snmp-server host
SNMP通知を送信する宛先のネットワーク管理装置(SNMPマネージャ)を登録します。本コマンドでは最大50エントリを設定できます。
[入力形式]
- 情報の設定・変更
-
snmp-server host <manager address> [vrf <vrf id>] { traps | informs } <string> [version { 1 | 2c | 3 { noauth | auth | priv } }] [<snmp notification> [<snmp notification> [...]]]
- 情報の削除
-
no snmp-server host <manager address> [vrf <vrf id>]
[入力モード]
(config)
[パラメータ]
- <manager address>
-
SNMPマネージャのIPアドレスを設定します。
-
本パラメータ省略時の初期値
省略できません
-
値の設定範囲
<manager address>にIPv4アドレス(ドット記法)を指定するか,または<manager address>にIPv6アドレス(コロン記法)を指定します。
-
- vrf <vrf id>【SL-L3A】
-
vrf definitionコマンドの<vrf id>で指定されたVRFにSNMP通知を送信します。
-
本パラメータ省略時の初期値
グローバルネットワークにSNMP通知を送信します。
-
値の設定範囲
<vrf id>にVRF IDを指定します。
詳細は,「パラメータに指定できる値」を参照してください。
-
- {traps | informs}
-
SNMPマネージャに送信するSNMP通知の種別を設定します。
-
trapsを指定した場合,トラップを送信します。SNMPマネージャは応答を返しません。
-
informsを指定した場合,インフォームを送信します。SNMPマネージャに応答を要求するため,SNMPエージェントは応答を監視し,応答がない場合は再送します。SNMPv2Cバージョンだけで使用できます。
-
本パラメータ省略時の初期値
省略できません
-
値の設定範囲
なし
-
- <string>
-
SNMPv1およびSNMPv2Cの場合は,SNMPマネージャのコミュニティ名称を設定します。SNMPv3の場合はセキュリティユーザ名を設定します。
-
本パラメータ省略時の初期値
省略できません
-
値の設定範囲
60文字以内の文字列をダブルクォート(")で囲んで設定します。入力可能な文字は,英数字と特殊文字です。入力文字列にスペースなどの特殊文字を含まない場合,文字列をダブルクォート(")で囲まなくても設定できます。詳細は,「パラメータに指定できる値」の「■任意の文字列」を参照してください。
-
- version { 1 | 2c | 3 { noauth | auth | priv }}
-
SNMP通知のバージョンを設定します。バージョンをSNMPv3に設定する場合は,同時にセキュリティレベルを設定します。
各パラメータの指定時に設定されるSNMP通知のバージョンを次の表に示します。
表13‒1 パラメータとSNMP通知のバージョンの対応 パラメータの指定値
SNMP通知のバージョン
セキュリティレベル
version 1
SNMPv1
−
version 2c
SNMPv2C
−
version 3 noauth
SNMPv3
認証なし,暗号化なし
version 3 auth
SNMPv3
認証あり,暗号化なし
version 3 priv
SNMPv3
認証あり,暗号化あり
(凡例)−:該当なし
-
本パラメータ省略時の初期値
version 1
-
値の設定範囲
なし
-
- <snmp notification> [<snmp notification> [...]]
