コンフィグレーションガイド Vol.2


1.1.3 受信側フロー検出モード

本装置では,ネットワーク構成や運用形態を想定して受信側フロー検出モードを用意しています。受信側フロー検出モードは,受信側インタフェースに対するフィルタ・QoSエントリの配分パターンを決めるモードです。エントリの配分については「コンフィグレーションガイド Vol.1」 「3 収容条件」を参照して,使い方に合わせてモードを選択してください。

受信側フロー検出モードはflow detection modeコマンドで指定します。なお,選択した受信側フロー検出モードはフィルタ・QoSで共通です。受信側フロー検出モードを変更する場合,受信側および送信側インタフェースに設定された次のコマンド,およびDHCP snoopingのip verify sourceコマンドをすべて削除する必要があります。

さらに,受信側フロー検出モードをポリシーベースルーティング未サポートの受信側フロー検出モードに変更する場合は,これらのコマンドに加えて次に示すコマンドを削除する必要があります。

受信側フロー検出モードのIP未設定VLAN抑止モードを設定すると,コンフィグレーションコマンドip addressが設定されていないVLANではIPパケット(ARP含む)を,コンフィグレーションコマンドipv6 enableが設定されていないVLANではIPv6パケットを,CPUに転送しないように制御します。ただし,次に示す機能のうちどれかを使用している場合,該当する機能で制御する必要のあるIPパケットはCPUに転送されます。

