運用コマンドレファレンス Vol.2
H/Wのフォワーディングエントリをいったんクリアし,ユニキャストルーティングプログラムが保有するルーティングエントリを再登録します。
[入力形式]
clear ip route [vrf {<vrf id> | all}] { * | <Address> } clear ip route unicast
[入力モード]
一般ユーザモードおよび装置管理者モード
[パラメータ]
- vrf {<vrf id> | all}【SL-L3A】
- VRFの経路を対象とします。<vrf id>指定時は指定VRFの経路だけ,all指定時はグローバルネットワークを含む全VRFの経路を対象とします。<vrf id>の指定値の範囲は,コンフィグレーションコマンドで設定されたVRF IDとなります。
- 本パラメータ省略時の動作
- グローバルネットワーク経路を対象とします。
- *
- すべての経路情報を更新します。
- <Address>
- 指定ネットワーク宛の経路情報を更新します。
- <Address>は以下のどれかの形式で指定できます。
- <IP Address>
- <IP Address> <Mask>
- <IP Address>/<Masklen>
- <IP Address>には宛先アドレスを,<Mask>,<Masklen>にはネットワークマスクを指定します。ネットワークマスクを省略した場合,指定した宛先アドレスに最長一致(longest-match)する経路情報を更新します。<IP Address>,<Mask>はIPv4アドレスで,<Masklen>は0〜32の範囲で指定してください。なお,指定ネットワークにループバックアドレス,マルチキャストアドレス,およびクラスEのアドレスは指定できません。
- unicast
- 自装置内の経路情報をコンフィグレーションに従い再評価します。
[スタック構成時の運用]
マスタスイッチだけで有効な情報をクリアできます。
[実行例]
> clear ip route unicast >
[表示説明]
なし
[通信への影響]
H/Wのフォワーディングエントリをクリアし,ユニキャストルーティングプログラムが保有するルーティングエントリを再登録するため,一時的に通信が停止する場合があります。
[応答メッセージ]
表7-5 clear ip routeコマンド応答メッセージ一覧
項番 メッセージ 内容 1 connection failed to rtm ユニキャストルーティングプログラムとの通信が失敗しました。コマンドを再実行してください。頻発する場合は,restart unicastコマンドでユニキャストルーティングプログラムを再起動してください。 2 illegal parameter class -- <Parameter> 指定アドレスの経路をクリアできません。
<Parameter>:指定パラメータ名3 illegal parameter mask -- <Parameter> 指定マスクが不正です。
宛先ネットワークの非マスク部に1が設定されています。
<Parameter>:指定パラメータ名4 IP routing is not configured. ルーティングプロトコルが設定されていません。
コンフィグレーションを確認してください。5 No response from rtm. ユニキャストルーティングプログラムからの応答がありません。コマンドを再実行してください。頻発する場合は,restart unicastコマンドでユニキャストルーティングプログラムを再起動してください。 6 no route <IP Address> 指定経路は存在しません。
<IP Address>:指定ネットワークアドレス7 no such VRF <vrf id> 指定VRFが存在しません。
<vrf id>:指定VRF ID8 pid file <File Name> mangled! ユニキャストルーティングプログラムのPIDファイルが不正です。
<File Name>:PIDファイル名9 pid in file <File Name> unreasonably small(<PID>) ユニキャストルーティングプログラムのPIDファイルが不正です。
<File_Name>:PIDファイル名
<PID>:PIDファイル中のプロセスID10 program error occurred: <Error Message> プログラムエラーが発生しました。
コマンドを再実行してください。
<Error Message>:エラー部位11 rtm appears to be running as pid <PID>, but pid <PID> doesn't exist! ユニキャストルーティングプログラムのPIDファイル中に記述されたプロセスが存在しません。
ユニキャストルーティングプログラムが自動的に再起動した可能性があります。必要ならば,再起動を待って,コマンドを再実行してください。
<PID>:プロセスID12 rtm doesn't seem to be running. ユニキャストルーティングプログラムが起動していないため,コマンドが失敗しました。
ユニキャストルーティングプログラムの再起動を待って,コマンドを再実行してください。
[注意事項]
- clear ip route unicastを実行すると,IPv6経路の経路情報も再評価します。
- clear ip route * を実行すると,ダイナミックに登録されたARPエントリも削除します。
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