コンフィグレーションガイド Vol.1


31.4.3 マルチキャストルータとの接続

マルチキャストパケットの中継先にはグループ加入済みホストだけでなく隣接するマルチキャストルータも対象とします。本装置とマルチキャストルータを接続してMLD snoopingを使用する場合,マルチキャストルータへマルチキャストパケットを中継するためにマルチキャストルータと接続するポート(以降,マルチキャストルータポートとします)をコンフィグレーションで指定します。

本装置は指定したマルチキャストルータポートへは全マルチキャストパケットを中継します。

また,MLDはルータホスト間で送受信するプロトコルであるため,MLDメッセージはルータおよびホストが受け取ります。本装置ではMLDメッセージを次の表に示すように中継します。

表31‒5 MLDv1メッセージごとの動作

MLDv1メッセージの種類

VLAN内転送ポート

備考

Multicast Listener Query

全ポートへ中継します。

Multicast Listener Report

マルチキャストルータポートにだけ中継します。

Multicast Listener Done

ほかのポートにまだグループメンバーが存在する場合はどのポートにも中継しません。

ほかのポートにグループメンバーが存在しない場合はマルチキャストルータポートに中継します。

注※

自装置にクエリアを設定し,他装置が代表クエリアの場合の中継動作です。自装置が代表クエリアの場合は,MLDv1 Doneメッセージは中継しません。クエリアを設定していない場合は,常にマルチキャストルータポートに中継します。ただし,MLDv1/MLDv2 Report(加入要求)メッセージを受信していないポートでMLDv1 Doneメッセージを受信した場合,クエリアの設定にかかわらずMLDv1 Doneメッセージは中継しません。

表31‒6 MLDv2メッセージごとの動作

MLDv2メッセージの種類

VLAN内転送ポート

備考

Version2 Multicast Listener Query

全ポートへ中継します。

Version2 Multicast

Listener Report

加入要求のReport

マルチキャストルータポートにだけ中継します。

離脱要求のReport

ほかのポートにまだグループメンバーが存在する場合はどのポートにも中継しません。ほかのポートにグループメンバーが存在しない場合はマルチキャストルータポートに中継します。

注※

自装置にクエリアを設定し,他装置が代表クエリアの場合の中継動作です。自装置が代表クエリアの場合は,MLDv2 Report(離脱要求)メッセージは中継しません。クエリアを設定していない場合は,常にマルチキャストルータポートに中継します。ただし,MLDv1/MLDv2 Report(加入要求)メッセージを受信していないポートで離脱要求のMLDv2 Reportメッセージを受信した場合,クエリアの設定にかかわらずMLDv2 Report(離脱要求)メッセージは中継しません。