なお,受信側フロー検出モードを指定しない場合,layer3-2がデフォルトのモードとして設定されます。

受信側フロー検出モードとフロー動作の関係を次の表に示します。

表1‒2 受信側フロー検出モードとフロー動作の関係

受信側フロー

検出モード名称

運用目的

フロー動作

layer3-1

  • IPパケットやそれ以外のフレームのフロー制御をしたい

  • IPv4パケットに特化したフロー制御をしたい

MACアドレス,イーサネットタイプなどのMACヘッダでフレームを検出します。

IPv4パケットは,IPヘッダ,TCP/UDPヘッダ,ICMPヘッダでフレームを検出します。

layer3-2

  • IPv4パケットに特化したフロー制御をしたい

IPv4パケットについて,IPヘッダ,TCP/UDPヘッダ,ICMPヘッダでフレームを検出します。

layer3-6

  • IPv4,IPv6パケットに特化したフロー制御をしたい

  • ポリシーベースルーティングを使用したい

IPv4パケットは,IPヘッダ,TCP/UDPヘッダ,ICMPヘッダでフレームを検出します。

IPv6パケットは,IPヘッダ,TCP/UDPヘッダ,ICMPヘッダでフレームを検出します。

layer3-dhcp-1

  • IPv4パケットに特化したフロー制御をして,かつDHCP snoopingの端末フィルタを使用したい

IPv4パケットについて,IPヘッダ,TCP/UDPヘッダ,ICMPヘッダでフレームを検出します。

layer3-mirror-1

  • IPパケットやそれ以外のフレームのフロー制御とポリシーベースミラーリングを使用したい

  • IPv4パケットに特化したフロー制御とポリシーベースミラーリングをしたい

MACアドレス,イーサネットタイプなどのMACヘッダでフレームを検出します。

IPv4パケットは,IPヘッダ,TCP/UDPヘッダ,ICMPヘッダでフレームを検出します。

layer3-mirror-2

  • IPv4パケットに特化したフロー制御とポリシーベースミラーリングをしたい

IPv4パケットについて,IPヘッダ,TCP/UDPヘッダ,ICMPヘッダでフレームを検出します。

layer3-mirror-3

  • IPv4,IPv6パケットに特化したフロー制御を使用したい

  • IPパケットやそれ以外のフレームのポリシーベースミラーリングを使用したい

  • IPv4パケットに特化したポリシーベースミラーリングをしたい

  • ポリシーベースルーティングを使用したい

MACアドレス,イーサネットタイプなどのMACヘッダでフレームを検出します。

IPv4パケットは,IPヘッダ,TCP/UDPヘッダ,ICMPヘッダでフレームを検出します。

layer3-mirror-4

  • IPv4,IPv6パケットに特化したフロー制御をしたい

  • IPv6パケットに特化したポリシーベースミラーリングを使用したい

  • ポリシーベースルーティングを使用したい

IPv4パケットは,IPヘッダ,TCP/UDPヘッダ,ICMPヘッダでフレームを検出します。

IPv6パケットは,IPヘッダ,TCP/UDPヘッダ,ICMPヘッダでフレームを検出します。

layer3-mirror-5

  • IPv4,IPv6パケットに特化したフロー制御をしたい

  • IPパケットやそれ以外のフレームに対してポリシーベースミラーリングを使用したい

  • IPv4,IPv6パケットに対してポリシーベースミラーリングを使用したい

  • ポリシーベースルーティングを使用したい

MACアドレス,イーサネットタイプなどのMACヘッダでフレームを検出します。

IPv4パケットは,IPヘッダ,TCP/UDPヘッダ,ICMPヘッダでフレームを検出します。

IPv6パケットは,IPヘッダ,TCP/UDPヘッダ,ICMPヘッダでフレームを検出します。

layer3-suppress-1

  • IP未設定VLAN抑止モードを使用したい

  • IPパケットやそれ以外のフレームのフロー制御をしたい

  • IPv4パケットに特化したフロー制御をしたい

MACアドレス,イーサネットタイプなどのMACヘッダでフレームを検出します。

IPv4パケットは,IPヘッダ,TCP/UDPヘッダ,ICMPヘッダでフレームを検出します。

layer3-suppress-2

  • IP未設定VLAN抑止モードを使用したい

  • IPv4,IPv6パケットに特化したフロー制御をしたい

  • ポリシーベースルーティングを使用したい

IPv4パケットは,IPヘッダ,TCP/UDPヘッダ,ICMPヘッダでフレームを検出します。

IPv6パケットは,IPヘッダ,TCP/UDPヘッダ,ICMPヘッダでフレームを検出します。

layer3-suppress-dhcp-1

  • IP未設定VLAN抑止モードを使用したい

  • IPv4パケットに特化したフロー制御をして,かつDHCP snoopingの端末フィルタを使用したい

IPv4パケットについて,IPヘッダ,TCP/UDPヘッダ,ICMPヘッダでフレームを検出します。

layer3-suppress-mirror-1

  • IP未設定VLAN抑止モードを使用したい

  • IPパケットやそれ以外のフレームのフロー制御とポリシーベースミラーリングを使用したい

  • IPv4パケットに特化したフロー制御とポリシーベースミラーリングをしたい

MACアドレス,イーサネットタイプなどのMACヘッダでフレームを検出します。

IPv4パケットは,IPヘッダ,TCP/UDPヘッダ,ICMPヘッダでフレームを検出します。

layer3-suppress-mirror-2

  • IP未設定VLAN抑止モードを使用したい

  • IPv4,IPv6パケットに対してフィルタを使用したい

  • IPv4,IPv6パケットに対してポリシーベースミラーリングを使用したい

  • ポリシーベースルーティングを使用したい

IPv4パケットは,IPヘッダ,TCP/UDPヘッダ,ICMPヘッダでフレームを検出します。

IPv6パケットは,IPヘッダ,TCP/UDPヘッダ,ICMPヘッダでフレームを検出します。

custom

次に示す機能を選択し,ハードウェアテーブルのエントリブロック単位に機能を割り当て,収容条件を柔軟に設定したい

  • IP未設定VLAN抑止モード

  • IPv4,IPv6パケットやそれ以外のフレームに対するフロー制御

  • IPv4,IPv6パケットやそれ以外のフレームに対するポリシーベースミラーリング

  • ポリシーベースルーティング

  • DHCP snoopingの端末フィルタ

MACアドレス,イーサネットタイプなどのMACヘッダでフレームを検出します。

IPv4パケットは,IPヘッダ,TCP/UDPヘッダ,ICMPヘッダでフレームを検出します。

IPv6パケットは,IPヘッダ,TCP/UDPヘッダ,ICMPヘッダでフレームを検出します。