swap vrrp(IPv4)
自装置が切り戻し抑止状態で状態遷移を行うコマンドです。
自装置がマスタであればバックアップに遷移します。
自装置がバックアップであればマスタに遷移します。
[入力形式]
swap vrrp [-f] { name <virtual router name> | interface vlan <vlan id> [vrid <vrid>] }[入力モード]
一般ユーザモードおよび装置管理者モード
[パラメータ]
- -f
 - 
                  
確認メッセージなしでコマンドを実行します。
- 本パラメータ省略時の動作
 - 
                        
確認メッセージを出力します。
 
 - { name <virtual router name> | interface vlan <vlan id> [vrid <vrid>]}
 - 
                  
- name <virtual router name>
 - 
                        
仮想ルータ名称を指定します。
 - interface vlan <vlan id> [vrid <vrid>]
 - 
                        
仮想ルータを設定しているインタフェースを指定します。
<vlan id>にはコンフィグレーションコマンドinterface vlanで設定したVLAN IDを指定します。
vrid <vrid>には仮想ルータIDを指定します。省略した場合,指定したインタフェースに設定されているそれぞれの仮想ルータに対する実行確認メッセージが表示されます。
 
 
[スタック構成時の運用]
未サポートです。
[実行例]
現在マスタとして稼働しているVLAN"10"に設定されたVRID"1"とVRID"20"の仮想ルータをバックアップへ遷移させます。
> swap vrrp interface vlan 10 Exchange VRRP 1 OK? (y/n): y Exchange VRRP 20 OK? (y/n): y >  | 
               
[表示説明]
なし
[通信への影響]
VRRPの状態遷移によって,一時的に通信が中断することがあります。
[応答メッセージ]
| 
                         メッセージ  | 
                     
                         内容  | 
                  
|---|---|
| 
                         Can't execute.  | 
                     
                         コマンドを実行できません。再実行してください。  | 
                  
| 
                         Command execution cannot be performed to follow virtual router.  | 
                     
                         フォロー仮想ルータに対してコマンドは実行できません。  | 
                  
| 
                         Command execution cannot be performed to owner's virtual router of an initial state.  | 
                     
                         初期状態の仮想ルータに対してコマンドは実行できません。  | 
                  
| 
                         Command execution cannot be performed to owner's virtual router.  | 
                     
                         アドレス所有者の仮想ルータに対してコマンドは実行できません。  | 
                  
| 
                         no entries.  | 
                     
                         該当する仮想ルータがありません。  | 
                  
[注意事項]
- 
                  
優先度の低い,または優先度が同じ(デフォルトの優先度使用時も含む)仮想ルータから実行した場合,マスタに遷移しないことがあります。
 - 
                  
アドレス所有者,フォロー仮想ルータ,またはイニシャル状態の装置に対する入力はできません。
 - 
                  
切り戻し抑止中に切り戻しコマンドが実行された場合は,コマンドを優先して切り戻しを行います。
 - 
                  
切り戻し抑止を行っていない状態で,コマンドを実行した場合,切り戻しを行うが,自動切り戻し機能によって優先度が高い装置がマスタに遷移するため,切り戻しが発生していないように見えます。
 - 
                  
コマンド実行により一時的に両装置がバックアップ,またはマスタ状態となりますが,自動的にマスタとバックアップへ遷移します。
 - 
                  
自装置以外が故障などにより切り戻ることができない状態のときに,コマンドを実行した場合,デフォルトで4秒間通信ができなくなります。
 - 
                  
VRRPを構成しているすべての装置にコンフィグレーションコマンドno vrrp preemptとコンフィグレーションコマンドvrrp timers non-preempt-swapを設定している構成で,マスタ装置に切り戻しコマンドを実行した場合,vrrp timers non-preempt-swapコマンドに設定されている時間が経過するまで,すべての装置がバックアップになります。この状態を回避するには,VRRPを構成している装置間でvrrp timers non-preempt-swapコマンドを設定していない装置を1台以上存在させてください。また,すべての装置がバックアップの状態で,再度,切り戻しコマンドを実行することで,この状態を回避できます。
 
次の表にコマンド実行結果の一覧を示します。「状態変化しない」が切り戻しが発生していないように見える個所です。
| 
                         −  | 
                     
                         自装置抑止中  | 
                     
                         自装置抑止なし  | 
                  ||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 
                         他装置抑止中  | 
                     
                         他装置抑止なし  | 
                     
                         他装置抑止中  | 
                     
                         他装置抑止なし  | 
                  |||
| 
                         自装置 マスタ  | 
                     
                         自装置と他装置の優先度比較  | 
                     
                         高  | 
                     
                         切り替え  | 
                     
                         切り替え  | 
                     
                         状態変化しない  | 
                     
                         状態変化しない  | 
                  
| 
                         同  | 
                     
                         IPアドレスの大きい装置がマスタに遷移  | 
                     
                         IPアドレスの大きい装置がマスタに遷移  | 
                     
                         IPアドレスの大きい装置がマスタに遷移  | 
                     
                         IPアドレスの大きい装置がマスタに遷移  | 
                  ||
| 
                         低  | 
                     
                         切り戻し  | 
                     
                         切り戻し  | 
                     
                         切り戻し  | 
                     
                         切り戻し  | 
                  ||
| 
                         自装置バックアップ  | 
                     
                         高  | 
                     
                         切り戻し  | 
                     
                         切り戻し  | 
                     
                         切り戻し  | 
                     
                         切り戻し  | 
                  |
| 
                         同  | 
                     
                         IPアドレスの大きい装置がマスタに遷移  | 
                     
                         IPアドレスの大きい装置がマスタに遷移  | 
                     
                         IPアドレスの大きい装置がマスタに遷移  | 
                     
                         IPアドレスの大きい装置がマスタに遷移  | 
                  ||
| 
                         低  | 
                     
                         状態変化しない  | 
                     
                         状態変化しない  | 
                     
                         状態変化しない  | 
                     
                         状態変化しない  | 
                  ||
上記の表で使用している用語
- 
                     
自装置:swap vrrpコマンドを実行する装置。
 - 
                     
他装置:自装置以外の装置。
 - 
                     
切り替え:マスタが最も優先度が高いものから,低いものへ変わる。