運用コマンドレファレンス Vol.1


clear mac-address-table

MACアドレス学習によりダイナミックに登録されたMACアドレステーブルの情報をクリアします。

[入力形式]

clear mac-address-table [ vlan <vlan id list> ]
     [ port <port list> ][channel-group-number <channel group list>][-f]
clear mac-address-table vlan <vlan id list> mac-address <mac> [-f]

[入力モード]

一般ユーザモードおよび装置管理者モード

[パラメータ]

vlan <vlan id list>

指定VLAN ID(リスト形式)のMACアドレステーブルの情報をクリアします。

<vlan id list>の指定方法については,「パラメータに指定できる値」を参照してください。

[port <port list>] [channel-group-number <channel group list>]

指定ポートまたは指定チャネルグループに関するMACアドレステーブルの情報をクリアします。ポートとチャネルグループを同時に指定することもでき,その場合は指定したポートまたは指定したチャネルグループのどちらかに関するMACアドレステーブルの情報をクリアします。

port <port list>

指定ポート(リスト形式)から学習したMACアドレステーブルの情報をクリアします。<port list>の指定方法および値の指定範囲については,「パラメータに指定できる値」を参照してください。

channel-group-number <channel group list>

指定リンクアグリゲーションのチャネルグループ(リスト形式)から学習したMACアドレステーブルの情報をクリアします。<channel group list>の指定方法については,「パラメータに指定できる値」を参照してください。

mac-address <mac>

指定MACアドレスに関するMACアドレステーブルの情報をクリアします。指定できるMACアドレスの値の範囲は,「パラメータに指定できる値」を参照してください。

-f

クリア確認メッセージなしで,MACアドレステーブルの情報をクリアします。

本パラメータ省略時の動作

確認メッセージを出力します。

各パラメータ省略時の動作

本コマンドでは,パラメータを指定してその条件に該当するMACアドレステーブルの情報だけをクリアできます。パラメータを指定しない場合は,条件を限定しないでMACアドレステーブルの情報をクリアします。複数のパラメータを指定した場合は,それぞれの条件に同時に該当するMACアドレステーブルの情報をクリアします。

すべてのパラメータ省略時の動作

すべてのダイナミックに学習したMACアドレステーブルの情報をクリアします。

[スタック構成時の運用]

マスタスイッチからほかのメンバスイッチへ自動でMACアドレステーブルの情報をクリアします。

[実行例]

図23‒4 VLAN IDとポート指定時のMACアドレステーブルの情報のクリア
>clear mac-address-table vlan 90 port 1/0/9
mac-address-table clear OK? (y/n): y
>
図23‒5 クリア確認メッセージなしでMACアドレステーブルの情報のクリア
>clear mac-address-table vlan 100-200 -f
>

[表示説明]

なし

[通信への影響]

L2中継の場合,再度学習が完了するまでフレームがフラッディングされます。フラッディングによる影響が少ない時間帯に実施してください。

L3中継の場合,通信が一時的に途切れることがあります。

[応答メッセージ]

表23‒4 clear mac-address-tableコマンドの応答メッセージ一覧

メッセージ

内容

Can't execute this command in backup switch or transit switch.

バックアップスイッチまたはトランジットスイッチではコマンドを実行できません。

Can't execute.

コマンドを実行できません。再実行してください。

Command is accepted, but it takes time for setting to hardware.

コマンドは実行されましたが,ハードウェアへの反映に時間が掛かっています(再実行は必要ありません)。

Connection failed to L2 Manager.

L2Managerプログラムとの通信が失敗しました。コマンドを再実行してください。頻発する場合は,restart vlanコマンドでL2Managerプログラムを再起動してください。

No operational Port.

実行可能なポートはありません。指定パラメータを確認し再実行してください。

Specified VLAN is not configured.

指定VLANは設定されていません。指定パラメータを確認し再実行してください。

[注意事項]

  1. VXLAN機能が有効な場合,パラメータに従って,VNIによって学習したエントリもクリアの対象となります。ただし,指定するパラメータによってはクリアの対象外となるエントリがあります。

    • VLAN IDが含まれるパラメータを指定してクリアする場合,コンフィグレーションコマンドencapsulation dot1qで設定したVLAN IDとマッピングされているVNIによって学習したエントリはクリアの対象外となります。

    • ポートが含まれるパラメータを指定してクリアする場合,VXLAN Networkポートで学習したエントリはクリアの対象外となります。

    • コンフィグレーションコマンドvxlan vlan-mapping modeを設定しないで,パラメータにVLAN ID,またはVLAN IDとMACアドレスを指定してクリアする場合,すべてのエントリがクリアの対象外となります。

    なお,VNI指定のクリアについては,clear vxlan mac-address-tableコマンドを参照してください。

  2. show mac-address-tableコマンドでlearning-counterパラメータ指定時に表示される,MACアドレス学習の移動を検出した回数は0クリアされません。