運用コマンドレファレンス Vol.2

show ipv6 mcache

IPv6マルチキャスト中継エントリを一覧表示します。

［入力形式］

show ipv6 mcache [vrf {<vrf id> | all}]
          [source <ipv6 address>[/<prefix length>]]
          [group <ipv6 address>[/<prefix length>]] [brief]
show ipv6 mcache [vrf {<vrf id> | all}]
          [<ipv6 address>[/<prefix length>]] [brief]

［入力モード］

一般ユーザモードおよび装置管理者モード

［パラメータ］

vrf {<vrf id> | all}【SL-L3A】

VRFのIPv6マルチキャスト中継エントリ情報を表示します。

<vrf id>指定時は指定VRFのIPv6マルチキャスト中継エントリ情報だけ，all指定時はグローバルネットワークを含む全VRFおよび全VRF合計数のIPv6マルチキャスト中継エントリ情報を表示します。<vrf id>の指定値の範囲は，コンフィグレーションコマンドで設定されたVRF IDになります。

本パラメータ省略時の動作

グローバルネットワークのIPv6マルチキャスト中継エントリ情報を表示します。

source <ipv6 address>[/<prefix length>]

送信元アドレスにヒットするアドレスを表示します。

source <ipv6 address>[/<prefix length>]を指定した場合は，指定したプレフィックスにマッチした送信元情報に該当するエントリをすべて表示します。

<prefix length>を省略した場合のデフォルト値は128です。

本パラメータとgroupパラメータを同時に指定した場合は，両方の条件を満たすエントリをすべて表示します。

group <ipv6 address>[/<prefix length>]

グループアドレスにヒットするアドレスを表示します。

group <ipv6 address>[/<prefix length>]を指定した場合は，指定したプレフィックスにマッチしたグループに該当するエントリをすべて表示します。

<prefix length>を省略した場合のデフォルト値は128です。

本パラメータとsourceパラメータを同時に指定した場合は，両方の条件を満たすエントリをすべて表示します。

brief

IPv6マルチキャスト中継エントリ情報を簡易形式で表示します。

本パラメータ省略時の動作

IPv6マルチキャスト中継エントリ情報を標準形式で表示します。

<ipv6 address>[/<prefix length>]

グループアドレスにヒットするアドレスを表示します。

<ipv6 address>[/<prefix length>]を指定した場合は，指定したプレフィックスにマッチしたグループに該当するエントリをすべて表示します。

<prefix length>を省略した場合のデフォルト値は128です。

各パラメータ省略時の動作

本コマンドでは，パラメータ指定をしてその条件に該当する情報だけを表示できます。

パラメータを指定しない場合は，条件を限定しないで情報を表示します。

複数のパラメータを指定した場合，それぞれの条件に同時に該当する情報を表示します。

すべてのパラメータ省略時の動作

グローバルネットワークのすべてのIPv6マルチキャスト中継エントリ情報を標準形式で表示します。

［スタック構成時の運用］

未サポートです。

［実行例］

IPv6マルチキャスト中継エントリを表示します。

図15‒1　IPv6マルチキャスト中継エントリの表示 
> show ipv6 mcache
Date 20XX/04/10 12:40:10 UTC
Total: 2 routes
- Forwarding entry  ----------------------------------------------------------
Group Address                            Source Address
ff1e:1234:5678::a                        2001:db8:1::1
    uptime: 00:20    expires: 02:40    flags:
    incoming:
        VLAN0001
    outgoing:
        VLAN0002
        VLAN0003
ff1e:1234:5678::b                        2001:db8:2::1
    uptime: 00:20    expires: 02:40    flags:
    incoming:
        VLAN0004
    outgoing:
        VLAN0005
        VLAN0006
        VLAN0007
>
> show ipv6 mcache vrf 2
Date 20XX/04/10 12:40:20 UTC
VRF: 2  Total: 4 routes
- Forwarding entry  ----------------------------------------------------------
Group Address                            Source Address
ff1e:1234:5678::c                        2001:db8:3::1
    uptime: 00:20    expires: 02:40    flags:
    incoming:
        VLAN0011
    outgoing:
        VLAN0012
        VLAN0013
ff1e:1234:5678::d                        2001:db8:4::1
    uptime: 00:20    expires: 02:40    flags:
    incoming:
        VLAN0014
    outgoing:
        VLAN0015
        VLAN0016
        VLAN0017
- Negative cache -------------------------------------------------------------
Group Address                            Source Address
ff1e:1234:1000::1                        2001:db8:5::1
    uptime: 00:20    expires: 02:50    flags:
    incoming:
        VLAN0018
ff1e:1234:1000::2                        2001:db8:6::1
    uptime: 00:20    expires: 02:50    flags:
    incoming:
        VLAN0018
>
> show ipv6 mcache brief
Date 20XX/04/10 12:40:40 UTC
Total: 2 routes
- Forwarding entry  ----------------------------------------------------------
Group Address               Source Address           Incoming   Outgoing Count
ff1e:1234:5678::a           2001:db8:1::1            VLAN0001                2
ff1e:1234:5678::b           2001:db8:2::1            VLAN0002                3
>