-
送信するSNMP通知を指定します。
- snmp
-
次のSNMP通知を送信します。
-
coldStart
-
warmStart
-
linkUp
-
linkDown
-
authenticationFailure
-
- { ospf_state | ospf_state_private }【SL-L3A】
-
OSPFの状態変更を通知するSNMP通知を送信します。ospf_stateを指定した場合,RFCに準拠した標準のSNMP通知を送信します。ただし,OSPFドメイン分割を行っている場合,ドメイン番号が最小のドメイン以外は,プライベートのSNMP通知を送信します。ospf_state_privateを指定した場合,すべてのOSPFドメインでプライベートのSNMP通知を送信します。
送信するSNMP通知を次に示します。
表13‒2 パラメータごとのSNMP通知(OSPFの状態変更通知) パラメータ
SNMP通知
ospf_state
ドメイン番号が最小のドメイン
-
ospfVirtIfStateChange
-
ospfNbrStateChange
-
ospfVirtNbrStateChange
-
ospfIfStateChange
ドメイン番号が最小でないドメイン
-
axsOspfVirtIfStateChange
-
axsOspfNbrStateChange
-
axsOspfVirtNbrStateChange
-
axsOspfIfStateChange
ospf_state_private
全ドメイン
-
axsOspfVirtIfStateChange
-
axsOspfNbrStateChange
-
axsOspfVirtNbrStateChange
-
axsOspfIfStateChange
-
- { ospf_error | ospf_error_private }【SL-L3A】
-
OSPFのエラーパケット受信を通知するSNMP通知を送信します。ospf_errorを指定した場合,RFCに準拠した標準のSNMP通知を送信します。ただし,OSPFドメイン分割を行っている場合,ドメイン番号が最小のドメイン以外は,プライベートのSNMP通知を送信します。ospf_error_privateを指定した場合,すべてのOSPFドメインでプライベートのSNMP通知を送信します。
送信するSNMP通知を次に示します。
表13‒3 パラメータごとのSNMP通知(OSPFのエラーパケット受信通知) パラメータ
SNMP通知
ospf_error
ドメイン番号が最小のドメイン
-
ospfIfConfigError
-
ospfVirtIfConfigError
-
ospfIfAuthFailure
-
ospfVirtIfAuthFailure
ドメイン番号が最小でないドメイン
-
axsOspfIfConfigError
-
axsOspfVirtIfConfigError
-
axsOspfIfAuthFailure
-
axsOspfVirtIfAuthFailure
ospf_error_private
全ドメイン
-
axsOspfIfConfigError
-
axsOspfVirtIfConfigError
-
axsOspfIfAuthFailure
-
axsOspfVirtIfAuthFailure
-
- bgp【SL-L3A】
-
BGP4のリンク確立と切断のSNMP通知を送信します。
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bgpEstablished
-
bgpBackwardTransitions
-
- vrrp
-
vrrpの状態が変化したときのSNMP通知を送信します。
-
vrrpTrapNewMaster
-
vrrpTrapAuthFailure
-
vrrpTrapProtoError
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- rmon
-
rmonのアラームの上方閾値を超えたときおよび下方閾値を下回ったときのSNMP通知を送信します。
-
risingAlarm
-
fallingAlarm
-
- oadp
-
OADP隣接ノードに関する情報が更新されたときにSNMP通知を送信します。
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axsOadpNeighborCashelastChangeTrap
-
- air-fan
-
ファンがストップしたときにSNMP通知を送信します。
-
ax3660sAirFanUnitStopTrap
-
- power
-
一つの電源に障害発生したときにSNMP通知を送信します。
-
ax3660sPowerSupplyFailureTrap
-
- login
-
ログインの成功,失敗,ログアウトの発生時にSNMP通知を送信します。
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ax3660sLoginSuccessTrap
-
ax3660sLoginFailureTrap
-
ax3660sLogoutTrap
-
- memory
-
本装置のメモリが不足したときにSNMP通知を送信します。
-
ax3660sMemoryUsageTrap
-
- system-msg
-
メッセージ種別ERRおよびEVTの運用メッセージを出力したときにSNMP通知を送信します。
-
ax3660sSystemMsgTrap
-
- temperature
-
温度状態の変化のSNMP通知を送信します。
-
ax3660sTemperatureTrap
-
- gsrp
-
GSRP状態が変化したときにSNMP通知を送信します。
-
ax3660sGsrpStateTransitionTrap
-
- axrp
-
リングの障害監視状態が変化したときにSNMP通知を送信します。
-
ax3660sAxrpStateTransitionTrap
-
ax3660sAxrpMultiFaultDetectionStartTrap
-
ax3660sAxrpMultiFaultDetectionStateTransitionTrap
-
- frame_error_snd
-
フレーム送信エラー発生時のSNMP通知を送信します。
-
ax3660sFrameErrorSendTrap
-
- frame_error_rcv
-
フレーム受信エラー発生時のSNMP通知を送信します。
-
ax3660sFrameErrorReceiveTrap
-
- storm-control
-
ストームコントロール機能によって,ストームの発生を検出した場合,またはストームから回復した場合にSNMP通知を送信します。
-
ax3660sBroadcastStormDetectTrap
-
ax3660sMulticastStormDetectTrap
-
ax3660sUnicastStormDetectTrap
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ax3660sBroadcastStormPortInactivateTrap
-
ax3660sMulticastStormPortInactivateTrap
-
ax3660sUnicastStormPortInactivateTrap
-
ax3660sBroadcastStormRecoverTrap
-
ax3660sMulticastStormRecoverTrap
-
