4.1 SNMP通知の種類と送信契機
サポートするSNMP通知の種類と送信契機を次の表に示します。
-
装置起動後のトラップ送信
coldStart以外のトラップは,装置の起動時からcoldStartの送信契機までの間は送信しません。また,この間に送信契機の発生した各トラップを,あとからcoldStartと同時に送信することはありません。
-
装置起動後のインフォーム送信
coldStart以外のインフォームは,装置の起動時からcoldStartの送信契機までの間は送信しません。また,この間に送信契機の発生した各インフォームを,あとからcoldStartと同時に送信することはありません。
coldStartの送信からその応答を受信するまでの間に各インフォームの送信契機が発生すると,各インフォームを保持します。保持した各インフォームは,coldStartの応答を受信,送信失敗,または廃棄した契機に送信します。
項番 |
種類 |
意味 |
送信契機 |
実装 有無 |
---|---|---|---|---|
1 |
coldStart |
再初期化システム内のオブジェクトが変更される可能性がある |
次に示す1〜5の契機で送信します。
2,3,4は,コンフィグレーションコマンドsnmp-server trapsでunlimited_coldstart_trapパラメータを設定した場合にだけ送信します。 |
● |
2 |
warmStart |
再初期化システム内のオブジェクトが変更されない |
SNMPまたはアクセスリストのコンフィグレーションを変更したとき。 |
● |
3 |
linkDown |
回線障害検出 |
インタフェースの動作状態がACTIVE(通信可能状態)からDISABLE(通信不可状態)に変化したとき。 |
● |
4 |
linkUp |
回線障害回復 |
インタフェースの動作状態がDISABLE(通信不可状態)からACTIVE(通信可能状態)に変化したとき。 |
● |
5 |
authenticationFailure |
確認エラー |
不正なコミュニティからSNMPパケットを受信したとき(認証エラー発生時)。 |
● |
6 |
egpNeighborLoss |
EGPプロトコルでネイバルータとのリンクが切れた |
− |
× |
7 |
bgpEstablished 【SL-L3A】 |
BGP4リンク確立 |
グローバルネットワークのBGP4でFSM(Finite State Machine)が,Establish状態になったとき。 |
● |
8 |
bgpBackwardTransition 【SL-L3A】 |
BGP4リンク切断 |
グローバルネットワークのBGP4でFSMがclosed状態になったとき。 |
● |
9 |
risingAlarm |
上方閾値を超えた |
RMONのアラームの上方閾値を超えたとき。 |
● |
10 |
fallingAlarm |
下方閾値を下回った |
RMONのアラームの下方閾値を下回ったとき。 |
● |
11 |
vrrpTrapNewMaster |
仮想ルータのマスタ通知 |
仮想ルータがマスタ状態に遷移したとき。 |
● |
12 |
vrrpTrapAuthFailure |
ADVERTISEMENTパケット認証エラー |
|
● |
13 |
vrrpTrapProtoError |
VRRPプロトコルエラー |
受信したパケットで次に示すエラーを検出したとき。※1
|
● |
14 |
ospfVirtNbrStateChange 【SL-L3A】 |
仮想リンクの隣接状態の遷移 |
グローバルネットワークの仮想リンクで,次に示す1〜4の隣接状態の遷移契機で送信します。ただし,仮想リンクのDown状態への遷移に伴う隣接Downでは送信しません。
なお,OSPFドメインを分割しているとき,ドメイン番号が最小のドメイン以外ではプライベートMIBをSNMP通知で送信します。 |
● |
15 |
ospfNbrStateChange 【SL-L3A】 |
OSPFの隣接状態の遷移 |
グローバルネットワークの仮想リンク以外のインタフェースで,次に示す1〜5の隣接状態の遷移契機で送信します。ただし,OSPFインタフェースのDown状態への遷移に伴う隣接Downでは送信しません。
なお,OSPFドメインを分割しているとき,ドメイン番号が最小のドメイン以外ではプライベートMIBをSNMP通知で送信します。 |
● |
16 |
ospfVirtIfStateChange 【SL-L3A】 |
仮想リンクのインタフェース状態の遷移 |
グローバルネットワークの仮想リンクで,次に示す1〜2のインタフェース状態の遷移契機で送信します。
なお,OSPFドメインを分割しているとき,ドメイン番号が最小のドメイン以外ではプライベートMIBをSNMP通知で送信します。 |
● |
17 |
ospfIfStateChange 【SL-L3A】 |
OSPFインタフェース状態の遷移 |
グローバルネットワークのOSPFドメインで,次に示す1〜3のインタフェース状態の遷移契機で送信します。
なお,OSPFドメインを分割しているとき,ドメイン番号が最小のドメイン以外ではプライベートMIBをSNMP通知で送信します。 |
● |
18 |
ospfVirtIfConfigError 【SL-L3A】 |
仮想リンクで受信したパケットのコンフィグレーションエラー |