［表示説明］

表15‒1　show ipv6 mcache表示内容

表示項目

意味

表示詳細情報

VRF【SL-L3A】

VRF ID

対象がグローバルネットワークの場合は表示されません。

Total

エントリ数

−

Warning【SL-L3A】

警告表示

IPv6マルチキャスト中継エントリ数制限によって，エントリ廃棄中に"Multicast forwarding entry is discarded for limit"と表示します。

Group Address

宛先グループアドレス

−

Source Address

送信元アドレス

−

uptime

IPv6マルチキャスト中継エントリ生成経過時間

xx:yy xx（分）yy（秒）

60分以上は"1hour"，"2hours"・・・

ただし，24時間以上は"1day"，"2days"・・・と表示します。

本タイマは30秒ごとに更新されます。

expires

IPv6マルチキャスト中継エントリのエイジング（残時間）

xx:yy xx（分）yy（秒）

60分以上は"1hour"，"2hours"・・・

タイムアウトしない場合，"--:--"と表示します。

本タイマは30秒ごとに更新されます。

また，エイジングが0秒になる前にIPv6マルチキャスト中継エントリが削除されることがあります。

flags【SL-L3A】

フラグ情報

U：エクストラネットの上流側VRF

D：エクストラネットの中継先VRF

Incoming/incoming

上流インタフェース

インタフェース名

ディカプセル化用のインタフェースは"register"と表示します。

エクストラネットによる他VRFの場合は，VRF IDが表示されます。

グローバルネットワークの場合は"global"と表示します。

上流側VRFのフィルタで本VRFが許可されていない場合は"(denied)"と表示します。

outgoing

下流インタフェース

インタフェース名

カプセル化用のインタフェースは"register"と表示します。

エクストラネットによる他VRFの場合は，VRF IDが表示されます。

グローバルネットワークの場合は"global"と表示します。

MLD snoopingが動作している場合は"<snooping>"と表示します。

Outgoing Count

下流インタフェース数

−

［通信への影響］

なし

［応答メッセージ］

表15‒2　show ipv6 mcacheコマンド応答メッセージ

項番

メッセージ内容

意味

1

connection failed to mr6

IPv6マルチキャストルーティングプログラムとの通信が失敗しました。

IPv6マルチキャストルーティングを有効にしたにもかかわらずこのメッセージが出るときは，コマンドを再実行またはコンフィグレーションを確認してください。

2

illegal address <ipv6 address>

指定IPv6アドレスが不正です。

アドレスを再確認し，コマンドを再実行してください。

<ipv6 address>：指定IPv6アドレス

3

illegal vrf number <vrf id>

指定VRFが不正です。

<vrf id>：VRF ID

4

no such VRF <vrf id>

指定VRFでIPv6マルチキャストが動作していません。

<vrf id>：VRF ID

5

program error occurred: <error message>

プログラムエラーが発生しました。

コマンドを再実行してください。

<error message>：エラー部位

6

This command cannot be executed now

運用端末でマルチキャストコマンドを実行中のため，本コマンドを実行できません。

運用端末でのマルチキャストコマンド実行後，本コマンドを再実行してください。

7

Unknown command "<command>"

指定コマンドが不正です。

<command>：指定コマンド名

［注意事項］

なし

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