ax3660sUnicastStormRecoverTrap
-
- efmoam
-
片方向リンク障害検出時のSNMP通知を送信します。
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ax3660sEfmoamUdldPortInactivateTrap
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ax3660sEfmoamLoopDetectPortInactivateTrap
-
- loop-detection
-
L2ループ検知時のSNMP通知を送信します。
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ax3660sL2ldLinkDown
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ax3660sL2ldLinkUp
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ax3660sL2ldLoopDetection
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- cfm
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CCで障害検知のSNMP通知を送信します。
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dot1agCfmFaultAlarm
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- switchport-backup
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アップリンク・リダンダントのSNMP通知を送信します。
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ax3660sUlrChangeSecondary
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ax3660sUlrChangePrimary
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ax3660sUlrActivePortDown
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- static-route
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スタティックの動的監視機能を使用しているゲートウェイの状態が遷移した場合にSNMP通知を送信します。
-
axsStaticGatewayStateChange
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axsStaticIpv6GatewayStateChange
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- policy-base【SL-L3A】
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ポリシーベースルーティングの経路情報に変化があった場合にSNMP通知を送信します。
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axsPolicyBaseRoutingRouteChange
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- track-object【SL-L3A】
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ポリシーベースルーティングのトラッキング機能でのトラック状態が変わったときのプライベートのSNMP通知を送信します。
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axsTrackObjectStateUp
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axsTrackObjectStateDown
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- lldp
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LLDPの隣接ノードに関する情報が更新されたときにSNMP通知を送信します。
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lldpV2RemTablesChange
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- flow-rate-alarm
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帯域違反通知の対象となるQoSエントリの帯域状態が変化したときにSNMP通知を送信します。
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ax3660sQosFlowListRateAlarmExceedTrap
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ax3660sQosFlowListRateAlarmConformTrap
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本パラメータ省略時の初期値
パラメータに対応するSNMP通知を送信しません
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値の設定範囲
snmp,ospf_stateまたはospf_state_private,ospf_errorまたはospf_error_private,bgp,vrrp,rmon,oadp,air-fan,power,login,memory,system-msg,temperature,gsrp,axrp,frame_error_snd,frame_error_rcv,storm-control,efmoam,loop-detection,cfm,switchport-backup,static-route,policy-base,track-object,lldp,flow-rate-alarm
[コマンド省略時の動作]
なし
[通信への影響]
なし
[設定値の反映契機]
設定値変更後,すぐに運用に反映されます。
[注意事項]
-
サポートMIBおよびSNMP通知の一覧は「MIBレファレンス」を参照してください。
-
versionに3を設定していて,snmp-server userコマンドで設定されていないセキュリティユーザ名を本コマンドに設定した場合,本コマンドに設定したセキュリティユーザの情報は無効となりますので,ご注意ください。
[関連コマンド]
snmp-server engineID local
snmp-server view
snmp-server user
snmp-server group