運用コマンドレファレンス Vol.2


clear ipv6 route

H/Wのフォワーディングエントリをいったんクリアし,ユニキャストルーティングプログラムが保有するルーティングエントリを再登録します。

[入力形式]

clear ipv6 route [vrf {<vrf id> | all}] { * | <Prefix>[/<Prefixlen>] }

[入力モード]

一般ユーザモードおよび装置管理者モード

[パラメータ]

vrf {<vrf id> | all}【SL-L3A】

VRFの経路を対象とします。<vrf id>指定時は指定VRFの経路だけを,all指定時はグローバルネットワークを含む全VRFを対象にします。<vrf id>の指定範囲は,コンフィグレーションコマンドで設定されたVRF IDとなります。

本パラメータ省略時の動作

グローバルネットワークの経路を対象とします。

すべての経路情報を更新します。

<Prefix>[/<Prefixlen>]

<Prefix>/<Prefixlen>で宛先ネットワークを指定した場合,指定した宛先ネットワークに含まれる経路情報を更新します。<Prefix>には宛先アドレスを宛先アドレスをコロン記法で指定してください。

<Prefixlen>

プレフィックス長を0〜128の範囲で指定してください。

本パラメータ省略時の動作

  指定した<Prefix>に最長一致(longest-match)した経路の詳細情報を更新します。

なお,指定ネットワークにループバックアドレスは指定できません。

[スタック構成時の運用]

マスタスイッチだけで有効な情報をクリアできます。

[実行例]

図14‒13 すべての経路情報の更新
>clear ipv6 route *
>
図14‒14 特定ネットワーク宛の経路情報の更新
>clear ipv6 route 3ffe:811:172::10/64
>

[表示説明]

なし

[通信への影響]

H/Wのフォワーディングエントリをクリアし,ユニキャストルーティングプログラムが保有するルーティングエントリを再登録するため,一時的に通信が停止する場合があります。

[応答メッセージ]

表14‒5 clear ipv6 routeコマンド応答メッセージ一覧

項番

メッセージ

内容

1

connection failed to rtm

ユニキャストルーティングプログラムとの通信が失敗しました。コマンドを再実行してください。頻発する場合は,restart unicastコマンドでユニキャストルーティングプログラムを再起動してください。

2

illegal parameter class -- <Parameter>

指定アドレスの経路をクリアできません。

<Parameter>:指定パラメータ名

3

IP routing is not configured.

ルーティングプロトコルが設定されていません。

コンフィグレーションを確認してください。

4

linklocal address is not cleared

リンクローカルアドレスはクリアできません。

5

No response from rtm.

ユニキャストルーティングプログラムからの応答がありません。コマンドを再実行してください。頻発する場合は,restart unicastコマンドでユニキャストルーティングプログラムを再起動してください。

6

no route <IPv6 Address>

指定経路は存在しません。

<IPv6 Address>:IPv6アドレス

7

no such VRF <vrf id>

指定VRFが存在しません。

<vrf id>:指定VRF ID

8

pid file <File Name> mangled!

ユニキャストルーティングプログラムのPIDファイルが不正です。

<File Name>:PIDファイル名

9

pid in file <File Name> unreasonably small(<PID>)

ユニキャストルーティングプログラムのPIDファイルが不正です。

<File_Name>:PIDファイル名

<PID>:PIDファイル中のプロセスID

10

program error occurred: <Error Message>

プログラムエラーが発生しました。

コマンドを再実行してください。

<Error Message>:エラー部位

11

rtm appears to be running as pid <PID>, but pid <PID> doesn't exist!

ユニキャストルーティングプログラムのPIDファイル中に記述されたプロセスが存在しません。

ユニキャストルーティングプログラムが自動的に再起動した可能性があります。必要ならば,再起動を待って,コマンドを再実行してください。

<PID>:プロセスID

12

rtm doesn't seem to be running.

ユニキャストルーティングプログラムが起動していないため,コマンドが失敗しました。

ユニキャストルーティングプログラムの再起動を待って,コマンドを再実行してください。

[注意事項]

clear ipv6 route * を実行すると,ダイナミックに登録されたNDPエントリも削除します。