グローバルネットワークの仮想リンクで,次に示す1〜3のエラーパケットの受信契機で送信します。
なお,OSPFドメインを分割しているとき,ドメイン番号が最小のドメイン以外ではプライベートMIBをSNMP通知で送信します。 |
● |
19 |
ospfIfConfigError 【SL-L3A】 |
OSPFインタフェースで受信したパケットのコンフィグレーションエラー |
グローバルネットワークのOSPFドメインで,次に示す1〜3のエラーパケットの受信契機で送信します。
なお,OSPFドメインを分割しているとき,ドメイン番号が最小のドメイン以外ではプライベートMIBをSNMP通知で送信します。 |
● |
20 |
ospfVirtIfAuthFailure 【SL-L3A】 |
仮想リンクで受信したパケットの認証エラー |
グローバルネットワークの仮想リンクで,受信したOSPFパケットの認証方式の不一致,または認証失敗の検出契機で,送信します。 なお,OSPFドメインを分割しているとき,ドメイン番号が最小のドメイン以外ではプライベートMIBをSNMP通知で送信します。 |
● |
21 |
ospfIfAuthFailure 【SL-L3A】 |
OSPFインタフェースで受信したパケットの認証エラー |
グローバルネットワークの仮想リンク以外のインタフェースで,受信したOSPFパケットの認証方式の不一致,または認証失敗の検出契機で送信します。 なお,OSPFドメインを分割しているとき,ドメイン番号が最小のドメイン以外ではプライベートMIBをSNMP通知で送信します。 |
● |
22 |
dot1agCfmFaultAlarm |
他MEPとの障害検出 |
Continuity Check(CC)によって障害を検出したとき。 |
● |
23 |
lldpV2RemTablesChange |
隣接装置数の変化検出 |
隣接装置の数が変化したときに送信します。隣接装置数が連続して変化した場合,送信から30秒間は送信を抑止し,抑止中の変化検出は30秒後に送信します。 |
● |
24 |
ax3660sSystemMsgTrap |
運用メッセージ出力 |
メッセージ種別ERRおよびEVTの運用メッセージを出力したとき。 |
● |
25 |
ax3660sTemperatureTrap |
温度状態の遷移 |
本装置の監視している温度が,正常,注意,異常の各状態に遷移したとき。 |
● |
26 |
ax3660sAxrpStateTransitionTrap |
Ring Protocolのリング状態の遷移 |
Ring Protocolのリング状態(障害監視,復旧監視)が各状態間で遷移したとき。 |
● |
27 |
ax3660sAxrpMultiFaultDetectionStartTrap |
Ring Protocolの多重障害監視開始 |
Ring Protocolの多重障害監視を開始したとき。 |
● |
28 |
ax3660sAxrpMultiFaultDetectionStateTransitionTrap |
Ring Protocolの多重障害監視状態の遷移 |
Ring Protocolの多重障害監視状態(多重障害監視,復旧監視)が各状態間で遷移したとき。 |
● |
29 |
ax3660sGsrpStateTransitionTrap |
GSRPのVLANグループ状態の遷移通知 |
GSRPのVLANグループの状態(マスタ,バックアップ,バックアップ(マスタ待ち),バックアップ(隣接不明),バックアップ(固定))が,各状態間で遷移したとき。ただし,バックアップ−バックアップ(マスタ待ち)間の遷移を除く。 |
● |
30 |
ax3660sL2ldLinkDown |
L2ループ検知により回線が通信不可状態へ遷移 |
L2ループ検知によりインタフェースの動作状態がACTIVE(通信可能状態)からDISABLE(通信不可状態)に変化したとき。 |
● |
31 |
ax3660sL2ldLinkUp |
L2ループ検知の自動復旧機能により回線が通信可能状態へ遷移 |
L2ループ検知の自動復旧機能によりインタフェースの動作状態がDISABLE(通信不可状態)からACTIVE(通信可能状態)に変化したとき。 |
● |
32 |
ax3660sL2ldLoopDetection |
L2ループを検知 |
L2ループを検知したとき。 L2ループの状態が継続している場合,60秒ごとに通知します。 |
● |
33 |
axsOspfVirtNbrStateChange 【SL-L3A】 |
仮想リンクの隣接状態の遷移 |
グローバルネットワークの仮想リンクで,次に示す1〜5の隣接状態の遷移契機で送信します。ただし,仮想リンクのDown状態への遷移に伴う隣接Downでは送信しません。
|
● |
34 |
axsOspfNbrStateChange 【SL-L3A】 |
OSPFの隣接状態の遷移 |
グローバルネットワークの仮想リンク以外のインタフェースで,ospfVirtNbrStateChangeと同様の隣接状態の遷移契機で送信します。ただし,OSPFインタフェースのDown状態への遷移に伴う隣接Downでは送信しません。 |
● |
35 |
axsOspfVirtIfStateChange 【SL-L3A】 |
仮想リンクのインタフェース状態の遷移 |
グローバルネットワークの仮想リンクで,次に示す1,2のインタフェース状態の遷移契機で送信します。
