コンフィグレーションガイド Vol.1


31.4.4 MLDクエリア機能

MLD クエリア機能とは,VLAN内にマルチキャストルータが存在せず,マルチキャストパケットの送信ホストと受信ホストだけが存在する環境で,本装置がMLD Queryメッセージを代理で受信ホストに対して送信する機能です。マルチキャストルータは定期的にMLD Queryメッセージを送信し,ホストからの応答を受け取ることでグループメンバーの存在有無を確認します。マルチキャストルータが存在しない場合,受信ホストからの応答がなくなるためにグループメンバーを監視することができなくなります。この機能によって,VLAN内にマルチキャストルータが存在しない場合でも,MLD snooping機能を使用可能とします。本装置ではQueryメッセージを125秒間隔で送信します。

MLDv1で運用する場合,該当するVLANではQuery Intervalを統一してください。

MLDクエリア機能を利用するためには,MLD snooping機能を利用するVLANにIPアドレスを設定する必要があります。

VLAN内にMLD Queryメッセージを送信する装置が存在する場合,MLD Queryメッセージの送信元IPアドレスの小さい方が代表クエリアとなってMLD Queryメッセージを送信します。VLAN内のほかの装置が代表クエリアの場合,本装置はMLDクエリア機能によるMLD Queryメッセージの送信を停止します。

代表クエリアが障害などで停止すると新たに代表クエリアを選定します。VLAN内の他装置が障害などで本装置が代表クエリアに決定するとMLD Queryメッセージの送信を開始します。本装置では代表クエリアの監視時間はOther Querier Present Intervalに従います。

Other Querier Present Intervalは,Robustness Variable(RV)×Query Interval(QI)+Query Response Interval(QRI)/2で算出します。

RV,QI,QRIの値を次に示します。

  • 他装置が代表クエリアでMLDv2で運用している場合

    RV,QI=受信したQueryメッセージから取得

    QRI=10秒

  • 本装置が代表クエリアでMLDv2で運用している場合,またはMLDv1で運用している場合

    RV=2

    QI=自装置に設定したQuery Interval(IPアドレス制御方式の場合,コンフィグレーションコマンドipv6 mld query-intervalの設定値)。設定していなければ125秒。

    QRI=10秒

本装置で送信するMLD Queryのバージョンは,MLDv1をデフォルト値としています。装置起動以降,MLD Queryのバージョンは,代表クエリアのMLDバージョンに従います。