MLDルータはQuerierかNon-Querierのどちらか一方の役割を果たします。同一ネットワーク上に複数のルータが存在する場合,そのうちの一つが定期的なMulticast Listener Queryメッセージを送信するQuerierになります。
Querierを決定するには,同一ネットワーク上に存在するMLDルータから受信したMulticast Listener Queryの送信元IPv6リンクローカルアドレスと自インタフェースのIPv6リンクローカルアドレスを比較します。自インタフェースの方が小さければQuerierとして動作します。自インタフェースの方が大きければNon-Querierとなり,Multicast Listener Queryは送信しません。
この動作によって同一ネットワーク上にはQuerierは一つだけ存在することになります。QuerierとNon-Querierの決定を次の図に示します。
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Querierになった場合,送信元IPv6アドレスが自インタフェースより小さいMulticast Listener Queryを受信するまでQuerierとして動作して,Multicast Listener Queryを定期的(デフォルト値 125秒)に送信します。Non-QuerierがQuerierとして動作するのは次に示す場合です。
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Querierの送信したMulticast Listener Queryを監視し,Multicast Listener Query受信時にMulticast Listener Queryの送信元IPv6リンクローカルアドレスが自インタフェースのリンクローカルアドレスよりも大きい場合
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Multicast Listener Queryを一定時間(デフォルト値 255秒)受信しなかった場合
インタフェースに設定されたIPv6リンクローカルアドレス以外のアドレスは,Querierの決定には影響しません。
MLDv2ルータはMLDv1ルータと同じ方法でQuerierを決定します。