運用コマンドレファレンス Vol.2


clear ip ospf【SL-L3A】

OSPFプロトコルに関する情報をクリアします。

[入力形式]

clear ip ospf [vrf {<vrf id> | all}] [<Domain>] stub-router
clear ip ospf discard-packets
clear ip ospf [vrf {<vrf id> | all}] statistics

[入力モード]

一般ユーザモードおよび装置管理者モード

[パラメータ]

vrf {<vrf id> | all}

VRFのOSPFで収集しているパケット情報をクリアします。<vrf id>指定時は指定VRFのOSPFだけ,all指定時はグローバルネットワークを含む全VRFのOSPFを対象とします。<vrf id>の指定値の範囲は,コンフィグレーションコマンドで設定されたVRF IDとなります。

本パラメータ省略時の動作

グローバルネットワークのOSPFで収集しているパケット情報をクリアします。

<Domain>

OSPFドメイン番号を指定します。

<Domain>には1〜65535の範囲で指定してください。

本パラメータ省略時の動作

全ドメインを対象とします。

stub-router

OSPFで動作中のスタブルータを終了します。

本パラメータは以下の状態時は実行できません。

  • コンフィグレーションコマンドでスタブルータ機能が未設定時

  • スタブルータ機能の状態が未動作(InActive)時

  • スタブルータ機能の動作が常時動作(Always)時

discard-packets

OSPFで収集している廃棄パケットをクリアします。

statistics

OSPFで収集しているパケットの統計情報をクリアします。

[スタック構成時の運用]

マスタスイッチだけで有効な情報をクリアできます。

[実行例]

図7‒47 OSPFで動作中のスタブルータの終了
> clear ip ospf stub-router
>
図7‒48 OSPF廃棄パケットのクリア
> clear ip ospf discard-packets
>
図7‒49 OSPFのパケットの統計情報クリア
> clear ip ospf statistics
>

[表示説明]

なし

[通信への影響]

スタブルータ機能が動作時(常時動作は除く)にstub-routerパラメータを指定した場合,OSPFインタフェースのCost値が変更されます。

[応答メッセージ]

表7‒34 clear ip ospfコマンド応答メッセージ一覧

項番

メッセージ

内容

1

can't reset stub-router

スタブルータ機能が動作していないか,stub-routerが設定されていません。または,スタブルータ機能は常時動作しているため,スタブルータ機能を終了させることができません。

(指定ドメインが対象です。全ドメイン指定の場合は全ドメインで実行できないときにエラーになります。)

2

connection failed to rtm

ユニキャストルーティングプログラムとの通信が失敗しました。コマンドを再実行してください。頻発する場合は,restart unicastコマンドでユニキャストルーティングプログラムを再起動してください。

3

IP routing is not configured.

ルーティングプロトコルが設定されていません。

コンフィグレーションを確認してください。

4

No response from rtm.

ユニキャストルーティングプログラムからの応答がありません。コマンドを再実行してください。頻発する場合は,restart unicastコマンドでユニキャストルーティングプログラムを再起動してください。

5

no such domain "<id>"

指定ドメインは存在しません。

<id>:ドメイン番号

6

no such VRF <vrf id>

指定VRFが存在しません。

<vrf id>:指定VRF ID

7

OSPF not active in vrf <vrf id>

指定VRFではOSPFが動作していません。

<vrf id>:指定VRF ID

8

OSPF not active.

OSPFが動作していません。

9

program error occurred: <Error Message>

プログラムエラーが発生しました。コマンドを再実行してください。

<Error Message>:エラー部位

[注意事項]

なし