|
● |
36 |
axsOspfIfStateChange 【SL-L3A】 |
OSPFインタフェース状態の遷移 |
グローバルネットワークのOSPFドメインで,次に示す1〜3のインタフェース状態の遷移契機で送信します。
|
● |
37 |
axsOspfVirtIfConfigError 【SL-L3A】 |
仮想リンクで受信したパケットのコンフィグレーションエラー |
グローバルネットワークの仮想リンクで,次に示す1〜3のエラーパケットの受信契機で送信します。
|
● |
38 |
axsOspfIfConfigError 【SL-L3A】 |
OSPFインタフェースで受信したパケットのコンフィグレーションエラー |
グローバルネットワークのOSPFドメインで,次に示す1〜3のエラーパケットの受信契機で送信します。
|
● |
39 |
axsOspfVirtIfAuthFailure 【SL-L3A】 |
仮想リンクで受信したパケットの認証エラー |
グローバルネットワークの仮想リンクで,受信したOSPFパケットの認証方式の不一致,または認証失敗の検出契機で送信します。 |
● |
40 |
axsOspfIfAuthFailure 【SL-L3A】 |
OSPFインタフェースで受信したパケットの認証エラー |
グローバルネットワークの仮想リンク以外のインタフェースで,受信したOSPFパケットの認証方式の不一致,または認証失敗の検出契機で送信します。 |
● |
41 |
axsStaticGatewayStateChange |
スタティック経路の動的監視機能を使用しているゲートウェイの状態変更 |
IPv4スタティック経路の動的監視機能を使用しているゲートウェイの状態が到達不可から到達可能へ遷移したとき,または到達可能から到達不可へ遷移したときに送信します。 グローバルネットワークのゲートウェイの状態変更で送信されます。 |
● |
42 |
axsStaticIpv6GatewayStateChange |
スタティック経路の動的監視機能を使用しているゲートウェイの状態変更 |
IPv6スタティック経路の動的監視機能を使用しているゲートウェイの状態が到達不可から到達可能へ遷移したとき,または到達可能から到達不可へ遷移したときに送信します。 グローバルネットワークのゲートウェイの状態変更で送信されます。 |
● |
43 |
axsPolicyBaseRoutingRouteChange 【SL-L3A】 |
ポリシーベースルーティングの選択経路の変更 |
ポリシーベースルーティングの選択経路が変更されたときに送信します。 |
● |
44 |
axsTrackObjectStateUp 【SL-L3A】 |
トラック状態がUpに遷移 |
ポリシーベースルーティングのトラッキング機能のトラック状態がDownからUpに変わったときに送信します。 |
● |
45 |
axsTrackObjectStateDown 【SL-L3A】 |
トラック状態がDownに遷移 |
ポリシーベースルーティングのトラッキング機能のトラックの状態がUpからDownに変わったときに送信します。 |
● |
46 |
ax3660sAirFanStopTrap |
ファンが故障した。 |
ファンの故障を検出した場合。 スタック構成時は,スタックを構成する全メンバスイッチを見直してください。 |
● |
47 |
ax3660sPowerSupplyFailureTrap |
電源が故障した。 |
実装された電源のうちひとつでも給電異常が発生した場合。 スタック構成時は,スタックを構成する全メンバスイッチを見直してください。 |
● |
48 |
ax3660sLoginSuccessTrap |
装置利用者がログインに成功した。 |
console,telnet,ftp,SSHなどによるログインに成功した場合。 |
● |
49 |
ax3660sLoginFailureTrap |
装置利用者のログインが失敗した。 |
|
● |
50 |
ax3660sLogoutTrap |
装置利用者がログアウトした。 |
console,telnet,ftp,SSHなどによるログアウトが成功した場合。 |
● |
51 |
ax3660sMemoryUsageTrap |
使用可能なメモリが少なくなった。 |
使用可能なメモリが下限値を下回った場合。 スタック構成時は,スタックを構成する全メンバスイッチを見直してください。 |
● |
52 |
axsOadpNeighborCachelastChangeTrap |
OADP隣接ノードに関する情報が更新された。 |
OADP隣接ノードに関する情報が更新された場合。 |
● |
53 |
ax3660sFrameErrorReceiveTrap |
フレーム受信エラーが発生 |
フレーム受信エラーが発生した場合。本エラー検出に関する設定は,コンフィグレーションコマンドframe-error-noticeで行うことができます。 |
● |
54 |
ax3660sFrameErrorSendTrap |
フレーム送信エラーが発生 |
フレーム送信エラーが発生した場合。本エラー検出に関する設定は,コンフィグレーションコマンドframe-error-noticeで行うことができます。 |
● |
55 |
ax3660sBroadcastStormDetectTrap |
