コンフィグレーションガイド Vol.3


31.4.4 Forwarderの決定

同一LAN上に複数のPIM-SMルータを接続している場合,そのネットワークにマルチキャストパケットが重複してフォワードされる可能性があります。

PIM-SMルータは同一LAN上に複数のPIM-SMルータが存在し,二つ以上のルータがそのLANにマルチキャストパケットをフォワードする場合,PIM-Assertメッセージを使ってそのマルチキャスト経路のプリファレンスとメトリックを比較し,送信元ネットワークに対して最適な一つのルータをフォワーダとして選択します。

フォワーダとなった一つのルータだけが,そのLANでのマルチキャストパケットを中継することで,マルチキャストパケット中継の重複を抑止します。

PIM-Assertメッセージによるフォワーダを決定する流れを次に示します。

  1. プリファレンスを比較して,値が小さいルータがフォワーダになります。

  2. プリファレンスが等しい場合に,メトリックを比較して,値が小さいルータがフォワーダになります。

  3. メトリックが等しい場合に,各ルータのIPアドレスを比較して,IPアドレスが大きいルータがフォワーダになります。

本装置はマルチキャスト経路のプリファレンスを101,メトリックを1024固定でPIM-Assertメッセージを送信します。ただし,送信者と直接接続する場合は,プリファレンスを0,メトリックを0固定でPIM-Assertメッセージを送信します。また,コンフィグレーションによって,ユニキャストの情報から経路のディスタンスとメトリックを取得して,PIM-Assertメッセージのプリファレンスとメトリックとして送信することもできます。

Forwarderの決定を次の図に示します。

図31‒14 Forwarderの決定

[図データ]