運用コマンドレファレンス Vol.2


show track-object

ポリシーベースルーティングのトラッキング機能のトラック情報を表示します。

[入力形式]

show track-object <track object id>
show track-object [icmp] [detail]

[入力モード]

一般ユーザモードおよび装置管理者モード

[パラメータ]

<track object id>

指定したトラックIDのトラック情報を詳細表示します。

<track object id>にはポリシーベースルーティングのトラッキング機能に設定されたトラックIDを指定してください。

icmp

トラック種別がIPv4 ICMPポーリング監視のトラック情報を表示します。

本パラメータ省略時の動作

すべてのトラック種別のトラック情報を表示します。

detail

トラック情報を詳細表示します。

本パラメータ省略時の動作

トラック情報を一覧表示します。

すべてのパラメータ省略時の動作

すべてのトラック情報を一覧表示します。

[スタック構成時の運用]

マスタスイッチだけで有効な情報を取得できます。

[実行例1]

トラック情報の一覧を表示します。

図3‒11 トラック情報の一覧表示結果
> show track-object
Date 20XX/12/15 12:00:00 UTC
Track State         Type        Target
101   UP(Active)    ICMP        172.16.1.1
102   UP(Transit)   ICMP        172.16.2.1
201   DOWN(Transit) ICMP        172.16.3.1
>

[実行例1の表示説明]

表3‒8 トラック情報の一覧表示内容

表示項目

意味

表示詳細情報

Track

トラックID

State

トラック状態(動作状態)

  • トラック状態

    UP:Up状態

    DOWN:Down状態

  • 動作状態

    Active:動作中

    Disable:停止中

    Init:起動中

    Aging:切替中

    Backup:バックアップ

    Transit:障害発生検証中または障害回復検証中

Type

トラック種別

ICMP:IPv4 ICMPポーリング監視

UNSPECIFIED:指定なし

Target

トラック対象

TypeがICMPの場合:

 VRF:VRF ID(対象がグローバルネットワークの場合は表示しません)

 IPアドレス:監視アドレス

TypeがUNSPECIFIEDの場合:

 "-"を表示

[実行例2]

トラック情報の詳細を表示します。

図3‒12 トラック情報の詳細表示結果
> show track-object 102
Date 20XX/12/15 12:00:00 UTC
Track: 102
   State: UP(Transit),   Last Change: 20XX/10/10 18:11:23
   Type: ICMP
      Destination: 172.16.2.1
      Source: 172.16.2.100, Nexthop: 172.16.2.200
      TOS: max-reliability(2), Precedence: flash(3)
      Interval: 2sec, Timeout: 2sec
      Failed: 1/2, Tried: 1/3
>
> show track-object 201
Date 20XX/12/15 12:00:00 UTC
Track: 201
   State: DOWN(Transit),   Last Change: 20XX/10/10 18:11:23
   Type: ICMP
      Destination: 172.16.3.1
      Source: -, Nexthop: -
      TOS: normal(0), Precedence: flash(3)
      Interval: 2sec, Timeout: 2sec
      Succeeded: 1/2, Tried: 1/3
>

[実行例2の表示説明]

表3‒9 トラック情報の詳細表示内容

表示項目

意味

表示詳細情報

Track

トラックID

State

トラック状態(動作状態)

  • トラック状態

    UP:Up状態

    DOWN:Down状態

  • 動作状態

    Active:動作中

    Disable:停止中

    Init:起動中

    Aging:切替中

    Backup:バックアップ

    Transit:障害発生検証中または障害回復検証中

Last Change

最終トラック状態変更時刻

yyyy/mm/dd hh:mm:ss 年/月/日 時:分:秒

トラックの追加後またはトラック種別変更後,トラック状態に変更が無い場合は"-"を表示します。

Type

トラック種別

ICMP:IPv4 ICMPポーリング監視

UNSPECIFIED:指定なし

VRF

VRF ID

TypeがICMPの場合に表示します。

ただし,コンフィグレーションコマンドで設定されていない場合は表示しません。

Destination

監視アドレス

TypeがICMPの場合に表示します。

Source

ICMP Echoパケットの送信元として使用するアドレス

TypeがICMPの場合に表示します。

コンフィグレーションコマンドで設定されていない場合は"-"を表示します。

Nexthop

ICMP Echoパケット送信時のネクストホップアドレス

TypeがICMPの場合に表示します。

コンフィグレーションコマンドで設定されていない場合は"-"を表示します。

TOS

ICMP Echoパケットに設定するToSフィールドのtos値

TypeがICMPの場合に表示します。

 max-reliability(2)

 max-throughput(4)

 min-delay(8)

 min-monetary-cost(1)

 normal(0)

 上記以外は指定した値を表示します。

Precedence

ICMP Echoパケットに設定するToSフィールドのprecedence値

TypeがICMPの場合に表示します。

 critical(5)

 flash(3)

 flash-override(4)

 immediate(2)

 internet(6)

 network(7)

 priority(1)

 routine(0)

 上記以外は指定した値を表示します。

Interval

動作中のポーリング間隔

TypeがICMPの場合に表示します。

Stateの動作状態がDisable,Init,AgingまたはBackupの場合は,Active時に適用するポーリング間隔を表示します。

Timeout

ポーリング応答待ち時間

TypeがICMPの場合に表示します。

Succeeded

障害回復検証中のポーリング成功回数

Stateの動作状態がTransitの場合に表示します。

xxx/yyy:

  • xxx:現在のポーリング成功回数

  • yyy:Upと判定するポーリング成功回数

Failed

障害発生検証中のポーリング失敗回数

Stateの動作状態がTransitの場合に表示します。

xxx/yyy:

  • xxx:現在のポーリング失敗回数

  • yyy:Downと判定するポーリング失敗回数

Tried

障害回復検証中または障害発生検証中のポーリング試行回数

Stateの動作状態がTransitの場合に表示します。

xxx/yyy:

  • xxx:現在のポーリング試行回数

  • yyy:規定のポーリング試行回数

[通信への影響]

なし

[応答メッセージ]

表3‒10 show track-objectコマンドの応答メッセージ一覧

メッセージ

内容

Can't execute.

コマンドを実行できません。再実行してください。

no entries

該当するトラックがありません。

no such track object id

指定されたトラックIDが設定されていません。指定パラメータを確認して再実行してください。

trackobjd doesn't seem to be running.

トラックオブジェクトプログラムが起動していないため,コマンドが失敗しました。コンフィグレーションを確認してください。

[注意事項]

なし