ストーム検出 |
ブロードキャストストームの発生を検出した場合(ポートはinactivateしません)。本エラー検出に関する設定は,コンフィグレーションコマンドstorm-controlで行うことができます。 |
● |
56 |
ax3660sMulticastStormDetectTrap |
ストーム検出 |
マルチキャストストームの発生を検出した場合(ポートはinactivateしません)。本エラー検出に関する設定は,コンフィグレーションコマンドstorm-controlで行うことができます。 |
● |
57 |
ax3660sUnicastStormDetectTrap |
ストーム検出 |
ユニキャストストームの発生を検出した場合(ポートはinactivateしません)。本エラー検出に関する設定は,コンフィグレーションコマンドstorm-controlで行うことができます。 |
● |
58 |
ax3660sBroadcastStormPortInactivateTrap |
ストーム検出によるポートinactivate |
ブロードキャストストームの発生を検出し,ポートをinactivateした場合。本エラー検出に関する設定は,コンフィグレーションコマンドstorm-controlで行うことができます。 |
● |
59 |
ax3660sMulticastStormPortInactivateTrap |
ストーム検出によるポートinactivate |
マルチキャストストームの発生を検出し,ポートをinactivateした場合。本エラー検出に関する設定は,コンフィグレーションコマンドstorm-controlで行うことができます。 |
● |
60 |
ax3660sUnicastStormPortInactivateTrap |
ストーム検出によるポートinactivate |
ユニキャストストームの発生を検出し,ポートをinactivateした場合。本エラー検出に関する設定は,コンフィグレーションコマンドstorm-controlで行うことができます。 |
● |
61 |
ax3660sBroadcastStormRecoverTrap |
ストーム終結 |
ブロードキャストストームの終結を検出した場合。本エラー検出に関する設定は,コンフィグレーションコマンドstorm-controlで行うことができます。 |
● |
62 |
ax3660sMulticastStormRecoverTrap |
ストーム終結 |
マルチキャストストームの終結を検出した場合。本エラー検出に関する設定は,コンフィグレーションコマンドstorm-controlで行うことができます。 |
● |
63 |
ax3660sUnicastStormRecoverTrap |
ストーム終結 |
ユニキャストストームの終結を検出した場合。本エラー検出に関する設定は,コンフィグレーションコマンドstorm-controlで行うことができます。 |
● |
64 |
ax3660sEfmoamUdldPortInactivateTrap |
片方向リンク障害検出によるポートinactivate |
片方向リンク障害を検出し,ポートをinactivateした場合。本エラー検出に関する設定は,コンフィグレーションコマンドefmoam activeで行うことができます。 |
● |
65 |
ax3660sEfmoamLoopDetectPortInactivateTrap |
ループ検出によるポートinactivate |
ループ状態を検出し,ポートをinactivateした場合。本エラー検出に関する設定は,コンフィグレーションコマンドefmoam activeで行うことができます。 |
● |
66 |
ax3660sUlrChangeSecondary |
アップリンク・リダンダントによってセカンダリポートがアクティブポートに遷移 |
アップリンク・リダンダントによってセカンダリポートがアクティブポートになったときに送信します。 |
● |
67 |
ax3660sUlrChangePrimary |
アップリンク・リダンダントによってプライマリポートがアクティブポートに遷移 |
アップリンク・リダンダントによってプライマリポートがアクティブポートになったときに送信します。 |
● |
68 |
ax3660sUlrActivePortDown |
アクティブポートがなくなった |
アクティブポートがなくなったときに送信します。 |
● |
69 |
ax3660sQosFlowListRateAlarmExceedTrap |
QoSフローリストが帯域違反状態に遷移 |
QoSフローリストが帯域遵守状態から帯域違反状態へ遷移したときに送信します。 |
● |
70 |
ax3660sQosFlowListRateAlarmConformTrap |
QoSフローリストが帯域遵守状態に遷移 |
QoSフローリストが帯域違反状態から帯域遵守状態へ遷移したときに送信します。 |
● |
- (凡例)
-
●:本装置でサポート(応答)するSNMP通知を示しています。
×:本装置でサポート(応答)しないSNMP通知を示しています。
−:該当しません。
- 注※1
-
同一エラーが連続している場合,60秒ごとに送信します。ただし,仮想ルータ情報に変更があった場合は60秒未満で送信することがあります。
- 注※2
-
装置単位で送信します。